MIRS1603 管理台帳へ戻る
名称 MIRS1501 MIRS解体報告書
番号 MIRS1603-REPT-0002
版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2016.5.16 秋山健太郎、内山恭輔、片山碧、野本大喜(石田智士、遠藤大河、大濱住美、田中哲太、永田健太、橋本宗太郎) 初版
A02 2016.5.18 秋山健太郎、内山恭輔、片山碧、野本大喜(石田智士、遠藤大河、大濱住美、田中哲太、永田健太、橋本宗太郎) レビュー前チェックで指摘された点を修正
A03 2016.5.18 秋山健太郎、内山恭輔、片山碧、野本大喜(石田智士、遠藤大河、大濱住美、田中哲太、永田健太、橋本宗太郎) 小谷先生 レビューで指摘された点を修正

目次

  1. はじめに
  2. 目的
  3. 参加メンバー
  4. 解体機全体図
  5. 解体手順
  6. 部品
  7. 関連文書
  8. MIRS1501について
  9. 所感
  1. はじめに

    本ドキュメントは、MIRS1501の解体報告書である。
  2. 目的

    昨年度から引き継いだMIRS1501機に搭載されていた部品と、MIRS MG3G標準機に必要な部品を比較し、過不足の確認をする。
    また標準機と解体したMIRS1501機との違いを確認し、改変の意図を考察する。
  3. 参加メンバー

    参加者 解体作業時の役割 解体報告書作成での主な役割
    秋山健太郎 写真撮影 部品表, MIRS1501について
    内山恭輔 解体補助 文章下書き作成
    片山碧 部品確認 部品表, 解体手順
    野本大喜 解体 HTML作成, 全体調整, その他
    石田智士 作業ブース整備 ドキュメント確認
    永田健太
    遠藤大河
    田中哲太 ブース整備報告書作成
    橋本宗汰郎
    大濱佳美 作業ブース整備,ドキュメント整備
  4. 解体機全体図

    解体前のMIRS1501機を図1,2に示す。

    解体前正面

    図1 解体前の機体(正面)

    解体前左面

    図2 解体前の機体(左側面)

  5. 解体手順

    1. 装飾

      装飾を撤去した。
      王冠を模した紙製の装飾(図3)が、両面テープを用いて接着されていたので、きれいに剥がすため苦労した。

      図3 装飾撤去後

    2. WEBカメラ

      WEBカメラは上段シャーシの右側に台座を用いて固定されていた(図4)。
      WEBカメラはMIRS MG3標準機の部品(logicool ACAM-E3500)[7]ではなく、MIRS1302でオプションカメラとして使用されたもの(logicool C-270)[8]をそのまま流用したと思われる。
      変更理由については特に記述がないが、有効画素数を比較するとlogicool C-270のほうが優れていた。

      図4 WEBカメラ撤去中

    3. 電源ボードおよび電源ケーブル

      電源ボードはL字型の金具(図6)を利用し、上段シャーシに対して垂直に固定されていた(図5丸印)。

      図5 電源ボード取り付け位置

      図6 電源ボード

    4. 分岐用基板

      この基板(図7)はMIRS1501で新規に作製された基板である。
      電源ケーブルからの出力を基板を介して2ヵ所に出力していた。
      これにより接触不良の可能性を抑えていたと考えられる。
      また、ケーブルの着脱が可能なのでメンテナンス性も確保されているように感じた。

      図7 分岐用基板

    5. バンパ

      バンパは上段シャーシ前方に3枚取り付けられていた。
      蝶番付き金具を用いて本体から垂れ下がるように固定されていた(図8)。

      図8 バンパ取り外し中

    6. 上段シャーシ

      上段シャーシ上には主にセンサ類が取り付けられていた(図9)。
      赤外線センサを取り付けるための穴が追加で21個開けられていた。
      また、穴は合計で65個開けられていた。

      図9 上段シャーシ分離後

      1. 超音波センサ

        超音波センサは上段シャーシの前方に親機・子機ともに正面を向いて固定されていた。
        固定にはL字型の金具が用いられていた(図10)。

        図10 超音波センサ子機

      2. 赤外線センサー・支柱(小)

