名称 MIRS1203 標準ボード試験計画書
番号 MIRS1203-PLAN-0003

最終更新・2012.6.8

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2012.6.8 遠藤祐太朗 初版

目次




1.はじめに


本ドキュメントは、MIRS1203の標準ボードの動作試験の方法について記したドキュメントである。


2.試験内容


試験を行う対象のボードと、試験を行う予定日を示す。


部品名 目的 備考
電源ボード ・出力電圧が安定することを確認 なし
ドータボード ・白線センサ、タッチセンサの動作確認 2つのボードが、1つにまとめられているが動作そのものに影響はない。
モータ制御ボード ・シリアル通信、ロータリーエンコーダの動作確認 なし
超音波センサボード ・正常な測定ができることの確認 なし


試験実施日程はいずれも6月24日までに行うものとする。



試験対象の各々に対し、試験項目、試験内容、担当者名、今後の予定を示す。


試験対象 試験項目 試験内容 担当者 備考
電源ボード
  • 部品配置チェック
  • 導通チェック
  • 動作試験
MIRSSTND デュアルレギュレータ電源ボード製造仕様書 を参照 室伏一輝・室伏恵実 なし
ドータボード
  • 部品配置チェック
  • 導通チェック
  • 動作試験
MIRSMG3D ドータボード基壁試験仕様書 を参照
その際 MIRSMG3D On/Off I/Oデータ取得試験プログラム を使用する
遠藤祐太朗・荻原淑樹 なし
モータ制御ボード
  • 基盤の確認
  • 試験プログラムの実行
MIRSMG3D MTCB試験仕様書 を参照 稲鶴和也・村串憲一郎 なし
超音波センサボード
  • 部品配置チェック
  • 導通チェック
  • 試験プログラムの実行
MIRSMG3D 超音波センサボード試験仕様書 を参照 廣野湧也・清拓磨 なし





3. 試験内容詳細


試験方法の詳細内容について示す。

3.1 電源ボード

3.1.1 導通試験

導通試験における必要器具を次に示す。

  • MIRSMG3D電源ボード
  • はんだごて
  • はんだ
  • はんだ吸い取り線
  • テスタ

  • パターン図(回路図) に次のように番号を振る。



    図に青色で示した@はGND、黄色で示したA,C,D,F,IはVccである。VccとGNDが短絡していると、そこに大電流が流れてしまいとても危険なので、特に注意してチェックする。
    もし断線が確認できたら、はんだで修復可能な場合は修復、修復不可能な場合は基板を作り直す。
    この番号に従って表を作成する。

    A B C D E F G H I J
    @









    A








    B







    C






    D





    E




    F



    G


    H

    I

    この表を元に、配線@〜Jのそれぞれについて、断線していないかどうかチェックする。この時のチェック方法として、目視によるチェック、テスタを用いた導通チェックの2種類を行い、1回目と2回目でチェックの色を変えるなど、見落としの無いような工夫をする。



    3.1.2 動作試験

    動作試験における必要器具を以下に示す。
  • MIRSMG3D電源ボード
  • テスタ
  • バッテリー

  • 制御系電源の試験

    1. CPUスイッチ(赤のトグルスイッチ)がOFFになっていることを確かめる。
    2. 実装図のCH1に定格7.8Vバッテリーを接続する。
    3. CPUスイッチをONにし、モーターを動かした状態で、実装図のCH2に出力される電圧をテスタで計測し、端子間電圧が5Vから7.5Vの間であることを確かめる(MTCB取扱説明書参照)。
      なお、理論値では出力は5.03Vとなっている。計算式はMIRS技術調査報告書を参照。
      このとき、テストリードの先端部で、CH2をショートしてしまわないように気を付ける。



  • 駆動系電源の試験

    1. MPCスイッチ(緑のトグルスイッチ)がOFFになっていることを確かめる。
    2. 実装図のCH3に定格7.8Vバッテリーを接続する。
    3. MPCスイッチをONにし、モーターを動かしている状態で、実装図のCH4に出力される電圧をテスタで計測し、端子間電圧が5Vから7Vの間であることを確かめる(MTCB取扱説明書参照)。
      なお、理論値では出力は6.25Vとなっている。計算式はMIRS技術調査報告書を参照。
      このとき、テストリードの先端部で、CH4をショートしてしまわないように気を付ける。




