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名称 MIRS1302 標準ボード試験計画書
番号 MIRS1302-PLAN-0002

最終更新日:2013.5.31

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2013.5.31 山田 大沼 初版
A02 2013.7.19 山田 モータ制御ボードの試験内容の変更

目次

1.本ドキュメントについて

本ドキュメントは、MIRS1302の標準ボードの動作試験の方法について記したドキュメントである。

2.試験概要

試験対象の各々に対し、試験項目、担当者名、予定日を示す。

試験対象 試験項目 担当者 試験予定日 備考
電源ボード
  • 部品配置チェック
  • 導通チェック
  • 動作試験(無負荷試験,出力電圧の確認)
木口、山田 14~21日 前年度のボードを利用
ドータボード(上下)
  • 部品配置チェック
  • 導通チェック
  • 動作試験(センサの値を取得)
木口、瀬戸 21~28日 今年度新規に作成
モータ制御ボード(2枚)
  • 部品配置チェック
  • 導通チェック
  • 動作試験1(モータ制御)
  • 動作試験2(ロータリーエンコーダの出力)
  • 動作試験3(シリアル通信)
川上、立川 21~28日 今年度新規に作成
超音波センサボード(親子)
  • 部品配置チェック
  • 導通チェック
  • 動作試験1(距離)
  • 動作試験2(角度)
泉谷、勝又 14~21日 今年度新規に作成


3.試験内容詳細

まず、試験の結果を記録するための表を示す。
MIRS1302 標準ボード試験用チェックシート.pdf

MIRS1302 標準ボード試験用チェックシート.ods

以下に試験方法の内容詳細について示す。
(注意事項:
 導通・絶縁試験は必ず人を変えて二回行う。
 異常が発見された場合は、修正を行い、データが変わる可能性があれば、最初から試験を行うこと。
 部品のチェック時には、素子の向きに気をつける。)

3.1 電源ボード

参考ドキュメント: MIRSSTND デュアルレギュレータ電源ボード製造仕様書 MIRSSTND デュアルレギュレータ電源ボード取扱説明書

3.1.1 部品配置チェック

試験方法
仕様書と基板を比較する。
結果は、仕様書を印刷してチェックを入れる。
判定基準
部品がすべて正しく実装されていること。(目視で確認)
ただし、2pinコネクタに関しては標準部品と変更されていることを確認している。

3.1.2 導通・絶縁試験

試験方法
テスタを用いて導通・絶縁試験を行う。
結果は、仕様書にチェックを入れる。
判定基準
導通すべき点が導通していて、絶縁すべき点が絶縁していること。(回路図で確認)

3.1.3 制御系電源の動作試験

使用機器
 MIRSMG3D電源ボード、安定化電源、テスタ
試験方法
  1. スイッチがOFFになっていることを確かめたあと、CN1に安定化電源を接続し6.0~8.5Vで出力する。
  2. 制御系電源のスイッチを入れて、CN2に出力される電圧をテスタで計測する。
    (このとき、テストリードの先端部で、CN2をショートしてしまわないように気を付ける。)
電源低下時の出力等を確かめるため、電源電圧に幅(6.0V~8.5V)をもたせている。
電源電圧は0.1刻みで設定する。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
電源電圧7.4~8.5Vで、出力が5.1V以上であること。
(5.1Vを安定して出力できる電源電圧が、7.4~8.5Vであり、CPUボードの定格電圧は5V (PFM-540I データシート) である。)

3.1.4 駆動系電源の動作試験

使用機器
 MIRSMG3D電源ボード、安定化電源、テスタ
試験方法
  1. スイッチがOFFになっていることを確かめたあと、CN3に安定化電源を接続し6.0~8.5Vで出力する。
  2. 駆動系電源のスイッチを入れて、CN4に出力される電圧をテスタで計測する。
    (このとき、テストリードの先端部で、CN4をショートしてしまわないように気を付ける。)
電源低下時の出力等を確かめるため、電源電圧に幅(6.0V~8.5V)をもたせている。
電源電圧は0.1刻みで設定する。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
電源電圧7.4~8.5Vで、出力が6.1V以上であること。
(6.1Vを安定して出力できる電源電圧が、7.4~8.5Vであるとされている)

3.2 ドータボード

参考ドキュメント:MIRSMG3D ドータボード製造仕様書 MIRSMG3D ドータボード基板試験仕様書 On/Off I/Oデータ取得試験プログラム

3.2.1 部品配置チェック

試験方法
仕様書と基板を比較する。
(※ラダー抵抗、ソケットの向きと位置に注意する)
結果は、仕様書を印刷してチェックを入れる。
判定基準
部品がすべて正しく実装されていること。(目視で確認)