        上段シャーシに7個の赤外線センサ(図11)が、外側へ向けて固定されていた(図9)。

        図11 赤外線センサ・支柱(小)取り外し

    7. モータ制御ボード

      下段シャーシの左右モータ前にモータ制御ボードが固定されていた。
      またこのボードの設置方向が標準機の方向[4]から変更されていた(図12)。これは配線を短くするための工夫だと思われる。

      図12 モーター制御ボード取り付け位置

    8. タッチセンサ

      タッチセンサは下段シャーシの前方にバンパと対応する形で3つ固定されていた(図13丸印)。

      図13 タッチセンサ取り付け位置

    9. タイヤ

      標準部品であるゴム製のタイヤが、モーターの回転軸に取り付けられていた(図12)。
      オフロード向けラジコンのパーツのようで、タイヤ幅が広く弾力があるものが用いられていた(図14)。

      図14 タイヤ

    10. ロータリーエンコーダー・ボールキャスター

      ロータリーエンコーダーは下段シャーシのモータ横に左右1つずつ、計2個モータ・エンコーダマウントを用いて固定されていた。
      ボールキャスターは下段シャーシの前方に固定されていた(図14)。後方にも固定されており計2個のボールキャスターが使われていた(位置は図15の大きい穴が開いている所)。

      図15 ロータリーエンコーダー・ボールキャスター(片方)取り外し後

    11. モータ

      下段シャーシの左右にそれぞれ固定されていた(図15,16,17)。

      図16 モータ取り外し後

      図17 モータ

    12. USBを用いて接続する機器

      CPUボードから引き出されたUSBケーブルが、USB取り付けパネルを用いて下段シャーシ後部に固定されていた(図10左側)。そこからUSBハブを用いて無線キーボードアダプタと無線LANアダプタが接続されていた(図18)。

      図18 USBハブ・無線キーボードアダプタ・無線LANアダプタ

    13. ドータボード・CPUボード・FPGAボード

      下段シャーシ後方にドータボード(図20)・CPUボード・FPGAボード(図21)を組み合わせた"CPUタワー"(図14左)が固定されていた。

      図19 取り外し後

      図20 ドータボード

      図21 CPUボード・FPGAボード

    14. 赤外線センサ-Arduino接続基板

      下段シャーシ後部にL字型金具(図22)を使ってシャーシと垂直に接続されていた。
      赤外線センサとArduinoをつなぐ回路を基板にすることで、接触不良の防止と配線の簡略化を図っていると考えられる。

      図22 Arduinoボード

    15. 支柱(大)

      シャーシの四方に1つずつ、計4本固定されていた(図23左下)。

      図23 支柱(大)取り外し後

  6. 部品

    1. 部品全体図

      解体が完了した後の部品を図24、図25に示す。

      図24 部品(1)

      図25 部品(2)