    制御系動作試験
    制御系電源
    入力電圧

    出力電圧

    CPUボード接続後の出力電圧


    駆動系動作試験
    駆動系電源
    入力電圧

    出力電圧

    モータボード接続後の出力電圧


  • 3.2 ドータボード

    3.2.1 導通試験

    導通試験における必要器具を以下に示す。

  • MIRSMG3Dドータボード
  • はんだごて
  • はんだ
  • はんだ吸い取り線
  • テスタ

  • 導通試験の内容は、回路図を参考に目視とテスタの2回のチェックを行う。このときに重要なのは、電源ボードと同様VccとGNDを把握し、特に注意して導通試験を行うことである。なお回路図を参考に導通チェックを行い、チェックしたものを試験報告書に添付する。


    回路図

    3.2.2 動作試験

    動作試験における必要器具を以下に示す。

  • MIRSMG3Dドータボード1枚
  • CPUボード
  • FPGAボード
  • 白線センサ
  • タッチセンサ、ディスプレイ
  • ケーブル
  • キーボード
  • バッテリー2個
  • 電源ケーブル

  • ドータボードの動作試験には、 On/Off I/Oデータ取得試験プログラム を使用する。具体的には、タッチセンサ・白線センサの値を読み取り、CPUに伝えることが可能か試験することで、ドータボードの動作を確認する。また、これは白線センサ、タッチセンサの試験も兼ねる。白線センサ、タッチセンサの試験合格はドータボードの試験が通ることと同義である。

    以下に、I/Oデータ取得試験プログラムを用いたドータボードの試験手順について示す。

    1. 最初に、ドータボードに何のセンサーも接続せずに、実行ファイルirs_ts_ws_testを実行し、I/O[1~8]、TS[1~4]のすべてが1であることを確かめる。
    2. ドータボード回路図 でいう下段のDB_IO1に白線センサ、上段のDB_TS1にタッチセンサを接続する。
    3. 白い紙などを白線センサに近づけたり遠ざけたりして、I/O[1]が1と0を繰り返すことを確認する。また、タッチセンサを押したり離したりして、TS[1]が1と0を繰り返すことを確認する。
    4. 白線センサはDB_IO1~8、タッチセンサはDB_TS1~4のすべてについて、3.と同様の操作をし、その動作を確認する。

    3.2.3 チェック項目

    1. □ 配線の導通チェックがok
    2. □ 白線センサによってI/O[1]が1と0を繰り返したか
    3. □ タッチセンサを押したり離したりして、TS[1]が1と0を繰り返したか
    4. □ 白線センサはDB_IO1~8、タッチセンサはDB_TS1~4のすべてについてok

      2〜4は30回連続成功で合格とする



    3.3 モータ制御ボード

    3.3.1 導通試験

    導通試験における必要器具を以下に示す。
  • MIRSMG3Dモータ制御ボード
  • はんだごて
  • はんだ
  • はんだ吸い取り線
  • テスタ

  • 導通試験の内容は目視とテスタの2回のチェックで行う。回路が複雑なので、基板上の隣り合った部分などで行う。このとき、ICはまだ実装しない。なお回路図を参考に導通チェックを行い、チェックしたものを試験報告書に添付する。
    導通試験がすべて終わった後に、ICを実装する。
    その後、モータ制御ボードの電源を入れるが、このとき制御系電源、駆動系電源の順にONにする。また、電源を落とす際は駆動系電源、制御系電源の順にOFFにする。 (詳細は
    MTCB取扱説明書参照)

