名称 MIRS1804 標準機製作報告書
番号 MIRS1804-REPT-0001

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
B01 2018.06.08 足立颯一郎 第2版

ドキュメント内目次



1.はじめに

本ドキュメントは、MIRS1804の標準機製作報告書である。

2.担当

役割 担当者
駆動系電源ボード 土屋優貴,板屋醍嗣
Arduino 足立颯一郎,中村美月
RasberryPi 川口大和,米持春貴
標準機メカニクス 小池勇太,山崎蒼人

3.製作手順と導通チェック

3.1 駆動系電源ボードの製作

①駆動系スイッチボード
 回路図を元に、ユニバーサル基板上に実装した。回路図をFig.1に示す。
 基板配線に用いるケーブルは被覆径が2mm~3mmのものか、金属線(リード線をカットしたもの)を用いた。
 バッテリーおよびMCB接続の端子は、Fig2のようにターミナルブロック2ピン(縦・小)を用いた。入力側(バッテリ)を緑、出力側(MCB)を青とした。
 電圧監視用ポートには Molex 2ピンのハウジングを用いた。
駆動系電源ボードの部品面をFig.2、はんだ面をFig.3に示す。

Fig.1 回路図
Fig.1 回路図

Fig.2 駆動系電源ボード(部品面)
Fig.2 駆動系電源(部品面)

Fig.3 駆動系電源ボード(はんだ面)
Fig.3 電源ボード(はんだ面)


 テスターを用いて、はんだ付けを行ったすべての回路系に対して、導通チェックを行った。
 短絡している箇所がないことが確認できた。

②接続ケーブル
 被覆径が2mm~3mmの被覆線を使用して接続ケーブルを作成した。。

3.2 Arduino

①ユニバーサル基板
 MIRSMG4D ドキュメント管理台帳のArduino のセットアップとデバイス接続(MIRSMG4D-SYST-0003)を参考に配線およびはんだ付けを行った。このとき、ヘッダピンが傾かないように注意する必要があった。
 ユニバーサル基板の部品面をFig.4、はんだ面をFig.5に示す。  Fig.4のように、左からエンコーダ入力(4ピン)、モーター出力(3ピン)、バッテリー電圧入力(2ピン)とハウジングを並べた。また、エンコーダ入力、モーター出力は下のハウジングが左モーターに関するもの、上が右のモーターに関するものとなっている。
Fig.4 ユニバーサル基板(部品面)
Fig.4 ユニバーサル基板(部品面)

Fig.5 ユニバーサル基板(はんだ面)
Fig.5 ユニバーサル基板(はんだ面)

②導通チェック
 テスターを用いて、はんだ付けを行ったすべての回路系に対して、導通チェックを行った。  短絡している箇所がないことが確認できた。

3.3 Raspberry Pi

①ユニバーサル基板
 MIRSMG4D ドキュメント管理台帳のRaspberryPi のセットアップとデバイス接続(MIRSMG4-SYST-0004)を参考にしてRaspberry Piとデバイスとの接続に使用する、ユニバーサル基板(UB-RPI02)のはんだ付けを行った。
 Raspberry Pi用の20ピン×2列のピンソケット, I2Cレベル変換チップ用の8ピンICソケット(溝のあるほうが上となるようにはんだづけした), ON/OFF IOデバイス用の3個の2ピンのハウジング, 超音波センサ用の4個の4ピンハウジングをはんだ付けした。
 Fig7、Fig8のようにはんだ付けを行った。

Fig.6 ユニバーサル基板(部品面)
Fig.6 ユニバーサル基板(部品面)

Fig.7 ユニバーサル基板(はんだ面)
Fig.7 ユニバーサル基板(はんだ面)

②導通チェック
 テスターを用いて、はんだ付けを行ったすべての回路系に対して、導通チェックを行った。
 短絡している箇所がないことが確認できた。

3.4 メカニクス

①バッテリーホルダー作り
・制御用バッテリー
Solidworksを用いてFig.8の3D図面を作成した。
Fig.8 制御用バッテリーホルダー
Fig.8 制御用バッテリーホルダー


