名称 | MIRS1501 システム提案書 |
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番号 | MIRS1501-DSGN-0001 |
最終更新日:2015.10.28
版数 | 最終更新日 | 作成 | 承認 | 改訂記事 |
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A01 | 2015.10.26 | 高橋元太 | 初版 | |
A02 | 2015.10.27 | 鈴木莉子 | 文章構成、予定表などレビューで指摘された箇所を変更した | |
A03 | 2015.10.28 | 鈴木莉子 | 各項目のタイトルを変更した | |
A04 | 2015.11.5 | 鈴木莉子 | 牛丸先生・大林先生 | 購入予定品と開発優先順位を変更した |
このコンセプトは、MIRS1501の方針として、特別なことはあまりせずシンプルにいくという意味である。
それぞれの機能はとてもシンプルだが、そのシンプルさが不安定要素をなくし、安定した動作を魅せる秘訣となっている。
これは「全部クリア」の略で、MIRS競技会における課題を全て達成するという意味である。
今回の競技課題は、
この3つの競技課題をすべて達成するために、MIRS1501は以下に示す機能を採用する。
これらの機能の詳細は 4.システム概要 に示す。
現場急行では、狭い道幅での安定した走行が求められる。
機体の重心を低くかつ中心にして機械的なズレを減らし、直進、回転を安定して行うよう設計する。
具体的には、基板などはできるだけシャーシの下段に、そして前後・左右対称になるよう設置する。
但し標準機のシャーシをそのまま使用し、必要に応じて新たに穴を開ける。
YUGOカーブとは、直進・円運動・直進をスムーズに行い、停止することなく現場急行をする走行方法である。
これはプレ競技会で発案・実装し、その機能を存分に発揮することができた。
しかし、ある程度走行速度を上げると不安定になるなど、まだまだ改良が必要である。
そこで、競技会ではさらに精度・速度を良くし、速く確実に現場急行を行うようにする。
図1に現場急行時の軌跡を示す。
図1 現場急行時の軌跡
参考ドキュメント
標準機デモ用システム開発計画書
プレ競技会では、1回戦、決勝戦ともに数字認識を成功させた。
今回の競技会では、数字認識は現場急行タイムと怪盗機確保タイムの両方に関わるとても重要な課題となっている。
まずは競技会のフィールドでプレ競技会と同様の方法(数字ボードにぶつかり、数cm後退して数字を認識する方法)で確実に数字認識を成功させる。
そして次に、極力時間をかけずに数字認識を行うために走りながらの数字認識に挑戦する。
具体的には、数字ボードの数十cm手前から走行と画像処理を並行して行い、数字ボードにぶつかる前に数字認識を完了させる。
但し、走りながらの数字認識は処理が重くなってしまう。
これが走行タイムにどのように影響するか検討し、競技会で採用するかどうか決定する。
MIRS1501では、WEBカメラと赤外線センサを併用するハイブリッド方式で怪盗機を認識、追跡する。
具体的には、カメラで遠くにいる怪盗機を発見し、赤外線センサで近くにいる怪盗機を追跡する。
カメラは前と左右の計3つ、赤外線センサはセンサの指向性によりMIRSの正面から左右に45度ずつ計8つ取り付ける。
カメラ、赤外線センサの配置を図2に示す。
図2 カメラとセンサの配置図
但し、展示室の中央には美術品が設置されている。美術品の裏に怪盗機が逃げてしまったら上記の方法では認識できない。
そのため、機体の中央に高い棒を設置し、その先端にWEBカメラを3つ設置する案も検討する。
そうすることでカメラの認識できる範囲が広くなり、また美術品の裏にいる怪盗機も認識できるようになる。
高い位置に設置したカメラと赤外線センサによる視野範囲を図3に示す。
図3 カメラとセンサの視覚範囲
自己位置補正は、カメラによる怪盗機の捜索の際、展示室の角に移動するために使用する。
エンコーダの値から現在フィールドのどのあたりにいるか把握し、超音波センサによって位置を補正する。
怪盗機の確保は、シンプルに体当たりで行う。
怪盗機の確保には、怪盗機の走行速度を上回る必要がある。
そのため、走行速度を重視しつつ、かつ2体が接触しても安全な走行を目指す。
MIRS1501は、効果音や音声をだすことで"観客を魅せる"パフォーマンスを行う。
また機体の状況に合わせた音声を出すようにすることで、機体の状況を傍から確認することができる。
プレ競技会までは、ドータボードと11PINケーブルを接続するときや、取り外すときに頻繁に11PINケーブルが壊れ、その度に11PINケーブルの修理を行っていた。
その原因として、11PINとリボンケーブルをはんだ付けやホットボンドによって接着していたことが挙げられる。
改善策として、圧着用PINヘッダを使用し、信頼性のあるケーブルにする。また、それに伴いドータボードも作り変える。
以前までのドータボードを図4に示す。
図4 プレ競技会で使用したドータボードの回路図
図4では、1×11の11PINソケットが左右に1つずつあり、ボードに11PINソケットのメス、ケーブルに11PINソケットのオスを使用している。
新たにドータボードを作るときは、この2箇所を2×8の圧着用PINヘッダに変更する。
現在の電源ケーブルは、ケーブルを無理やり二股にして出力している。
ケーブルが二つに分かれる部分をビニールテープで止めているので、そこがとても不安定であった。
このケーブルが走行途中に電源が落ちる要因になっていたと考えられる。
そこで、新たに基板を作成し、その基板上で電源ケーブルからの入力を2カ所に出力するように変更する。
そうすることで安定した動作を行うようになる。
MIRSの開発をアジャイル開発に習って行う。
開発内容に優先順位をつけ、第一段階ほど高く、第三段階ほど低く設定し、開発していく。
これらの開発と並行して11PINケーブル、ドータボード、電源ケーブルの改良を行う(標準機で使用したものを流用できるため、優先順位は低め)。
今回のシステム提案でMIRS1501でやりたいことが明確になった。
競技会まで時間がないので、役割分担をしっかりして、効率よく開発を行っていけるようにしたい。