名称 MIRS1303 標準ボード試験計画書
番号 MIRS1303-PLAN-0002

最終更新:2013.07.10

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A03 2013.07.10 杉山颯・飯塚洸平 江上親宏 PWM出力試験のプログラムの動作を訂正
A02 2013.06.30 杉山颯・飯塚洸平 江上親宏 各項目の順番を変更
試験における負荷の程度を追加
試験結果の判定基準を明確に変更
表や図の見出しを適切なものに変更
デバッグ作業を行うことを追加
A01 2013.06.28 杉山颯・飯塚洸平 初版

目次




1.はじめに


本ドキュメントは、MIRS1303の標準ボードの動作試験の方法について記したドキュメントである。



2.試験項目


試験を行う対象、試験項目、担当者、試験予定日を示す。
表1:試験項目
試験対象試験項目担当者試験予定日備考
電源ボード
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • 動作試験
飯塚洸平、鈴木悠人 7/5まで
ドータボード
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • 動作試験
野村允春、鈴木悠人 7/5まで
モーター制御ボード
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • ロータリーエンコーダ読み取り試験
  • PWM出力試験
  • 実際の走行制御による試験
青島圭汰、高橋一将 7/5まで
超音波センサボード(親機,子機)
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • 距離計測試験
飯塚洸平、杉山春樹、杉山颯 7/5まで



3.電源ボード

3.1目的

CPUやモーターを実際に動作させた状態で電源電圧が安定することを確認する

3.2部品配置確認

部品配置確認は、電源ボード、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線を使用して目視にて基板と実装図を確認する。
間違っていた場合は、部品を規定の位置に付け直す。部品の取り外しが困難な場合は基板を作り直す。

3.3導通試験

導通試験は、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線、テスターを使用して回路図と見比べながら各部品が繋がっているかどうか、VccとGNDがショートしていないかをテスターで調べる。導通試験は担当2人で1人1回、計2回の試験を行う。
パターン図(回路図)を図1,2に示す。次のように番号を振る。

図1:電源ボードパターン図

図2:電源ボード回路図

図に青色で示した@はGND、黄色で示したA,C,D,F,IはVccである。
もし断線、ショートが確認できたら、修復可能な場合は修復、修復不可能な場合は基板を作り直す。

この番号に従って表2を作成する。
表2:電源ボード導通確認結果
ABCDEFGHIJ
@









A








B







C






D





E




F



G


H

I

この表を元に、配線@〜Jのそれぞれについて、断線、ショートしていないかどうかチェックする。この時のチェック方法として、目視によるチェック、テスタを用いた導通チェックの2種類を行い、1回目と2回目でチェックする人を変え、見落としの無いようにする。

3.4動作試験

部品配置確認・導通試験に関しては、MIRSSTND デュアルレギュレータ電源ボード製造仕様書を参照する。
動作試験については、安定化電源(7.8V)をCH1,CH3に接続した際
  • CPUスイッチがONのとき、CH2に出力される電圧が5.1V
  • MPCスイッチがONのとき、CH4に出力される電圧が6.1V
    となれば合格とする。また誤差として制御系の出力は5.0〜5.5V、駆動系出力は6.0〜6.9Vを許容範囲とする。

    実際にCPU、モーターを動かした状態での試験も行う。CPUは、重い処理は行わない状態で測定する。モーターは、空回しの状態で測定を行う。
    なお、バッテリー(定格7.8V)が支給された際には、バッテリーを用いて再度試験を行う。
    合格できなかった場合、回路・素子の見直しを行い、修正する。
    結果を表3に記入する。
    詳しくはMIRS1102 電源ボード試験仕様書を参照
    CHの位置は電源ボード実装図を参照
    表3:電源ボードの試験結果
    入力電圧 目標電圧 測定電圧
    (安定化電源)
    各ボード接続後の測定値
    (安定化電源)
    測定電圧
    (バッテリー)
    各ボード接続後の測定値
    (バッテリー)
    CPU 7.8V 5.0〜5.5V -V -V -V -V
    MCB 7.8V 6.0〜6.9V -V -V -V -V



  • 4.ドータボード

    4.1目的

    ドータボードが正常に動作することを確認する

    4.2部品配置確認

    部品配置確認は、ドータボード、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線を使用して目視にて基板と実装図を確認する。
    MIRSMG3D ドータボード基壁試験仕様書を参照して配置を確認する。
    間違っていた場合は、部品を規定の位置に付け直す。部品の取り外しが困難な場合は基板を作り直す。

    4.3導通試験

    導通試験は、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線、テスターを使用して回路図と見比べながら各部品が繋がっているかどうか、VccとGNDがショートしていないかをテスターで調べる。導通試験は担当2人で1人1回、計2回の試験を行う。
    回路図を参考に目視とテスタ2回の計3回チェックを行う。回路図を図3,4に示す。導通試験の結果を表4に記入する。

