名称 MIRS1202 MIRS解体報告書
番号 MIRS1202-TECH-0001

最終更新日:2012.5.25

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2012.5.17 伊與田、二見、佐藤 初版
A02 2012.5.25 伊與田、二見、佐藤 青木 「はじめに」「上段シャーシの解体」「中段シャーシの解体」「下段シャーシの解体」を修正

目次




1.はじめに

1.1 概要

本ドキュメントは、MIRS1103の解体手順について記したドキュメントである。


1.2 MIRS1103についての考察

MIRS1103の機体は3段のシャーシで構成されており、標準機よりも機体が大きくなっている。
3段シャーシにした理由は、サスペンションを下段シャーシに取り付けることで、モータ上下機構を実現するためである。
機体は大きいが、タイヤ間の距離もカメラの位置も標準機から変わっていないため、走行系の制御の影響は無いと思われる。




2.シャーシの切り離し

中段シャーシから上段シャーシを切り離すために中段と上段を繋ぐケーブルを外しておく。
外したケーブルをLEDボードとスイッチボードの間の穴に入れておき。ボルトをはずして上段シャーシを取り外す。
中段と下段は前後のネジ4本ずつと、2つずつのサスペンションにより、固定されていた。
サスペンションを先に外し、その後、ネジを外していった。



上段シャーシは標準機と同じ仕様で作成されていた。
上段シャーシ製造仕様書

中段シャーシ・下段シャーシはMIRS1103のオリジナルのものであった。
中段・下段シャーシ設計図




3.上段シャーシの解体

3.1 LEDボードの取り外し

電源分配ボードの上に取り付けられたLEDボードを取り外した。
LEDボードは装飾用に取り付けられていた。
LEDボードは電源分配ボードに接続されているケーブルを取り外し、ボルトを外して取り外した
LEDボードは標準機には取り付けられていないオリジナルのボードでありシリアル通信を利用して制御されていた。
状況表示基盤1
状況表示基盤2


3.2 電源分配ボードの取り外し

電源分配ボードはコードをまとめるためにつくられたボードであった。

電源分配ボードの接続先の図
接続されたケーブルを取り外し、上段シャーシから取り外した。
標準機には存在しないオリジナルのボードであった。
電源分配ボードの製造仕様書は見当たらなかった。


3.3 スイッチボードの取り外し

スイッチボードは標準機と同じ仕様のものが取り付けられていた。

スイッチの接続先
電源分配ボードへ接続されているほうがCPU、モーター制御ボードへ接続されているほうが制御系になっている。


3.4 超音波センサーの取り外し

超音波センサーは親機1つにに子機が3つ取り付けられていた。
超音波センサーは固定台に取り付けられていた。固定台は標準機は縦向きの取り付けなのに対し、横向きの取り付けが可能になるように改良されていた。
超音波センサ固定台製造仕様書
超音波センサー固定台の設計(図1-2,図1-3)


3.5 バンパーの取り外し

バンパーは標準機のものとは素材の違うものが取り付けられていた。
前方のバンパーのみ標準機と異なる形状のバンパーに変更されていた。

バンパーの設計(図4-1,図4-2)
ほかの二つは標準機と同じ仕様になっている。標準機のバンパー製造仕様書:バンパー製造仕様書


4.中段シャーシの解体


4.1 モーター制御ボード周辺の解体

ラック状にある、CN1とCN2の2pinコネクタから、それぞれのモータに接続されていたケーブルと、
CN3とCN4から、ロータリーエンコーダ接続とモータ制御信号の配線を計4本外した。
モータ制御ボードの四隅にあった小ネジを4本外した。ラックから取り外した。これをモータ制御ボード2個とも行なった。
それぞれのラックのアクリルボードと丸型支柱に取り付いているネジを中型シャーシから取り外した。
MTCB製造仕様書





4.2 ドータボードの取り外し

現在標準部品となっているドータボードの上下2枚の機能を1枚に集約したオリジナルドータボードから、四隅にあった小ネジを4本外した。I/Oの3,4ピンをそれぞれ右ラインセンサ、左ラインセンサに接続されてあったので、取り外した。TS1,3,4ピンでは、左、正面、右のタッチセンサに接続されてたので、取り外した。CN-4Pのピンではモータ制御ボードに取り付いているCN4ピンのMOLEX 4pinに接続されていたので取り外した。FPGAボードとCPUボードとでラック状になっていたので、取り外した。標準機との相違点が二つある。まず、on/offの3ピンが四つ失くなっていてた。だが、6PINコネクタでon/offの3ピンの二つを補っていたので、実質は二つ取り外されていることとなる。もう一つが、基盤が一つになっているので、電源コネクタが一つだけで済んだ。 6ピンのコネクタは実際に8ピンコネクタにつながれていて、そこからドータボード、FPGAボードへとつながっている。そこで上段シャーシのLEDにつながって制御していた。
ドータボード製造仕様書





4.3 FPGAボードの取り外し

8ピンフラットケーブルがドータボードの上段に接続されていたので取り外した。 FPGAボードにUSB端子が二つ多くついていたのは、ディスプレイ表示や無線操作をさせるために増設されていた。





4.3 CPUボード

USBポートが四個、シリアル接続ケーブル二本、FPGAダウンロードケーブル、外部接続端子二本、LANポート一本。
 






4.5 WEBカメラの取り外し

WEBカメラがUSBポートにつながっていたので取り外した。
中型シャーシの前方に小ネジを二本使用し、カメラ取り付け金具(下)を取り付けてあったので、取り外した。
カメラ取り付け金具(上)に、小ネジを1本、ナットを1個を取り外し、カメラを取り付ける。 カメラ取り付け金具(上)とカメラ取り付け金具(下)を、小ネジを2本、ナットを2個取り外した。
スペーサーを入れた後、ネジを中段シャーシに通し、ナットを4個使用して外した。





4.6 バッテリーボード

中段シャーシの中心に、バッテリーボードが設置されていたので、ネジを七つ取り外して取り外した。
M2なべ小ネジ10mmを2本使用し、中段シャーシの上から取り付ける。
バッテリーボードの設計(図6-1,図6-2)





5.下段シャーシの解体

5.1 下段シャーシの解体

下段シャーシに取り付けられていたものは、モータ、タイヤ、サスペンションだった。
サスペンションは中段と分離した際に外した。
モータは4本のネジで止められていた。
写真下の正方形のシャーシが下段シャーシである。



5.2 ボールキャスター

ボールキャスターは、中段シャーシの前後に一つずつ設置されていた。
中段シャーシと固定されていた。
キャスターの中程にアクリル板があり、そこから白線センサが伸びている。


6.相違点

MIRS標準機との相違点を記載する。

6.1 下段シャーシの相違点

下段シャーシでの標準機との相違点として次が挙げられる。

ボールキャスターが下段についておらず、中段についている。
サスペンションがついている。


6.2 中段シャーシの相違点

そもそも標準機には中段は存在しない。そのため、何が搭載されていたかを記す。

・モータ制御ボード
・ドータボードの上下2枚の機能を1枚に集約したオリジナルドータボード
・FPGAボード
・CPUボード
・WEBカメラ
・バッテリーボード
の以上六つのものが搭載されていた。
詳しくは
4.中段シャーシの解体を参照。


6.3 上段シャーシの相違点


標準機との違いを以下にあげる。
・オリジナルの電源分配ボードとLEDボードが搭載されていた。
・標準機よりも多くの超音波センサの子機が搭載されていた。
・バンパーは素材の変更がされており、前方の仕様が変更されていた。



沼津工業高等専門学校 電子制御工学科