・駆動用バッテリー
Solidworksを用いてFig.10、11の3D図面を作成した。
Fig.9 駆動用バッテリーホルダー1
Fig.9駆動用バッテリーホルダー1
Fig.10 駆動用バッテリーホルダー1
Fig.10駆動用バッテリーホルダー2


②タップ加工
 タイヤホイール、モーターマウント、モーターマウントサポートにタップ加工を施した。このとき、モーターマウントサポートの取り付けに不具合が生じた。詳しくは6.不具合報告に記述する。
 モーターマウントサポートに関して、作り直し取り付け直した。

3.5 標準機の統合、組み立て

ケーブルについてを参考に配線を行い、それぞれ作成したArduinoとRaspbrry Pi、機体を統合し標準機を組み立てた。

・駆動部の組み立て
(ⅰ)タイヤの中に細いタイヤ2本をセットした。
(ⅱ)タイヤホイールとタイヤを接続する ※マイナスドライバーを活用すると設置しやすかった。
(ⅲ)モーターマウントサポートをモーターに通し、モーターマウントとモーターをM3のネジで固定する。
(ⅳ)モーターシャフトにタイヤホイールを固定した。
(ⅴ)モーターマウント、モーターマウントサポートと下段シャーシをM5のキャップボルトで固定する。
(ⅵ)駆動用バッテリーホルダ(4個)をM3ねじとナットで固定した。
(ⅶ)ボールキャスター(2個)をM2.6ねじとナットで固定した。
(ⅷ)短支柱と下段シャーシをM5キャップボルトで固定した。
(ⅸ)長支柱と下段シャーシをM5キャップボルトで固定した。

Fig.12 駆動部
Fig.12駆動部


・制御部の組み立て
(ⅰ)制御用バッテリーホルダ(4個)をM3ねじとナットで固定した
(ⅱ)超音波センサマウント(2個)をM3ねじとナットで固定した
(ⅲ)中段シャーシと短支柱をM5キャップボルトで固定した

Fig.13 制御部
Fig.13 制御部

・拡張部の組み立て
 上段シャーシと長支柱をM5キャップボルトで固定した
 Fig.13、14、15、16に統合した標準機を示す。

Fig.14 標準機機体(上から)
Fig.14 標準機機体(上から)

Fig.15 標準機機体(横から)
Fig.15 標準機機体(横から)

Fig.16 標準機機体(前から)
Fig.16 標準機機体(前から)

Fig.17 標準機機体(後ろから)
Fig.17 標準機機体(後ろから)


4.単体試験結果

4.1 Arduino

①接続

 MIRSMG4D ドキュメント管理台帳のArduino単体での動作試験(MIRSMG4D-SYST-0007)を参考にPC、Arduino、ユニバーサル基板、モータードライバ、駆動系電源ボード、バッテリーを接続し回路を導通させた。

②動作試験

 ここでは定性的に評価した。
   試験項目       試験内容・評価基準       試験結果   
モーター動作テスト ①Arduinoに任意の出力値を入力し、モーターの回転を確認した。

②Arduinoに入力する出力値を変化させた時、モーターの回転が変化するか確認した。
 このとき、出力値に対するモーターの回転速度についての正確性は考えないものとした。
①良好だった。
 モーターは回転した。

②良好だった。
 出力値を増やした時モーターの回転速度は増加し、出力値を減らした時モーターの回転速度は減少した。
エンコーダテスト モーターが回転した時、エンコーダが値を返すか確認した。 良好だった。
 左右どちらのエンコーダも値を返していた。
速度制御のテスト ①Arduinoに任意の出力値を入力した時モーターが回転し、同時にエンコーダから値が返ってくるか確認する。 ②Arduinoに入力する出力値を変化させた時、モーターの回転、エンコーダから返ってくる値が変化するか確認した。 ①良好だった。
 モーターが回転したと同時にエンコーダから値が返ってきた。

②良好だった。
 出力値を増やした時モーターの回転速度は増加し、エンコーダから返ってくる値は増加した。同様に、出力値を減らした時モーターの回転速度は減少し、エンコーダから返ってくる値は減少した。
走行制御のテスト Arduinoに任意の出力値(①回転方向、②回転角度、③回転速度)を入力し、モーターの動作を確認した。 すべて良好だった。
 ①任意に決定した回転方向を入力した結果、モーターは回転した。また、逆回転方向を入力した結果、モーターの回転方向も逆になった。

