名称 MIRS1202 解体報告書
番号 MIRS13CP-RPRT-0001

最終更新日:2013.05.23




版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2013.05.10 大川
山内
井上
牛山
A02 2013.05.15 大川
井上
誤字などの訂正
説明の追加
A03 2013.05.23 大川
井上
出川先生 誤字などの訂正
説明の追加


    目次


    1.目的
    2.全体図
    3.解体手順
    3.1 スピーカーBOX
    3.2 バンパー
    3.3 上下シャーシ
    3.4 ドーターボード
    3.5 FPGA,CPUボード
    3.6 超音波センサ
    3.7 Webカメラ
    3.8 電源ボード
    3.9 モーター制御ボード
    3.10 白線センサ
    3.11 ボールキャスター
    3.12 タイヤ
    3.13 モーター,ロータリーエンコーダ
    4.部品全体図
    5.総括

  1. 目的
  2. 本ドキュメントは、MIRS1202の解体手順について記したドキュメントである。
    このドキュメントを作成することで、MIRS1202の工夫,改造を調べ、 MIRSの構造の理解を深める。




  3. 全体図


  4. 写真1 MIRS1202全体図


    MIRS1202の一番の特徴はスピーカーである。MIRS1202は音声実況システムを実現させるために、標準機にはないスピーカーを搭載している。また、基盤の配置が標準機と大きく異なっている。
    上下シャーシの大きさは標準機と同じだった。



  5. 解体手順
  6. 3.1,3.2,3.4〜3.8が上段シャーシ、3.9〜3.13が下段シャーシについてである。

    3.1スピーカーBOXの取り外し

    まず初めにスピーカーBOXを取り外した。
    スピーカーBOXは、上段シャーシからはみ出さず、且つ超音波センサの邪魔にならないよう、形と位置が工夫されていた。
    しかし、アクリル板をガムテープでつなげた粗末な作りだったので、とても脆かった。
    また基盤がBOX内で固定されておらず、スピーカーBOX自体はガムテープによってMIRS本体に固定されていた。
    また、基盤とシャーシの間にスポンジが入っていた。これは基盤のショートを防ぐためと考えられる。


    写真2 スピーカーBOX

    MIRS1202 スピーカーボックス詳細設計書
    MIRS1202 音声実況システム詳細設計


    3.2バンパーの取り外し

    蝶番,ネジ,ナットにより本体に固定されていた。しかし、ナットがところどころなく、ネジも緩くしめられていた。 おそらくタッチセンサを反応しやすくするための工夫だろう。
    また、正面のバンパーには重りが取り付けられていた。 これも、タッチセンサを反応しやすくするための工夫だと考えられる。
    管理台帳にバンパーに関する記述はなかった。よってこれらの工夫は試行錯誤の結果だと考えられる。


    写真3 バンパー



    3.3上下シャーシの分離

    コード類と円柱部分のネジを外して、上下のシャーシを分離させた。


    写真4 上段シャーシ



    写真5 下段シャーシ



    3.4ドーターボードの取り外し

    標準機と違い、ラックを使用せずネジとスペーサーのみで固定されていた。また、ドーターボード類が標準機より後ろに取り付けられていた。
    ドーターボードは一枚しかなく、標準機と比較し端子の数が多いので、2つのドーターボードを1つにまとめたものと考えられる。 横にスピーカー用の基盤が取り付けられていた。
    また、8pinフラットケーブルがホットボンドにより補強されていた。


    写真6 ドーターボード

    MIRS1202 音声実況システム詳細設計


    3.5 FPGA,CPUボードの取り外し

    USBポートが2つ増設されていた。取り付けパネルはUSB取り付けパネルが2つになっていて、それ以外は外されていた。
    VGA取り付けパネルについていたポートはケーブルごとに分けられていて、PS/2LAN取り付けパネルのものはケーブルすらついていなかった。


