名称 MIRS1502 MIRS1402解体報告書
番号 MIRS1502-REPT-0001
版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A06 2015.06.12 平田和奏 大林先生 第六版
A05 2015.06.10 飯田峻也,富田健斗,近藤 有,大川賢一郎,平田和奏 大林先生 第五版・レビュー後修正
A04 2015.05.22 飯田峻也,富田健斗,近藤 有,大川賢一郎,平田和奏      第四版・第二回事前チェック後修正
A03 2015.05.21 飯田峻也,富田健斗,近藤 有,大川賢一郎,平田和奏      第三版・第一回事前チェック後修正
A02 2015.05.14 飯田峻也,富田健斗,近藤 有,大川賢一郎      第二版・たたき台
A01 2015.05.08 飯田峻也,富田健斗,近藤 有,大川賢一郎      初版

目次


  1. はじめに

    本ドキュメントは5月1日に行われたMIRS1402の解体に関する報告書である。

  2. 参加メンバー

    参加メンバーと担当教員を表1に示す。

    表1 担当教員と参加者
    実施日 参加者
    2015.5.1 MIRS1502
    (加藤正純,金指真之介,奥一貴,富田健斗,近藤 有
    大川賢一郎,飯田峻也,平田和奏,北原一総)
  3. 解体について

    解体は取り外しがしやすい上部から始め、以下の順序で解体を行った。また、下記Fig.1に図から見たときの手引きを示す。





    Fig.1 全体図
    1. 上段シャーシ

    2. パイルバンカー

    3. FPGA・CPUボード

    4. 中段シャーシ

    5. オムニホイール

    6. 下段シャーシ

    3.1 解体について

    3.1.1目的
     前年度のMIRS1402が作った機体の内容(回路基板、部品組み立てetc)を把握し、またこの解体を通して得た知識(素子の使い方、回路etc)を今回のMIRS1502で応用し、よりよい機体を作成する。またこの解体と並行して行うことは、MIRS1402の書いたドキュメントを見てMIRS1402がどのような作成過程を経て機体を完成させたのか学ぶ。

    3.1.2 解体前
     まず最初に解体前の全体図をFig.2〜Fig.5に示す。
     解体前の機体は主にアクリル板で構成されており、重心は他の機体よりもやや高めにあり縦長の作りである。 またタイヤがオムニホイールであるという所も1つの特徴である。
     オムニホイールを使用するメリットとして、詳しいことは3.5 オムニホイールにて説明するがタイヤに比べて前後左右の移動がスムーズにでき、MIRS1402のチームコンセプトである「全方位移動」を可能としている。


    Fig.2 全体図


    Fig.3 正面図

    Fig.4 側面図

    Fig.5 上面図

    3.2 上板シャーシの取り外し

    3.2.1 上板シャーシの取り外し
     始めに上板シャーシを取り外した。上板シャーシはねじで4本の支柱と垂直に取り付けられていた。
     これの取り付け方として、両端にそれぞれ2本ずつのねじで固定されていた。 これはパイルバンカーを固定するためのものであり、怪盗機に取り付けられた(高い位置にある)風船を割るためにある。
     Fig.6に上板シャーシの全体図を示す。


    Fig.6 上板シャーシ全体図

    3.2.2 支柱の取り外し
     上板シャーシ上部を固定していたアクリル製の支柱を取り外した。支柱は4本で構成されていて、ねじで各2箇所、合計で16箇所固定されていた。


    Fig.7 支柱解体風景


    Fig.8 支柱


    3.2.3 パイルバンカーの取り外し
     上板シャーシ上部に取り付けられていたパイルバンカーを取り外した。パイルバンカーは4つの電解コンデンサとスイッチ・電源ケーブル(ステッピングモータ)で構成されていた。
     また、本体は取り外され、プロジェクトブースに保管されていた。
     パイルバンカーの構造としては、中央に鉄心が入っていて、その周りがコイルが囲い、ばねが鉄心を固定する構造となっていた。
     鉄心の先端には針がついていて、パイルバンカーを射出すると風船が割れるようになっている。
    コイルに電流を流すとパイルバンカーが射出され、電流を止めるとばねにより戻るこうぞうとなっている。
     Fig.9はパイルバンカー部分の全体図である。
    図の(1) の部分はパイルバンカーの駆動のための高電圧を作り出す昇圧基板である。回路はインスタントカメラのフラッシュ回路を使用している。取り出した図をFig.10に示す。
    (2)の部分はコンデンサが4つ、並列に並んでいる。1つのコンデンサが耐圧450V、容量360uFなので、全体で耐圧450V、容量1440uFのキャパシタを構成している。
    この2つの回路を組み合わせ、昇圧回路で発生させた高電圧を大容量のコンデンサに蓄えている。
    それにより、パイルバンカーに高電圧をかけることができ、高速で射出することを実現している。

    (3)はステッピングモータが上向きで固定されている。mirs1402の先輩方に訊ねたところ、この上にカメラをつけ、全方位を確認する装置を制作したが、実現ができなかったためモータだけが設置されている、とのこと。