 ②任意に決定した回転角度を入力した結果、モーターは回転した。また、回転角度を大きく設定した時、モーターの回転時間が長くなったことから回転角度が増加したことが確認できた。同様に回転角度を小さく設定した時、モーターの回転時間が短くなったことから回転角度が減少したことが確認できた。

 ③任意に決定した回転速度を入力した結果、モーターは回転した。回転速度を大きく設定した時、モーターの回転速度が速くなったことが目視で確認できた。同様に回転速度を小さくした時、モーターの回転速度が遅くなったことが目視で確認できた。
バッテリー値の確認 Arduinoに接続されたバッテリー値が表示されるか確認した。 良好だった。
 バッテリーは十分に充電されていた。そのときのバッテリーの出力が表示された。
シリアル通信のエンコード、デコーダ値の確認 Arduinoから値が返ってくるか確認する。 良好だった。
 Arduinoから値が返ってきていることがシリアルモニターによって確認できた。

4.2 Raspberry Pi

 MIRSMG4D ドキュメント管理台帳のRaspberry Pi での動作試験(MIRSMG4D-SYST-0008)を参考にして単体動作試験を行った。


①Raspberry Piの起動とソースファイルの展開
 まず、キーボード(USB)、マウス(USB)、ディスプレイ(HDMI)を接続し、Raspberry Pi を起動した。
 その後、MIRSMG4D-SYST-0008からmg4_pi_ver3.0.tar.gzをダウンロードし、tar xvf mg4_pi_ver3.0.tar.gzというコマンドで"test"ディレクトリに展開した。

②デバイス接続
 Raspberry Piにカメラ(1台)、ユニバーサル基板に超音波センサ(2個)を接続した(タッチセンサについては導線を短絡させることで代用した)。

③動作確認
 上で展開したプログラムを実行し、タッチセンサ、超音波センサ、カメラの動作確認、またカメラでの数字認識の確認を行った。ここでは定性的に評価した
   試験デバイス       試験内容・評価基準       試験結果
タッチセンサ タッチセンサから値が返ってくるか確認した。 良好だった。
超音波センサ 超音波センサから値が返ってくるか確認した。 良好だった。
 物体との距離を長くしたとき返ってくる値は増加し、短くしたとき返ってくる値は減少した。実際との距離との誤差が10cm程度であった。
カメラ ①カメラが映像を写すか確認した。

②カメラがに映った数字を認識するか確認した。
①良好だった。

②良好だった。

④Arduinoと接続しての動作確認
 Fig.11のようにRasberryPiとArduinoを接続し、動作確認を行った。
 RasberryPiからtest_requestを行った結果、正常に動作した。

Fig.11 Arduinoとの接続
Fig.11 Arduinoとの接続

5.統合試験

試験内容 評価基準 結果
動作確認 モーターがプログラム実行によって動くか確認する。 良好だった。
 シリアル通信を行ってRaspberryPiとArduinoの通信ができている事が確認できた。回転方向の指定、速度の指定、回転距離の指定が可能であった。定性的判断をしたため精度は考えないことにした。
走行テスト ①クリエイティブラボの床(カーペット素材)でマス目に沿って走行させ、直進するか確認した。
②回転の指示を与えた時、その場で回転するか確認した。また、指定回転角度を変化させた時、実際に回転角度が変化するか定性的に確認した。
①良好だった。
 床のマス目と平行に進んだことから、直進している事が確認できた。
 参考として走行距離を測定したところ、走行距離が指定距離より短かったが、ここでは定性的判断をしたためこの誤差は考えないものとした。

②良好だった。
 その場で回転することを確認できた。
 参考として回転角度を測定したところ、回転角度が指定角度より小さかったが、ここでは定性的判断をしたためこの誤差は考えないものとした。
ゲイン調整 クリエイティブラボの床(カーペット素材)でマス目に沿って走行させ、ローリング(左右のタイヤを交互に出す現象)が小さくなるゲインを確認した。 ゲインの値が10のとき最も良好だった。

6.不具合報告

モーターマウントサポート取り付け不具合報告書

MIRS DATABASE