l MIRS1604-REPT-0001 解体報告書
名称 MIRS1604 解体報告書
番号 MIRS1604-REPT-0001

版数 最終更新日 文章作成 HTML作成 承認 改訂記事
A01 2016.05.23 小出瑛介 志田来暉 杉山瀬名 中津川智也 堀住恭平 初版
A02 2016.05.25 小出瑛介 志田来暉 杉山瀬名 中津川智也 堀住恭平 解体機体を選んだ理由及び引き継ぐべき点を追記した
A03 2016.05.27 小出瑛介 志田来暉 堀住恭平 鈴木静男 青木悠祐 表のタイトル表記と図のタイトル表記を修正した
参考資料のリンクを追加した

ドキュメント内目次



※略語解説
Field-Programmable Gate Array(FPGA)
Central Processing Unit(CPU)

1.はじめに

本ドキュメントは、平成28年 5月6日に行われたMIRS1504の解体における解体報告書である。
解体機体をMIRS1504を選んだ理由を以下に示す。
参考資料として、MIRS1504ドキュメント管理台帳を示す。

2.目的

MIRS1504を解体することで、標準機作成のための標準部品の過不足を確認する。また、MIRS1504の標準機・標準部品との違いや工夫点を確認し、MIRS1604に引き継ぐべき点、改良すべき点を見極める。


3.全体図

まず、MIRS1504の機体全体図を示す。
Fig. 1、Fig. 2、Fig. 3に正面図、背面図、上面図を示す。
Fig. 1 正面図 Fig. 2 背面図 Fig. 3 正面図
Fig. 1 正面図 Fig. 2 背面図 Fig. 3 上面図

4.解体手順


4.1 上段ボードの取り外し

機体上部から、ドータボード2枚、FPGAボード、CPUボードを取り外した。
これらは、4本の長いねじで4層になって取り付けられており、ねじは中段から上向きに固定されていた。
Fig. 4に上段ボード取り外し後の機体を示す。
Fig. 5、Fig. 6にドータボードを示す。
Fig. 7にFPGAボードを示す。Fig. 8にCPUボードを示す。
Fig. 4 上段ボード取り外し後の機体
Fig. 5 ドータボード1
Fig. 6 ドータボード2
Fig. 4 上段ボード取り外し後の機体 Fig. 5 ドータボード1 Fig. 6 ドータボード2



Fig. 7 FPGAボード
Fig. 8 CPUボード
Fig. 7 FPGAボード Fig. 8 CPUボード

4.2 Webカメラの取り外し

Webカメラを取り外した。
これは機体正面に2本のねじで取り付けられていた。
Fig. 9にWebカメラ取り外し後の機体を示す。
Fig. 10、Fig. 11にWebカメラを示す。
Fig. 9 Webカメラ取り外し後の機体
Fig. 10 Webカメラ
Fig. 11 Webカメラ
Fig. 9 Webカメラ取り外し後の機体 Fig. 10 Webカメラ Fig. 11 Webカメラ

4.3 超音波センサの取り外し

超音波センサを4つ取り外した。
これらは、前方に2つ、右側面に2つ取り付けられていた。
この超音波センサは標準部品ではなく、MIRS1403で新たに購入された部品である。
Fig. 12に超音波センサ、Fig. 13に取り外し後の機体を示す。
Fig. 12 超音波センサ
Fig. 13 超音波センサ取り外し後の機体
Fig. 12 超音波センサ Fig. 13 超音波センサ取り外し後の機体

4.4 バンパの一部取り外し

上段のアクリル板に固定されていた部品の解体をスムーズに行うために、
ピンク色で模様のついている正面バンパを取り外した。
Fig. 14に正面バンパ取り外し後の機体を示す。
Fig. 14 正面バンパ取り外し後の機体
Fig. 14 正面バンパ取り外し後の機体

4.5 電源ボードの取り外し

4つ全ての角がねじで固定されていた。
Fig. 15に電源ボード、Fig. 16に電源ボード取り外し後の機体を示す。
Fig. 15 電源ボード
Fig. 16 電源ボード取り外し後の機体
Fig. 15 電源ボード Fig. 16 電源ボード取り外し後の機体

4.6 上段シャーシの取り外し

上段シャーシと下段シャーシを切り離す為に、超音波センサの固定台、残りのバンパをはじめに取り外した。
バンパは上段から蝶番でぶら下げてあった。その後赤外線センサを7つ取り外し、上段シャーシを取り外した。
Fig. 17に取り外したバンパ6つ、Fig. 18に超音波センサの固定台、Fig. 19に赤外線センサ、Fig. 20に上段シャーシ取り外し後の機体を示す。
Fig. 17 バンパ
Fig. 18 超音波センサの固定台
Fig. 17 バンパ Fig. 18 超音波センサの固定台


Fig. 19 赤外線センサ
Fig. 20 上段シャーシ取り外し後の機体
Fig. 19 赤外線センサ Fig. 20 上段シャーシ取り外し後の機体

4.7 タッチセンサの取り外し

タッチセンサは下段の前方、後方に3つずつ取り付けられていた。
タッチセンサをFig. 21に示す。
Fig. 21 タッチセンサ
Fig. 21 タッチセンサ

4.8 ボールキャスター

ボールキャスターは前、中心、後ろの3箇所に取り付けられていた。
ボールキャスターをFig. 22に示す。
Fig. 22 ボールキャスター
Fig. 22 ボールキャスター

4.9 下段4つのボードの取り外し

前方2つに、モータ制御ボードがついていて、後方右側に超音波センサボード、後方左側に電源分岐ボードが1つずつついていた。
Fig. 23にモータ制御ボード、Fig. 24に電源分岐ボード、Fig. 25に超音波センサボードを示す。
Fig. 23 モータ制御ボード
Fig. 24 電源分岐ボード
Fig. 25 超音波センサボード
Fig. 23 モータ制御ボード Fig. 24 電源分岐ボード Fig. 25 超音波センサボード