3.2.2 導通・絶縁試験

試験方法
テスタを用いて導通・絶縁試験を行う。
結果は、仕様書にチェックを入れる。
判定基準
導通すべき点が導通していて、絶縁すべき点が絶縁していること。(回路図で確認)

3.2.3 動作試験

使用機器
 MIRSMG3Dドータボード2枚、CPUボード、FPGAボード、白線センサ、タッチセンサ、ディスプレイ及びケーブル、キーボード、安定化電源またはバッテリー2個、電源ケーブル

試験方法
ドータボードは、FPGAボードの拡張ボードという性質上、単体での動作試験は行うことができない。
よって、このボードの動作は、他の基板、FPGA内モジュールの動作試験を行うことで試験される。
ドータボードの動作試験には、 On/Off I/Oデータ取得試験プログラム を使用する。
また、現在のTTFファイルでは、タッチセンサーの2番ポートの値が取得できないため、
MIRSMG3D FPGA Quatus設計データおよびTTFファイルを参考にして回路を更新する。
  1. ドータボードに何のセンサーも接続せずに、実行ファイルirs_ts_ws_testを実行して、結果を記録する。
  2. ドータボード回路図のDB_IO1~8のそれぞれについて、白線センサを接続して、動作を確認する。
    具体的には、白い紙を白線センサに近づけたり遠ざけたりして、結果を記録する。
  3. ドータボード回路図のDB_TS1~4のすべてについて、タッチセンサを接続して、動作を確認する。
    具体的には、タッチセンサをつけたり離したりして、結果を記録する。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
  1. 手順1で、I/O[1~8]、TS[1~4]のすべてが1であること。
  2. 手順2で、白線センサが反応して、値が変わること。
  3. 手順3で、タッチセンサが反応して、値が変わること。

3.3 モータ制御ボード

参考ドキュメント:MIRSMG3D MTCB製造仕様書 MIRSMG3D MTCB試験仕様書

3.3.1 部品配置チェック

試験方法
仕様書と基板を比較する。
結果は、仕様書を印刷してチェックを入れる。
判定基準
部品がすべて正しく実装されていること。(目視で確認)

3.3.2 導通・絶縁試験

試験方法
まず、ICをはずしておく。
基板上に不正な短絡、断線が無いかテスタを用いてチェックする。
結果は、仕様書を印刷してチェックを入れる。
判定基準
導通すべき点が導通していて、絶縁すべき点が絶縁していること。(回路図で確認)

3.3.3 動作試験1(モータ制御)

使用機器
 MG3本体の電源又は、5Vの直流電源、オシロスコープ、ストップウォッチ、適当な大きさの抵抗(5KΩと50Ωの大きさの抵抗)

試験方法[モータを使用しない]
  1. PWM2.hexをPICに書き込む。
  2. モータ制御ボードのCN2(モータ出力用電源ケーブルの接続部)に適当な抵抗を繋ぐ(裏面に一時的にはんだ付けする)。
    この抵抗の両端の電圧を測るように、オシロスコープのプローブを繋ぐ。
    また、CN1(電源ボード用電源ケーブルの接続部)に、MG3本体の電源ボードの制御部直流電源を電源ケーブルを介して接続する.
  3. 電源を入れるとオシロスコープに波形が現れるので、それを撮影し画像データとして保存する。
  4. 正転、逆転、正転、ブレーキ、逆転、正転、逆転をduty50%,100%,0%の順に繰り返す。
    詳細な評価はモータに繋いだ際に行うこととする。

試験方法[モータを使用]
  1. モータ制御ボードのCN2にモータを繋ぐ。
    モータの両端の電圧を測るように、オシロスコープのプローブを繋ぐ。
  2. MIRSの電源ボードより、CN1側とCN2側の電源を入れ正転、逆転、正転、ブレーキ、逆転、正転、逆転をduty50%,100%,0%の順に繰り返す。
  3. オシロスコープの出力波形を撮影し、画像データとして保存する。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
モータを使用しないとき・・・手順3,4で、出力のduty比が正しいこと。
モータを使用するとき ・・・モータが正しく正転、逆転、ブレーキを行うこと。素子に発熱が生じないこと。

3.3.4 動作試験2(ロータリーエンコーダ)