    図3:ドータボード上段の回路図

    図4:ドータボード下段の回路図

    表4:ドータボード導通確認結果
    目視 テスター
    一回目 二回目
    上段 - - -
    下段 - - -

    4.4動作試験

    動作試験については、ドータボードは単体での動作試験を行うことができないので、ほかの基板、FPGA内モジュールの動作試験を行うことで試験する。
    単一のタッチセンサと白線センサとOn/Off I/Oデータ取得試験プログラムを用い、ディスプレイにおいてI/O[1]〜I/O[8],TS[1]〜TS[4]の出力が変化することを確認し動作試験とする。
    詳しくはMIRSMG3D ドータボード基板試験仕様書を参照する。
    その際MIRSMG3D On/Off I/Oデータ取得試験プログラムを使用する。
    また、昨年度までTS2が使えないバグが存在したが、MIRSMG3D FPGA Quatus設計データおよびTTFファイルのTTFファイルが改良されたことで、現在では問題なく試験を行うことができる。

    ドータボード2枚、CPUボード、FPGAボード、白線センサ、タッチセンサ、ディスプレイ、電源ボード、安定化電源またはバッテリーを接続する。
    /home/mirs/src/mg3_std_program/testにあるirs_ts_ws_testを実行する。
    白線センサは白色を検知すると出力が1になる。なお、白線を検知した白線センサはLEDが発光する。白線センサは可変抵抗を変更することで反応する可能性がある。この際、変化が確認できれば良いものとし、適切な距離で検知できる必要はない。微調整は環境が整ってから行う。
    タッチセンサは押されると出力が1になる。
    入力に対して出力が正しい値を返すことで動作試験を合格とする。結果を表5に○×で記入する。
    合格できなかった場合、基板の見直しを行い、正しく動作するように修復する。修復でない場合、そのポートは使用しないか、新しくボードを作り直す。
    不合格のポートがある場合は報告書にて報告する。
    表5:ドータボードの試験結果
    I/O[1] I/O[2] I/O[3] I/O[4] I/O[5] I/O[6]
    - - - - - -
    I/O[7] I/O[8] TS[1] TS[2] TS[3] TS[4]
    - - - - - -



    5.モータ制御ボード

    5.1目的

    シリアル通信、ロータリーエンコーダ、PWM制御、実際の走行試験の動作確認

    5.2部品配置確認

    部品配置確認は、モータ制御ボード、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線を使用して目視にて基板と実装図を確認する。
    MIRSMG3D MTCB製造仕様書を参照して配置を確認する。
    間違っていた場合は、部品を規定の位置に付け直す。部品の取り外しが困難な場合は基板を作り直す。

    5.3導通試験

    導通試験は、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線、テスターを使用して回路図と見比べながら各部品が繋がっているかどうか、VccとGNDがショートしていないかをテスターで調べる。導通試験は担当2人で1人1回、計2回の試験を行う。
    導通試験の内容は目視とテスタ2回の計3回のチェックで行う。回路が複雑なので、基板上の隣り合った部分などで行う。回路図は図5に示す。このとき、ICはまだ実装しない。導通試験がすべて終わった後に、ICを実装する。
    結果を表6に記入する。

    図5:モータ制御ボードの回路図

    表6:モータ制御ボード導通確認結果
    目視 テスター
    一回目 二回目
    - - -


    5.4動作試験

    以下表7に示すプログラムの動作が正常であれば動作試験を合格とする。
    intergration2.hex の試験によって、シリアル通信のテストも可能なため、UART.hexを使ったテストは行わない。
    詳しくは、MIRSMG3D MTCB試験仕様書を参照。
    電源を入れる際は、制御系電源、駆動系電源の順にONにする。また、電源を落とす際は駆動系電源、制御系電源の順にOFFにする。
    また、モータドライバが発熱していた場合、直ちに駆動系の電源を切る。
    これらが守られない場合、発火の危険がある。
    表7:MTCBで実行するプログラム内容
    プログラム名 動作
    RE.c ロータリエンコーダの動きを読み取る。制御電源を供給することにより動作する。
    エンコーダの回転方向により、ボード上のLEDが点灯、消灯する。
    PWM2.c 制御電源を供給することにより、CPUボード側から指令がなくても動作する。
    速度を変えて、前転・後転を周期的に繰り返す。
    PWM.cよりも、変化がゆっくりになっており、動作を確認しやすくなっている。
    intergration2.c PI制御による速度制御を行い、エンコーダ値をPC側に返すプログラムで、実際の走行制御に使用するプログラム。
    CPU側でtest_motorを実行する。モータは5回づつ、前転、後転を繰り返す。

    ・ロータリエンコーダ読み取り試験

    PIC16F88にRE.hexを書き込む
    モータ制御ボード、電源ボード、ドータボード、ロータリエンコーダ、安定化電源を接続する。
    ロータリエンコーダを指で直接回し、回転方向によりLEDが点灯、消灯することが確認できたら合格とする。