4.10 モータの取り外し

走行用モータ2つと、ロータリエンコーダ2つをとりはずした。走行用モータとロータリエンコーダ、タイヤは切り離さなかった。
Fig. 26に走行用モータ、ロータリエンコーダ、タイヤの写真を示す。
以上で解体終了とした。
Fig. 26 走行用モータ、ロータリエンコーダ、タイヤ
Fig. 26 走行用モータ、ロータリエンコーダ、タイヤ

5.全部品図

Fig. 27の(a),(b),(c)にMIRS1504の全部品図を示す。
Fig. 27 全部品図
Fig. 28 全部品図
Fig. 29 全部品図
(a) (b) (c)
Fig. 27 全部品図

6.標準部品一覧

Table 1に標準部品一覧を示す。
Table 1 標準部品一覧
種別 部品名 個数 確認個数 備考
ボード CPUボード 1 1 目視により確認
FPGAボード 1 1 目視により確認
ドータボード 2 2 目視により確認
モータ制御ボード 2 2 目視により確認
超音波センサボード(親) 1 2 ブースに置かれているものを目視により確認
超音波センサボード(子) 1 2 ブースに置かれているものを目視により確認
電源ボード 1 1 目視により確認
メカ部品 シャーシ(上段) 1 1 目視により確認
シャーシ(下段) 1 1 目視により確認
支柱(丸)大 4 4 目視により確認
支柱(丸)小 4 4 目視により確認
USB取り付けパネル 1 1 目視により確認
PS/2 LAN 取り付けパネル 1 0 MIRSMG3G 標準機組立手順書より使用しない
VGA取り付けパネル 1 0 MIRSMG3G 標準機組立手順書より使用しない
バンパ 3 6 目視により確認
モータ・ギア 2 2 目視により確認
ロータリエンコーダ 2 2 目視により確認
タイヤ・ホイール 2 2 ブースに置かれているものを目視により確認
モータ・エンコーダ取り付け金具 2 2 ブースに置かれているものを目視により確認
ボールキャスター 2 3 目視により確認。MIRSMG3G 標準機組立手順書より、MIRSMG3Gでは3個使用
センサ・カメラ タッチセンサ 3 6 目視により確認
Webカメラ 1 1 目視により確認
ケーブル(信号系) 超音波センサ接続ケーブル 1 1 目視により確認
11pinフラットケーブル 2 2 目視により確認
4pinケーブル 3 6 目視により確認
6pinケーブル 2 2 目視により確認
USB引き出しケーブル 1 4 目視により確認
LAN引き出しケーブル 1 1 共有スペースより補充
ディスプレイ引き出しケーブル 1 1 目視により確認
PS/2引き出しケーブル 1 1 共有スペースより補充
DB9引き出しケーブル 1 1 目視により確認
ケーブル(電源系) CPUボード電源ケーブル 1 1 目視により確認
モータ制御ボード接続ケーブル 2 2 目視により確認
バッテリー接続ケーブル 2 2 目視により確認
USB無線LANアダプタ 1 1 目視により確認
無線キーボード、無線マウスUSBアダプタ 1 1 目視により確認
バッテリー充電器 1 2 目視により確認
バッテリー 2 4 目視により確認
コンパクトフラッシュメモリ 1 1 目視により確認

7.変更点

Table 2に変更した部品とその目的を示す。

Table 2 変更部品とその目的
変更箇所 詳細 目的
超音波センサ 標準部品から超音波レンジファインダー#28015に変更されていた MIRS1403システム提案書より、より高性能なものとし、動作を安定させるため
バンパ 3枚から6枚に変更されていた タッチセンサを増やしたため、それに応じて増えた
タッチセンサ 3個から6個に変更されていた。 全方位の壁を検知するために増やした
タイヤ 標準部品から薄いアルミ製のものになっていた MIRS1504 システム提案書より、タイヤが歪んでロータリエンコーダの値がずれるのを防ぐため
電源分岐ボード 電源分岐ボードが搭載されていた MIRS1403 電源分岐ボード詳細設計書より電源ボードと電源供給が必要なボードの入出力端子を対応させるため
後方Webカメラ 後方にwebカメラが搭載されていた 後方に視野を獲得するため
赤外線センサ 8個の赤外線センサが搭載されていた MIRS1504システム提案書より、怪盗機から発せられる赤外線を受信して怪盗機を発見するために取り付けたもの
LEDテープ LEDテープがバンパに搭載されていた 外観を華やかにするため
乾電池 LEDテープに接続されていた LEDテープを光らせるため

8.引き継ぐべき点

Table 3にMIRS1504が工夫し、引き継ぐべき点を示す。

Table 3 引き継ぐべき点
名称 理由
超音波センサ 標準部品よりも高性能であると感じられたから
タイヤ アルミ製で丈夫であり、ロータリエンコーダの値が正確に測れるため
後方Webカメラ 標準機に比べ広い視野を獲得できるため

9.所感

解体機体の問題点として、コード類の配線が絡み合っており、点検効率や安全性の低下が懸念された点、機体周辺に取り付けられていたLEDが簡易的な接続であったため、強度が弱い点を感じた。
解体時の良かった点として、各部品の名称をポストイットで示したことで部品のチェックや整理の効率が上がった点、解体作業内容をリアルタイムでメモすることで解体報告書作成時に解体の流れを正確に確認できた点を感じた。
今後、整備をしていく上でもコードの整理や部品の明確化は重要な要素になると考えられるため、結束バンドでコードをまとめることや各部品の名称を記載することで整備の行いやすい機体を目指していこうと感じた。



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