    3.3.2 動作試験1

    USART.hexをPICに書き込みシリアル通信のテストを行う。
    使用機器を以下に示す。
  • CPUボード
  • FPGAボード
  • ドーターボード
  • モータ制御ボード(※)
    (※電圧レベルをRS232C規格に変換するMAX232CなどのICを用いればパソコンのシリアルポートを用いてもテストを行うことができる。)
  • 動作試験1の内容は次の通りとする。
    USART.hexをPICに書き込み任意の値を送信すると同じ値が返信させることを確認し、モータ制御ボードのシリアル通信ができているかをテストする。この確認作業を10回行い、すべて成功したら、動作試験を合格とする。また、この単純なループバック動作により送信線、受信線が問題無いかがわかるため、ケーブルのテストにもなりPICの設定及び配線のテストにもなることも報告する。
     

    3.3.3 動作試験2

    RE.hexをPICに書き込み、ロータリエンコーダ読み取り部のテストを行う。この試験はロータリーエンコーダを読み取る回路が正常に動作しているかを確認する試験であって、ロータリーエンコーダ本体が正常に動作しているかどうかを確かめるものではない。 ロータリーエンコーダ本体の動作確認は基本動作試験報告書に含める。
    使用機器を以下に示す。
  • モータ制御ボード
  • ロータリエンコーダ
  • パソコンなどの通信環境
  • 動作試験2の内容は次の通りとする。
    ロータリエンコーダを制御ボードに接続し、電源を入れる(電源の入れ方に注意すること)。このPICプログラムには走行制御プログラムは組み込まれていないので、直接指を使ってロータリエンコーダを正転・反転方向に回す。このとき回転方向によってLED1が点滅し、正転なら点灯、逆転なら消灯することを確認することによりロータリエンコーダ読み取り部のテストを行う。もし点滅しなかった場合、モータ制御ボードが間違っているか、接続の仕方が間違っているか、ロータリーエンコーダ本体の故障が考えられる。モータ制御ボードにはLEDがデバックオプションとして2個ついており、LED2はモータを走行制御する際の回転方向のデバック用とする。このため、この動作試験ではLED2は消灯したままでLED1だけが点滅する。

    3.3.4 動作試験3

    PWM.hexをPICに書き込み、モータ制御部のテストをする。
    使用機器を以下に示す。
  • 直流電源装置
  • MG3本体の電源
  • オシロスコープ
  • 適当な大きさの抵抗(目安として数KΩと50Ωの大きさの抵抗)
  • 動作試験3の内容は次の通りとする。
    モータ制御ボードのCN2(モータ出力用電源ケーブルの接続部)に適当な抵抗を繋ぎ、オシロスコープで抵抗の両端の電圧を測るようにプローブを繋ぐ。また、CN1(電源ボード用電源ケーブルの接続部)にMG3本体の電源ボードの制御部直流電源を電源ケーブルを介して接続する。電源を入れるとオシロスコープに波形が顕れる。正転、逆転、正転、ブレーキ、逆転、正転、逆転をduty50%,100%,0%の順に繰り返したときの出力波形を確認する。確認方法は、オシロスコープに表示された波形を写真に撮り記録し、試験報告を行う。

    [モータをモータ出力用電源ケーブルを介してCN2に接続して試験する場合]
    モータへの過電圧の保護のために直流電源装置をCN2接続する。また、CN1に接続してある直流電源装置と、CN2に接続してある直流電源装置の電源を入れた際に、直流電源装置(CN2側)の電流計が1A以上を示した場合は即座に電源を切る。また、直流電源装置(CN2側)の電源は7V以上にしない(フォトカプラが壊れてしまう恐れがあるため)。CN1側とCN2側の直流電源装置の電源を入れ正転、逆転、正転、ブレーキ、逆転、正転、逆転をduty50%,100%,0%の順に繰り返したときそれに対応した動作になっているかを確認する。正しく動作すればduty100%の時はduty50%の時の倍の速度で回転する。duty0%の時は回転しない。

    3.3.5 チェック項目

    1. □ 配線の導通チェックがok
    2. □ 導通チェックが終わった後にICを実装したか
    3. □ USART.hexをPICに書き込み、任意の値を送信すると同じ値が返信されたか
    4. □ RE.hexをPICに書き込み、回転方向によってLED1が点滅したか
    5. □ PWM.hexをPICに書き込み、オシロスコープに目的の波形が出力されたか