使用機器
 モータ制御ボード、ロータリエンコーダ、パソコンなどの通信環境

試験方法
  1. RE.hexをPICに書き込む。
  2. ロータリエンコーダを制御ボードに接続し、電源を入れる(電源の入れ方に注意する)。
  3. 直接指を使ってロータリエンコーダを回す。
    回転方向が正転のときと、逆転の時のLEDの点灯状態を記録する。
モータ制御ボードにはLEDがデバッグオプションとして2個ついており、LED2はモータを走行制御する際の回転方向のデバッグ用とする。
このため、この動作試験ではLED2は消灯したままでLED1だけが明滅する。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
手順3で、正転なら点灯、逆転なら消灯すること。

3.3.5 動作試験3(シリアル通信)

使用機器
 CPUボード、FPGAボード、ドータボード、モータ制御ボード(※)

(※電圧レベルをRS232C規格に変換するMAX232CなどのICを用いればパソコンのシリアルポートを用いてもテストを行うことができる。)

試験方法
  1. まず、モータ制御ボードの電源を入れる。
    このとき制御系電源、駆動系電源の順にONにする。
    (電源を落とす際は駆動系電源、制御系電源の順にOFFにする。 (詳細はMIRSMG3D試験プログラム一覧参照))
  2. intergration2.hexをPICに書き込む。
    test_motorを実行する。モータが5回づつ、前転、後転を繰り返すことを確認する。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
モータが5回づつ、前転、後転を繰り返すこと
(=モータ制御ボードのシリアル通信ができていること。)

3.4 超音波センサボード

参考ドキュメント:MIRSMG3D 超音波センサボード試験仕様書 MIRSMG3D 超音波センサボード製造仕様書 MIRSMG3D 超音波センサボード回路図 超音波距離計測試験プログラム

3.4.1 部品配置チェック

試験方法
仕様書と基板を比較する。
結果は、仕様書を印刷してチェックを入れる。
判定基準
部品がすべて正しく実装されていること。(目視で確認)

3.4.2 導通・絶縁試験

試験方法
基板上に不正な短絡、断線が無いかテスタを用いて調べる。
結果は、回路図を印刷してチェックを入れる。
判定基準
導通すべき点が導通していて、絶縁すべき点が絶縁していること。(回路図で確認)

3.4.3 動作試験1 [距離についての試験]

使用機器
 ディスプレイ及びケーブル、キーボード、安定化電源またはバッテリー×2、電源ケーブル、メジャー、平らな板、分度器

試験方法
  1. 超音波センサボードと板を、机から垂直に立て、平行に設置する。
  2. 超音波センサボードと板との距離をメジャーで測る。
  3. 実行ファイルuss_testを実行し、距離計測を行い、出力と実際の距離を記録する。
  4. 計測する距離は、20cm、50cm、75cm、100cm、200cm、計測の限界より近いとき、遠いとき、とする。
    計測可能な範囲は、出力が板との距離に伴って変化する範囲と考えることにする。
    計測可能な範囲も記録する。
以上の試験をすべての超音波センサボードについて行う。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
計測可能な距離で、誤差が±20%よりも小さいことを確認する。

3.4.4 動作試験2 [角度についての試験]

使用機器
 ディスプレイ及びケーブル、キーボード、安定化電源またはバッテリー×2、電源ケーブル、メジャー、平らな板、分度器

試験方法
  1. 超音波センサボードと板を机から垂直に立て、板を水平に回転させ、角度を変えていく。
    このときの、出力と角度、および実際の距離を記録する。
    超音波センサボードと板が並行なときを0°とし、正の向きを上から見たときの右回りとして、-60°、-45°、-30°、-15°、15°、30°、45°、60°で計測する。
    また、距離も20cm、50cm、75cm、100cm、200cmと変えて行う。
  2. 出力が[距離についての試験]の結果と異なる場合は、どの範囲で異なった結果になるのかを、より細かい角度で記録する。
  3. 超音波センサボードを机から垂直に立て、板を並行に設置する。 板を仰角方向に回転させ、床との角度を変えていく。
    このときの、出力と角度、および実際の距離を記録する。
    板が机から垂直なときを0°とし、板が超音波センサボードに近づくときを正の向きとして、-45°、-30°、-15°、15°、30°、45°で計測する
    また、距離も20cm、50cm、75cm、100cm、200cmと変えて行う。
  4. 出力が[距離についての試験]の結果と異なる場合は、どの範囲で異なった結果になるのかを、より細かい角度で記録する。
以上の試験をすべての超音波センサボードについて行う。
試験結果は、チェックシートに記入する。
判定基準
調査のみとし、合否の判定は行わない。

沼津工業高等専門学校 電子制御工学科