<学生へのメッセージ>
現在は航空機やロケット等、航空宇宙分野の製造に携わっています。
昔から航空宇宙には興味があり、将来を見据え進路を考え、研究室の選択や進学等をしてきたつもりです。その結果、希望どおり航空宇宙産業のリーディングカンパニーへ就職することができました。
航空宇宙関連ということで、もちろん流体力学、流体工学、流体物理に関しての知識を学びましたし、それだけでなく機械工学、機械加工、物理学全般など幅広い分野にも挑戦してきました。
現在は設計部門ではなく製造部門ということで、これらの知識が直接結びついているわけではありませんが、何事も何かするには必ず目的・目標があり、それに向かって自分が何をしていくかを考えることが重要です。企業であれば会社存続、利益の確保という目的があり、研究で言えばこの研究が何につながるのか等、社会的背景が必ずあるはずです。何のためにやっているのかを常に意識しながら勉学に励んでほしいと思います。
又、当研究室では会社生活を送るうえで最も重要であるコスト意識を高めることができたと思っています。自分たちの使うPCから、細かな測定器、大きな風洞までを一から手づくりで
やってきました。買ってしまえばそれまでかと思うことも、あえて材料から手づくりで安くて良いものを、そしてそれを通じてモノづくりの楽しさを感じることができるのがこの研究室のよいところです。
会社においてはコストはどんなことにもついてまわります。そのコスト意識の礎をこの研究室で築いてきたつもりです。
最後に、研究室というのはただ単に勉強、研究をするところだけではないと思っています。会社も研究室も、置かれている状況は縦割り社会と同じで、会社で言えば、上司、先輩、同期、後輩がいて、研究室でも、先生、先輩、同級生、後輩がいるものです。
コミュニケーション能力はもちろんですが、会社生活の基礎となる「報連相(ホウレンソウ)」は、(報告・連絡・相談)研究でも同じことで、もちろん先輩との接し方、同期との協力、後輩の教育等研究室での生活には至るところに会社と似た環境が作られているのです。
そんな経験を高専では若いうちに体験・習得できるからこそ、社会での即戦力として、重宝される人材として社会に送り出されているんだと感じています。
だからこそ、こんなもったいない好機を逃さず、なぁなぁな高専生活を過ごすのではなく、大学にも劣らない、社会に胸を張った研究をして、将来社会貢献できるEngineer
になるんだと高い意識を持ちつつ勉学に励んでほしいと思います。
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