    Fig.9 パイルバンカー全体図


    Fig.10 パイルバンカー用昇圧回路

    3.3 FPGA・CPUボード取り外し

    3.3.1 内部回路の取り外し
    作業を効率よく行うために、始めに内部回路全体を取り外した。内部回路は上からアクリル板2枚・FPGAボード・CPUボード・方位センサ制御ボードの順に構成されていた(Fig.11参照)。
     基板等はすべてPC104の規格と同じ固定穴を開けることにより、各々が重ねることが出来るこうにしている。これにより、省スペースで管理が楽な構造になっている。
    また、USB端子を使用する際にFPGAボードに傷をつけないため、アクリル板を使用しFPGAボードを保護している(Fig.12参照)。


    Fig.11 基板取付外観


    Fig.12 FPGA・CPUボード全体図

    3.3.2 内部回路解体
     内部回路のボードを下から順番に解体した。
    それぞれのボードはスペーサーとねじで固定されていた(Fig.13からFig.16を参照)。


    Fig.13 CPUボード


    Fig.14 FPGAボード

     MIRS1402 方位センサ詳細設計書

    Fig.15 方位センサ制御ボード

     


    Fig.16 天板・USB端子固定板

    3.4 中段シャーシの取り外し

    3.4.1 中段シャーシの取り外し
     中段シャーシはアルミの支柱4本で固定されていた。
     取り外した中段シャーシ(Fig17,18)を見ると、オムニホイールとの接触を避けるための切り込みが入っていた。また、ケーブルを通すために中央に大きな穴が開いていた。


    Fig.17 中段シャーシ外観図


    Fig.18 中段シャーシ

    3.4.2アルミ支柱の取り外し
     ナットで下段シャーシに垂直に計4本取り付けられていた。


    Fig.19 支柱取り外し前外観図


    Fig.20 支柱



    3.5 オムニホイール

    オムニホイールの取り外し
     このオムニホイールはMIRS1402によって自作されたものであった。(Fig.21)
    タイヤの代わりにオムニホイールを用いたのはチームコンセプト"全方位移動"を実現するため[※1]である。
     自作した理由としては、市販のオムニホイールよりも安価であることがあげられる。またスムーズに移動できることと、重心の安定のためにオムニホイールが4つ取り付けられていた。
    また、オムニホイールの直径を大きくすることにより、高速に移動できるようになっている。

    [※1]「MIRS1402 メカニクス詳細設計書」(2015/05/20)
    http://www2.denshi.numazu-ct.ac.jp/mirsdoc2/mirs1402/mech/num0001a/MECH-0001.html

    MIRS1402 オムニホイール詳細設計書


    Fig.21 オムニホイール


    3.6 モータ・下段シャーシ

    3.6.1 バッテリーボックスの取り外し
     下段シャーシに4本のねじで取り付けられていた。バッテリーボックスは蝶番とバッテリボックスと下段シャーシのはめあいで固定されていた。
     この固定方法のため、バッテリーの取り外しが簡単になり整備しやすい作りになっていた。


    Fig.22 バッテリーボックス

    3.6.2 モータドライバの取り外し
     4本のねじで下段シャーシに取り付けられていた。モータドライバは自作されており、モータドライバ4個分の機能が1つにまとめら れていた(Fig.24参照)。
    モータードライバーがこの形状になった理由は、それぞれのモーターを置く場所を確保するためである。


    Fig.23 下段シャーシ外観図


    Fig.24 モータドライバ

    3.6.3 モータの取り外し
     4つのモータはそれぞれがモータマウント、モータヘッドのセットで下段シャーシにそれぞれ4本のねじで取り付けられていた(Fig.25参照)。
     先ず最初に、このセットを下段シャーシから取り外し、次にモータ(Fig.27参照)からモータヘッド(モーターが取れないための部品、Fig.28)を、そしてモータマウント(下段シャーシに支える部品Fig.29)を取り外した。
     そしてすべて取り外した後の下段シャーシがFig.30である。


    Fig.25 下段シャーシ取付・外観図


    Fig.26 モータドライバ


    Fig.27 モータ


    Fig.28 モータマウント


    Fig.29 モータヘッド


    Fig.30 下段シャーシ

    3.7 解体後
     Fig.31〜Fig.34に、解体終了後のMIRS1402のパーツを示す。


    Fig.31 全体パーツ1


    Fig.32 全体パーツ2


    Fig.33 全体パーツ3


    Fig.34 全体パーツ4

  4. 改善・改良点

    MIRS1402は、チームコンセプトである「全方位移動」を実現するために様々な工夫を施した。
    Table.2に、コンセプト実現のための変更点を載せる。

    Table.2 変更点まとめ
    素子・部品名 変更点 目的
    重心 機体内の低い位置にある 転びにくくするため
    速度を上げるため
    上段シャーシ 新規に取り付けられている パイルバンカーを用いて怪盗機の風船を割るため
    パイルバンカー 新規取り付けられている
    FPGAボード アクリル板が上の段に設置されていた USB端子を使うとき、FPGAボードに傷をつけないようにするため
    中段シャーシ 切込みが加わっている オムニホイールとの接触を回避するため
    オムニホイール 自作されていた 安く済ませるため
    タイヤの代わりに搭載されていた 機動力を上げるため
    バッテリーボックス 下段シャーシと蝶番で固定されていた バッテリー交換をスムーズに行うため
    モータードライバー Xの字になっている モーター設置のエリアを確保するため
    モーター固定具 スポンジを挟む 衝撃を和らげるため