    ・PWM出力試験

    PIC16F88にPWM2.hexを書き込む
    モータ制御ボード、電源ボード、安定化電源2つ、適当な大きさの抵抗2つ(数kΩ、数十Ω)、オシロスコープを使用する。
    モータ制御ボードのCH2に数kΩの抵抗を接続し、オシロスコープで抵抗の両端の電圧を測るようにプローブを繋ぐ。
    電源を入れるとオシロスコープに波形が現れるので、それを撮影し画像データとして保存する。
    正転、逆転、正転、逆転、正転、逆転、ブレーキと変化し、duty50%,75%の順に繰り返されることを確認する。
    数十Ωの抵抗に付け替え同様の試験を行う。
    出力波形のduty比が正しく、問題ないようなら、実際にモーターを取り付け、同様の試験を行う。
    モーターに負荷はかけず、空回しで行う。
    モーターの回転速度がduty比が大きいほど速いことを確認する。モーターが10周するのにかかる時間を記録する。
    出力波形のduty比、正転逆転のパターンが正しく、モーターの回転速度の変化が確認できたら合格とする。
    合否の判定に使用した画像を報告書に載せる。


    ・実際の走行制御による試験

    PIC16F88にintegration2.hexを書き込む。
    モーター制御ボード2枚、モーター、CPUボード、FPGAボード、ドータボード上下、電源ボード、安定化電源2つを使用する。
    このプログラムの試験は、MIRSMG3D試験プログラム一覧の「4.モータ制御ボード試験」に従って行う。
    モーターに負荷はかけず、空回しで行う。
    モータが5回づつ、正転、逆転を繰り返せば合格とする。



    6.超音波センサボード

    6.1目的

    正常な測定ができることを確認する

    6.2部品配置確認

    部品配置確認は、超音波センサボード、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線を使用して目視にて基板と実装図を確認する。
    MIRSMG3D 超音波センサボード製造仕様書を参照して配置を確認する。
    間違っていた場合は、部品を規定の位置に付け直す。部品の取り外しが困難な場合は基板を作り直す。

    6.3導通試験

    導通試験は、はんだごて、はんだ、はんだ吸い取り線、テスターを使用して回路図と見比べながら各部品が繋がっているかどうか、VccとGNDがショートしていないかをテスターで調べる。導通試験は担当2人で1人1回、計2回の試験を行う。
    製作した超音波センサボードと回路図を照らし合わせ、つながってはいけない所を調べる。回路図は図6,7に示す。つながっていればはんだを付け直すか、接触部分をカッターで削る。あまりにひどい場合は、もう一度基板の削りだしを行う。導通チェックの結果を表8に○×で記入する。
    図6:超音波センサボード(親機)の回路図

    図7:超音波センサボード(子機)の回路図

    表8:超音波センサボード導通確認結果
    目視 テスター
    一回目 二回目
    親機 - - -
    子機 - - -

    6.4動作試験

    超音波センサボード親機子機、CPUボード、FPGAボード、電源ボード、安定化電源、ディスプレイ、キーボード、平らな板、メジャー、分度器を使用する。
    /home/mirs/src/mg3_std_program/testにあるuss_testを実行する。
    各超音波センサ親機・子機からの値を0.5秒ごと取得し、その値がディスプレイに表示される。
    未接続や距離が遠すぎる場合は9999が出力される。

    メジャーを使って超音波センサから反射板までの距離を20cm〜200cmまで表9,10のように変え、その度に超音波距離計測を行う。そのときディスプレイに表示される値とメジャーで測った値を比較する。20cm〜80cmまでは誤差5%以内、100cm〜200cmまでは誤差10%以内で動作試験合格とする。
    また、超音波センサ測定可能範囲を調べる。具体的には、ディスプレイに表示される値が9999になるまで、超音波センサから反射板までの距離を20cmから1cmずつ近づけ、最短何pまで測定可能か調べる。同じように、反射板を超音波センサから距離200cmから10pずつ離していくとき最長何pまで測定可能か調べる。
    また、それぞれの距離において、板の角度を変えて測定する。図8に示すように角度を取り、-60°、-30°、0°、30°、60°のときに測定する。
    親機、子機でこれを行う。超音波同士の干渉を防ぐために、親機の試験は親機のみ接続して行う。
    詳しくは MIRSMG3D 超音波センサボード試験仕様書及びMIRSMG3D 超音波距離計測試験プログラムを参照する。

    0゜の時の誤差が規定内で、200cmまで測定できたら動作試験を合格とする。
    それ以外の角度、最短距離、最長距離は合否の判定には使用しない。
    測定結果を表9,10,11に記入する。
    図8:超音波センサ試験の角度

    表9:超音波センサボードの試験結果(親機)
    20cm 30cm 40cm 50cm 60cm 80cm 100cm 150cm 200cm
    -60° - - - - - - - - -
    -30° - - - - - - - - -
    - - - - - - - - -
    30° - - - - - - - - -
    60° - - - - - - - - -


    表10:超音波センサボードの試験結果(子機)
    20cm 30cm 40cm 50cm 60cm 80cm 100cm 150cm 200cm
    -60° - - - - - - - - -
    -30° - - - - - - - - -
    - - - - - - - - -
    30° - - - - - - - - -
    60° - - - - - - - - -


    表12:超音波センサボードの試験結果(距離)
    最短距離(cm) 最長距離(cm)
    親機 - -
    子機 - -



    7. 関連文書