    2. 部品表

      表1に必要な標準部品数と実際に確認した部品数を示す。
      表1 標準部品一覧表
      種別 部品名 標準部品数 確認個数 備考
      ボード
      CPUボード 1 1
      FPGAボード 1 1
      ドータボード 2(1) 2(1) ドーターボード2枚分の回路を1枚に収めていた。
      解体機では新ドーターボードが用いられていた
      モータ制御ボード 2 5 余剰 3: 解体機に2枚設置されていて、作業ブースに3枚残されていた
      超音波センサボード(親) 1 1
      超音波ボード(子) 1 4 余剰 3: 解体機に1枚設置されていて、作業ブースに3枚残されていた
      電源ボード 1 1
      メカ部品
      シャーシ(上段) 1 1
      シャーシ(下段) 1 1
      支柱(丸)大 4 4
      支柱(丸)小 1 1
      USB取り付けパネル 1 1 形が簡略化されていた
      PS/2 LAN取り付けパネル 1 0 不足 1: 作製は不要と思われる
      VGA取り付けパネル 1 1
      バンパ 3 6 余剰 3: 作業ブースに3枚残されていた
      モータ・ギア 2 2
      ロータリエンコーダ 2 2
      タイヤ・ホイール 2 2
      モータ・エンコーダ取り付け金具 2 0 不足 2: モータ・エンコーダマウントで代用されていた[4]
      ボールキャスター 2 2
      バッテリーボード 1 1
      USB固定金具 1 0 不足 1: 新規に作製する
      カメラ・センサ
      タッチセンサ 3 3
      WEBカメラ 1 1
      ケーブル(信号系)
      超音波センサ接続ケーブル DB9-超音波センサ親機の接続ケーブル
      MIRS1602班から譲渡された
      11pinフラットケーブル 2 0 不足 2: 解体機では新11pinケーブルが用いられていた[1][2]
      4pinケーブル 3 3 超音波センサ同士の接続ケーブル
      6pinケーブル 2 2 ドーターボード-モータ制御ボードの接続ケーブル
      USB引き出しケーブル 1 2 余剰 1
      LAN引き出しケーブル 1 0 不足 1: 無線LANアダプタで代用されていると思われる
      ディスプレイ引き出しケーブル 1 1
      PS2引き出しケーブル 1 1 作業ブースに残されていた
      DB9引き出しケーブル 1 1
      ケーブル(電源系)
      CPU電源ボードケーブル 1 1
      モータ制御ボード電源ケーブル 2 2
      バッテリ接続ケーブル 2 2
      その他
      USB接続無線LANアダプタ 1 1
      無線キーボード、USBアダプタ 1 1
      無線マウス、USBアダプタ 1 1
      バッテリー充電器 1 1
      バッテリー 2 3 余剰 1
      コンパクトフラッシュメモリ 1 1
      解体した部品の内標準部品以外のものを表2に示す。
      表2 標準部品以外の解体部品一覧表
      種別 部品名 確認個数 備考
      ボード
      赤外線センサ-Arduino接続基板 1 赤外線センサの情報をArduinoに送るため用いられていた[3]
      分岐用基板 1 電源ボードからの電源を分岐するために用いられていた
      Arduino 1 CPUの負荷を軽減するために、赤外線センサからの出力を代わりに処理するために用いていた
      新ドーターボード 1 圧着式11pinケーブルを用いるため標準部品[6]から変更されていた
      CPU変換ボード 1 新ドーターボードとCPUボードを接続する基板として用いていた
      メカ部品
      ロータリエンコーダ取り付け具(マウント) 2 2015年度から取り付け金具の代用として使用[5]
      モータ取り付け具(マウント) 2
      センサ
      赤外線センサ 7 標準部品からDSR1204(ダイセン電子工業)に変更されていた[2]
      ケーブル
      2pin電源ケーブル 2 分岐用基板と電源供給先を繋ぐケーブルとして用いられた
      新11pinケーブル 1 新ドーターボードに対応するため11pinケーブルから変更されていた
  7. 関連文書

    1. MIRS1501 標準部品製作計画書
    2. MIRS1501 システム基本設計書
    3. MIRS1501 エレクトロニクス詳細設計書
    4. MIRSMG3G 標準機組立手順書
    5. MIRSMG3G モータ・エンコーダマウント詳細設計書
    6. MIRSMG3G エレクトロニクス完成報告書
    7. MIRSMG3D 部品表
    8. MIRS1302解体報告書
    9. MIRS1501 システム提案書
  8. MIRS1501について

    MIRS1501は、標準機からの変更点が少なかった。
    赤外線センサを機体の全方位に取り付けることで、機体からみた方向にかかわらず対象物を発見できるようにされていた[9]。また赤外線センサ同士の値の違いから、対象物の方向を高い精度で導くことが可能だと考えられる。 11PINケーブルを壊れにくいものにするために、圧着式に変更されており、それに伴いドータボードも圧着式PINヘッダを取り付けられるように変更されていた。また、回路を整理することで必要なコードを少なくするなど、配線への工夫がされていたため、容易に解体作業を行うことができた。
    また、バッテリを下段の後方に設置することで、機体の低重心化を図っていた[2]。さらに部品を左右対称に配置することで重心を機体の中心に寄せていた[2]。これらによって機体の直進安定性が向上し、機体が安定するため[2]、制御しやすくなっていると考えられる。
    他にも、コードなどにテープを付け部品名を書くことで、部品の判別やコードの接続先が一目でわかるような工夫がされていた。
  9. 所感

    MIiRS1501機の配線が整理されていたため、スムーズに解体することが出来た。
    また、ドキュメント作成していく上で今後の作業で改善していくべき点を見つけた。それは、作業前の役割分担、情報の共有、作業スペースの整理である。これらを疎かにすると作業効率が落ちるので毎回気をつけていきたい。
    さらに、きっちりと下調べをして確実なことを記載することが、"当たり前だが大事"ということを再認識したので、班員に徹底し今後気をつけていきたい。

MIRS1603ドキュメント管理台帳