名称 MIRS1303 標準ボード試験報告書
番号 MIRS1303-RPRT-0002

最終更新:2013.07.12

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A02 2013.07.12 飯塚洸平 江上親宏 電源ボードの目的をはっきり明記
表の項目を的確に変更
改良したプログラムのリンクを追加
A01 2013.07.10 飯塚洸平 初版

目次




1.はじめに


本ドキュメントは、MIRS1303の標準ボード試験結果について記したドキュメントである。



2.試験項目


試験を行った対象、試験項目、担当者、試験終了日を示す。
具体的な試験内容および合格基準は
MIRS1303 標準ボード試験計画書 を参照。
表1:試験項目
試験対象試験項目担当者試験終了日備考
電源ボード
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • 動作試験
飯塚洸平、鈴木悠人 7/9
ドータボード
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • 動作試験
野村允春、鈴木悠人 7/2
モーター制御ボード
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • ロータリーエンコーダ読み取り試験
  • PWM出力試験
  • 実際の走行制御による試験
青島圭汰、高橋一将 7/9
超音波センサボード(親機,子機)
  • 部品配置確認
  • 導通試験
  • 距離計測試験
飯塚洸平、杉山春樹、杉山颯 7/2



3.電源ボード

試験内容および合格基準はMIRS1303 標準ボード試験計画書 3.電源ボードを参照

3.1目的

直流安定化電源もしくはバッテリーを接続した際に、CPUやモーターを動作させた状態で出力電圧が安定することを確認する

3.2部品配置確認

対象のボードと仕様書の実装図、部品表を照らしあわせ、部品がすべて正しく実装されていることを確認した。

3.3導通試験

パターン図(回路図)を図1,2に示す。次のように番号を振る。

図1:電源ボードパターン図

図2:電源ボード回路図

図に青色で示した@はGND、黄色で示したA,C,D,F,IはVccである。

この番号に従って導通確認結果を表2に示す。○が導通、●が非導通を表している。
表2:電源ボード導通確認結果
A B C D E F G H I J
@
A
B
C
D
E
F
G
H
I

2人でチェックした結果、同じ結果が得られた。わかったことを以下にまとめる。
  • AとD、FとHの間の抵抗値はそれぞれ15[Ω]程度であり、導通していたが、3端子レギュレータを挟み、出力電圧を一定にしているだけなので導通していて良い。
  • スイッチを押した場合、AとCとD、FとHとIがそれぞれ導通し、スイッチが正しく動作していることがわかった。
  • @BGはGNDであり、浮きがないこと、VCCとのショートがないことが確認できた。
  • その他つながってはいけない場所は絶縁されていた。
以上より、導通試験を合格とする。

3.4動作試験

結果を表3に記入する。
表3:電源ボードの試験結果
入力電圧 目標電圧 測定電圧
(安定化電源使用時)
負荷をかけた状態での測定値
(安定化電源使用時)
測定電圧
(バッテリー使用時)
負荷をかけた状態での測定値
(バッテリー使用時)
CPU 7.8V 5.0〜5.5V 5.5V 5.2V -V -V
MCB 7.8V 6.0〜6.9V 6.4V 6.3V -V -V



負荷をかけた状態での測定値が合格基準を満たしているため、合格とする。
なお、バッテリー(定格7.8V)が支給された際には、バッテリーを用いて再度試験を行う。

4.ドータボード

試験内容および合格基準はMIRS1303 標準ボード試験計画書 4.ドータボードを参照
図3のように配線して試験を行った。

図3:ドータボード試験の結線

4.1目的

ドータボードが正常に動作することを確認する

4.2部品配置確認

部品がすべて正しく実装されていることを確認した。
しかし、ドータボード回路図実装図を比較した際、RS-FFのGNDピンが接続されていないことが判明したため、ジャンパ線を用いてGNDと接続した。