5.解体部品一覧表


今回の解体で判明した、必要な標準部品数と使用可能な標準部品数を下記に示す。

表1:使用可能な標準部品
種類 部品名 個数 確認個数 備考
ボード CPUボード 1 1 目視にて確認
FPGAボード 1 1 目視にて確認
ドータボード 2 1 目視にて確認
MIRSMG3D ドータボード製造仕様書と比較して標準と異なる物が2枚存在、ドーターボード上段が確認できず

画像 標準ドーターボード上段
画像 標準ドーターボード下段
モータ制御ボード 2 1 目視にて確認
MIRSMG3D MTCB製造仕様書と比較して未完成のものが1枚、4枚分の機能を内蔵したものが1枚存在

画像 標準モータ制御ボード
画像 MIRS1402に搭載されていたモータ制御ボード
超音波センサボード(親) 1 1 目視にて確認
MIRSMG3D 超音波センサボード製造仕様書と比較して確認

画像 標準超音波センサボード(親)
超音波センサボード(子) 1 1 目視にて確認
MIRSMG3D 超音波センサボード製造仕様書と比較して確認
市販品が4枚存在

画像 存在した超音波センサボード(子)
電源ボード 1 0 目視にて確認
MIRS1402 電源ボード詳細設計書と比較して存在を確認できず
標準、設計書とは異なるものが1枚存在
メカ部品 シャーシ(上段) 1 0 目視にて確認
MIRSMG3D 上段シャーシ製造仕様書と比較して存在を確認できず
標準と異なるものが1枚存在
MIRS2015で変更

画像 存在したシャーシ(上段)に相当する部品
※MIRS1402はシャーシが3段構造だった
シャーシ(下段) 1 0 目視にて確認
MIRSMG3D 下段シャーシ製造仕様書と比較して存在を確認できず
標準と異なるものが1枚存在
MIRS2015で変更

画像 存在したシャーシ(下段)に相当する部品
支柱(角) 4 0 目視にて確認
支柱(丸) 4 4 目視にて確認
MIRSMG3D 支柱製造仕様書と比較して存在を確認

画像 存在した支柱
USB取り付けパネル 1 0 目視にて確認
MIRSMG3D 各種ポート取付板製造仕様書と比較して存在を確認できず
※支柱とポート取り付けパネルが一体化した部品が存在

画像 ポート取り付けパネル付支柱
PS/2LAN取り付けパネル 1 0 目視にて確認
MIRSMG3D 各種ポート取付板製造仕様書と比較して存在を確認できず
VGA取り付けパネル 1 0 目視にて確認
MIRSMG3D 各種ポート取付板製造仕様書と比較して存在を確認できず
バンパ 3 0 目視にて確認
MIRSMG3D バンパー製造仕様書と比較して存在を確認できず
モータ・ギア 2 3 目視にて確認
モータのみの物が1台存在
ロータリエンコーダ 2 1 目視にて確認
タイヤ・ホイール 2 2 目視にて確認
MIRS1402班特製のオムニホイールが4輪存在

画像 特製オムニホイール
モータ・エンコーダ取り付け金具 2 1 目視にて確認
MIRSMG3D モーター取り付け金具製造仕様書と比較して標準と異なる物が1枚存在
MIRS2015で変更
ボールキャスター 2 2 目視にて確認
小さいものが4つ存在
センサ・カメラ タッチセンサ 3 2 目視にて確認
Webカメラ 1 1 目視にて確認
ケーブル(信号系) シリアル接続ケーブル 1 0 目視にて確認
8ピンフラットケーブル 2 2 目視にて確認
FPGA-DB,MIRS2015では11pinに変更
4ピンフラットケーブル 3 15 目視にて確認
DB-MPCx2、USS-USSx1
MIRS2015ではDB-MPCは6pinに変更
ケーブル(電源系) CPUボード電源ケーブル 2 0 目視にて確認
バッテリ接続ケーブル 2 4 目視にて確認
電源ボード・モータ制御ボード接続ケーブル 2 8 目視にて確認
ドータボード電源ケーブル 2 0 目視にて確認
その他 USB無線LANアダプタ 1 1 目視にて確認
無線キーボード、USBアダプタ 1 0 目視にて確認
有線(牛丸先生に確認済み)
無線マウス、USBアダプタ 1 1 目視にて確認
充電器 1 2 目視にて確認
バッテリー 1 6 目視にて確認
コンパクトフラッシュメモリ 1 1 目視にて確認
プログラム変更のため回収

標準機から多くの部品が改造、変更されており、不足しているパーツが多かった。


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