    写真7 FPGA,CPUボード



    写真8 FPGA,CPUボード2



    3.6 超音波センサの取り外し

    超音波センサは4つ取り付けられていた。内一つは発振器と制御ボードが分離していたが、理由は記載されていなかった。
    写真10に示した3つの超音波センサは機体の前方に、発振器と制御ボードが分離したものは後方の高い位置に取り付けられていた。前方の3つは1つの金属板に固定されていた。
    また、標準機では前方を向いているものが2つ、左右を向いているものが1つずつだった。しかし、この機体では前向き1つ、右向き1つ、左向き2つに変更されている。これは、側面を見る動作を安定させ、壁に沿ってまっすぐ走行させるためである。


    写真9 超音波センサ


    写真10 超音波センサ位置

    超音波センサボード製造仕様書
    MIRS1202 基板配置詳細設計書


    3.7 Webカメラの取り外し

    標準のWebカメラではなく、iBUFFALOのBSW20KM11BKが使われていた。
    BSW20KM11BKは画素数が200万画素,撮影可能範囲が120°で標準のWebカメラに比べかなり高性能である。MIRS1202では、Webカメラを使用してロータリーを攻略するために、このカメラに変更した。


    写真11 Webカメラ

    MIRS1202 システム基本設計書 MIRS1202 OpenCVによる数字認識


    3.8 電源ボードの取り外し

    標準機では後方についていたが、この機体では右側に垂直に立てられた状態で取り付けられていた。


    写真12 電源ボード

    MIRSMG3D 組み立て手順書



    3.9 モーター制御ボードの取り外し

    下段シャーシの前後に1枚ずつ取り付けられているものが、下段シャーシの前側にまとめられていた。しかし、基盤は変更されていなかった。


    写真13 モータ制御ボード(上部)


    写真14 モーター制御ボード(側面)

    MIRSMG3D 組み立て手順書



    3.10 白線センサの取り外し

    MIRS1202のドキュメントに白線センサに関する記述がなかったことと、標準機との比較から標準機と同じものと考えられる。
    MIRSMG3D 組み立て手順書


    写真15 白線センサ



    3.11 ボールキャスターの取り外し

    スペーサーを斜めに切ることで、外側が持ち上がるように傾いて取り付けられていた。これは、シーソー,ステップでボールキャスターが引っかからないようにするためだろう。
    しかし、設計図面通りにスペーサーが加工されておらず、設計図面より傾いていない。


    写真16 ボールキャスター

    MIRS1202 ボールキャスター詳細設計書


    3.12 タイヤの取り外し

    標準機と同じことを確認した。
    MIRSMG3D 組み立て手順書


    写真17 タイヤ



    3.13 モーター,ロータリーエンコーダの取り外し

    標準機と同じことを確認した。
    MIRSMG3D 組み立て手順書


    写真18 モーター,ロータリーエンコーダ



  7. 部品全体図
  8. MIRS1202に使われていたすべての部品の写真を以下に示す。

    写真19 部品全体図




  9. 総括

MIRS1202の主な変更点を以下の表にまとめた。
改良場所 MIRS1202の詳細 目的
スピーカーBOX 実況中継をするため
ラック 使用されていない
それに伴って各種ボードの位置も変更されていた
基盤の配置を変更しやすくするため
FPGA,CPUボード PS/2LAN取り付けパネル,VGA取り付けパネルが取り付けられておらず、代わりにUSB取り付けパネルが2つあった
USB取り付けパネルが金属製に変更されていた
基盤の配置を変更しやすくするため
使用しないパーツを取り外して軽量化するため
超音波センサ 位置が変更されていた 壁に沿ってまっすぐ走行させるため
Webカメラ iBUFFALOのBSW20KM11BKに変更 Webカメラを使用してロータリーを攻略するため
ボールキャスター 進行方向側が持ち上がるように傾いて取り付けられていた シーソー,ステップでボールキャスターが引っかからないようにするため

MIRS13CPドキュメント管理台帳