Document No.[ROBO-SPEC-003]

基本設計仕様書


沼津高専電子制御工学科
改訂記録
項番Rev.年月日作成者改訂内容
1初版96/7/31木下 
22版96/11/25土屋エレクトロニクスのブロック構成図の追加
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はじめに

 この基本設計仕様書は、1996年度NHKアイデア対決ロボットコンテストに出場するマシンの基本仕様を規定するものである。


目次
  1. システム概要
  2. 基本機能
  3. 機械・構造部
  4. 電気・電子回路
  5. ソフトウェア

  • システム概要
    本システムは、Mobile Robot Rug Warriorの基板を用いて自律的に行動する小型知能ロボット3台を10kgで実現する。本システムの移動は、PWM制御による2輪独立駆動方式とする。情報収集機能として、赤外線探知機能(赤外線センサ)、車輪の回転数を計測する機能(ロータリーエンコーダ)、接触検知機能(タッチセンサ)を有する。これらから得られた情報をもとに動作をソフトウェアにて実現する。また、すべての事項はRoBoCoN'96競技規定に適合するよう設計されている。
  • 基本機能
    1. 操作方法
      ソフトウェアにより自動制御する。但しマニュアルモードも用意しておき、不意の事態に備える。これらの操作は全てControl Boxより行う。
    2. 駆動方法
      本機1台につき、前後にキャスターが1個ずつ、左右に駆動輪が1個ずつ付く。左右の駆動輪にはそれぞれモータが1個つき、PWM制御により2輪独立駆動する。
    3. 最高走行速度
      (12Vでのモータ性能を販売元に問い合わせが必要なので未完成)
    4. 駆動力
      (12Vでのモータ性能を販売元に問い合わせが必要なので未完成)
    5. 最大積載輪数
      本機1台につき、左右に1個ずつ2輪を積載する。本機は3台製作するので合計6個の輪を積載する。
    6. 最小回転半径
      2輪独立駆動なので最少回転半径は0である。
    7. 消費電力
      基板等で約5w、モータなどで約95w、計100wを目標とする。モータは計6個使うので、1個あたり約16wとなる。
  • 機械・構造部
    1. 基本構造
      GIF形式
      DXF形式
    2. 素材
      GIF形式
      DXF形式
  • 電気・電子回路
    1. 基本回路構成(ブロック図)
    2. 各ブロック概略説明
      本ロボットエレキ部分はRug Warrior制御基板を制御基板として用い、それを中心としてControl Box基板、PWM・ENC基板で各回路を構成する。

      ・Control Box基板
      Control Box基板は、駆動系・制御基板系電源供給回路、マニュアル/オート切替え回路、スタート/ストップ指示回路、シュート指示回路、制御基板リセット回路、駆動系制御信号作成回路によって構成されている。

      ・駆動系・制御基板系電源供給回路 
      本回路は駆動系のために12Vを、制御系のために5Vを供給する回路である。

      ・マニュアル/オート切替え回路
      本回路はロボットの制御を自動制御から手動制御に切り替えるための回路である。

      ・スタート/ストップ指示回路
      本回路はロボットのスタートとストップを指示する回路である。

      ・シュート指示回路
      本回路はロボットに輪をシュートさせる指示を送るための回路である。

      ・制御基板リセット回路
      本回路はロボットで行っているプログラムをリセットするための回路である。

      ・駆動系制御信号作成回路
      本回路はジョイスティックによって駆動系の速度を制御するための回路である。

      ・ PWM・ENC基板
      PWM・ENC基板は、enc分周回路、MOTCNT回路、シュート回路、LED発光回路によって構成されている。

      ・enc分周回路
      本回路はロータリエンコーダからの信号を分周してRug Warrior基板に送る回路である。

      ・MOTCNT回路
      本回路はモータの回転を制御するための回路である。

      ・シュート回路
      本回路はシュートの指示によりソレノイドを制御する回路である。

      ・LED発光回路
      本回路はロボットの行動状態を表示するためのLEDを発光させる回路である。

      構成図
      GIF形式
      DXF形式
      ZWD形式
      概観図
      GIF形式
      DXF形式
      ZWD形式
  • ソフトウェア
    1. 概略ブロック図
      GIF形式
      DXF形式
      ZWD形式
    2. 各ブロック説明
    mode構成
    番号mode名mode内容
    1スタートモードスタート位置から隙間の直前まで移動。途中でタッチセンサの反応があった場合は別ルートを通り目的地まで行く。
    2隙間抜けモード障害物の隙間を抜ける。
    3タッチセンサ回避モードmode2の時にタッチセンサの反応があった場合、一定角度回転してy軸方向に合わせる。
    4パイロン接近モード隙間を抜けてからパイロンに接近するまでの移動。
    5赤外線探索モード 赤外線センサを用いてパイロンを探索する。
    6シュート待機モードShootSW1,2の反応を待つ。
    7シュート1モードShootSW1の反応があった時に、右(左)の輪を切り離し後退し次のパイロンを狙うための移動をする。
    8停止モードmode5で赤外線センサの反応がなかった時、停止する。
    9シュート2モードShootSW2の反応があった時に、左(右)の輪を切り離し後退し次のパイロンを狙うための移動をする。
    10マニュアルモード何かの障害があり自動行動できない時、視覚的に自機を動かすのに用いる。

    スイッチの有効範囲
     リセットSWAuto/ManualSWshoot1SWshoot2SWタッチセンサ赤外線センサ
    mode1  ○   ○  ×  ×   ○   ×
    mode2  ○
       ○  ×  ×   ○   ×
    mode3  ○   ○  ×  ×   ○   ×
    mode4  ○   ○  ×  ×   ×   ×
    mode5  ○   ○  ×  ×   ×   ○
    mode6  ○   ○  ○  ○   ×   ×
    mode7  ○   ○  ×  ×   ×   ×
    mode8  ○   ○  ○  ○   ×   ×
    mode9  ○   ○  ×  ×   ×   ×
    mode10  ○   ○  ○  ○   ×   ×

    mojule構成
    番号mojule名mojule内容
    1初期設定モジュール各部の初期設定をする。
    2行動計画モジュール初期設定が終了したらモジュール3〜7をそれぞれに応じて呼び出す。main関数となる。
    3駆動モジュール[x,y,θ(姿勢角),v(速度)]を引数としてロータリーエンコーダで自機を目的地まで導く。
    4タッチセンサ補正モジュール障害物の隙間を通る時に誤差が生じて障害物に触れた場合、それを補正する動作をする。
    5赤外線探索モジュール角度を設定した赤外線センサを用いて、パイロンを発見し自機がその方向を向く。
    6シュート待機モジュールControl BoxからのShoot SW 1,2の反応を待つ。
    7シュートモジュールControl BoxのShootSWが押される事により輪をパイロンに向かって倒す。そして次のパイロンを狙うための移動をする。
    8自己位置認識モジュールロータリエンコーダのカウント値を読み込み、自己位置[x,y,θ:(姿勢角)]を認識する。

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