    3.4 超音波センサボード

    以下の導通チェック、プログラムによる動作確認を超音波センサボード(親機)と、超音波センサボード(子機)全てで行う。

    3.4.1 部品のチェック

  • 必要な部品と工具
      
  • 超音波センサボード
  • はんだごて
  • はんだ
  • はんだ吸い取り線

  • チェック手順
    1.   作成した超音波センサボードと実装図を照らし合わせ、部品の位置をチェックする。もし、間違っていたら、はんだ吸い取り器などで部品を外し修正を行う。
    2.   製作した超音波センサボードと実装図を照らし合わせて、部品の向きをチェックする。向きがある部品はIC・電解コンデンサ・ダイオード・コネクタの4種類である。もし、間違っていたら、はんだ吸い取り器などで部品を外し修正を行う。


  • 3.4.2 導通チェック

  • 必要な部品と工具
      
  • 超音波センサボード
  • テスター
  • はんだごて
  • はんだ
  • はんだ吸い取り線
  • カッター

  • チェック手順
    1.   作成した超音波センサボードと回路図を照らし合わせ、各部品が正しくつながっているか調べる。つながっていなければ、ビニール線などで直接つなぐ。あまりにひどい場合は、もう一度基板の削りだしを行う。
    2.   製作した超音波センサボードと回路図を照らし合わせ、つながってはいけない所を調べる。つながっていればはんだを付け直すか、接触部分をカッターで削る。あまりにひどい場合は、もう一度基板の削りだしを行う。

  • 3.4.3 動作試験

    動作試験における必要器具を以下に示す。

  • 超音波センサボード
  • CPUボード
  • 標準機上段シャーシ
  • ディスプレイ
  • VGAケーブル
  • キーボード
  • 安定化電源×2
  • 電源ケーブル
  • メジャー
  • 平らな壁
  • 円柱(ロータリー中心部)
  • 分度器

  • また、動作試験には
    超音波距離計測試験プログラム を使用する。動作試験の内容を以下に示す。

    1. 超音波センサの規格では20cm〜200cmの範囲外の距離を計測することが出来ないので、その範囲外で測定したらどうなるかを調べる。上段シャーシに固定した超音波センサと平行な位置に平らな壁を置き、メジャーで超音波センサと平らな壁との距離を測った後実行ファイルuss_testを実行する。測定距離は5cm、10cm、15cm、250cmとする。複数回(5回程度)測定し、結果を下の表にまとめる。

      5cm ここに結果を記述
      10cm ここに結果を記述
      15cm ここに結果を記述
      250cm ここに結果を記述

    2. 上段シャーシの固定した超音波センサの正面に平らな壁を置き、メジャーで超音波センサと平らな壁との距離を測った後実行ファイルuss_testを実行し、表示される値とメジャーで測った値とが一致するかどうかを調べる。この際、具体的に計測する距離は、20cmから10cm刻みで100cmまでと、150cm、200cmとする。 また、エラー表示が無く正確に測定できることを確認したら、壁を傾けて、超音波センサや壁が傾いていても正常に測れるか確かめる。具体的に傾ける角度は-60°、-30°、0°、30°、60°とする。この状態で、ある程度実測値に近い値がとれたら、幅広い範囲で測定してみる。 また、実際の距離、角度、実測値の関係を下の表にまとめる。実測値は5回ずつ測ったものの平均値とする。

      20cm 30cm 40cm 50cm 60cm 70cm 80cm 90cm 100cm 150cm 200cm
      -60°
      -30°
      30°
      60°

    3. 円柱(MIRS競技場のロータリー中心部)を用意する。これと上段シャーシに固定した超音波センサとを対面に置き、どのような測定結果が出るかを調べる。測定距離は20cm、40cm、60cm、80cm、100cmとする。なお、各5回測ったものの平均値を下の表にまとめる。

      20cm 40cm 60cm 80cm 100cm


    4. 関連文書