4.3導通試験

導通試験の結果を表4に記入する。

表4:ドータボード導通確認結果
目視 テスター
一回目 二回目
上段 合格 合格 合格
下段 合格 合格 合格

Vcc端子とGND端子間の絶縁が確認できた。はんだ付けに問題は無く、GNDが浮いている箇所も無かったため、導通試験を合格とする。

4.4動作試験

結果を表5に記入する。
表5:ドータボードの試験結果
I/O[1] I/O[2] I/O[3] I/O[4] I/O[5] I/O[6]
合格 合格 合格 合格 合格 合格
I/O[7] I/O[8] TS[1] TS[2] TS[3] TS[4]
合格 合格 合格 合格 合格 合格



プログラムを実行した際、センサ無接続時に、TS[1]〜TS[4]、I/O[1]〜I/O[8]は0と1を不規則に繰り返していた。これは、センサ未接続時はハイインピーダンス状態になり、0と1どちらの状態でもないためである。その結果、周りの電圧などに影響され不安定な出力となる。センサを接続した場合はセンサの値を正しく読めるため、動作に影響はないものとする。

5.モータ制御ボード

試験内容および合格基準はMIRS1303 標準ボード試験計画書 5.モータ制御ボードを参照
図4のように配線して試験を行った。

図4:モータ制御ボード試験の結線

5.1目的

シリアル通信、ロータリーエンコーダ、PWM制御、実際の走行試験の動作確認

5.2部品配置確認

対象のボードと仕様書の実装図、部品表を照らしあわせ、 今年作成したMTCBは部品がすべて正しく実装されていることを確認した。
前年から引き継いだMTCBは、モーターへの出力ピンがなくなり、コードが直接つけられていた。ピンを取り付ける位置のランドが剥がれたため、新しく穴を開けて取り付けられていた。
変更されていた箇所を図5に示す。
モーターへの出力自体には影響はないため合格とする。

図5:モータ制御ボードの変更点


5.3導通試験

結果を表6,7に記入する。

表6:今年作成したモータ制御ボード導通確認結果
目視 テスター
一回目 二回目
合格 合格 合格

表7:前年作成したモータ制御ボード導通確認結果
目視 テスター
一回目 二回目
合格 合格 合格


導通試験を行った際、いくつかVCCとGNDのショート、GNDの浮きがあった。修正し、絶縁や導通が確認できたため導通試験を合格とする。

5.4動作試験

・ロータリエンコーダ読み取り試験

ロータリエンコーダの回転方向によりLEDが点灯、消灯することが確認できたため合格とする。


・PWM出力試験

出力波形を図6〜9に示す。



図6:正転 duty比50%


図7:正転 duty比75%


図8:反転 duty比50%


図9:反転 duty比75%

正転→逆転→正転→逆転→正転→逆転→停止
という動作を、2セット(duty比50%と75%)繰り返すのが確認できた。
図6より、正転でduty比が50%の波形が正しく出ていることがわかる。
図7より、正転でduty比が75%の波形が正しく出ていることがわかる。
図8より、逆転でduty比が50%の波形が正しく出ていることがわかる。
図9より、逆転でduty比が75%の波形が正しく出ていることがわかる。


実際にモーターを接続した際、モーターが10周回転するのにかかった時間を表8に示す。
表8:モーターのduty比による回転速度の変化
duty比50%の時 duty比75%の時
11.2[s] 9.6[s]

テスト用のプログラムでは回転間隔が短すぎて、モーターが10周しないため、 サンプルプログラムを改良したもの を用いて試験した。20秒の正転をduty比50%と75%について繰り返すプログラムを作成して試験した。
表8より、モーターの回転速度の変化が確認できる。duty比に完全に比例した速度は出ていないが、速度変化が確認できたため良いものとする。

正常な出力波形と速度変化が確認できたため、PWM出力試験を合格とする。



・実際の走行制御による試験

  • モータが5回づつ、正転、逆転を繰り返した。
  • ドータボードのシリアル通信ポートは1,2共に正しく使用できることが確認できた。
  • ロータリエンコーダを用いて回転速度を読み取り、速度制御が出来ていた。ロータリエンコーダを手で適当に回すと、それに応じて回転速度が変化することが確認できた(ゆっくりまわすと回転速度が上がり、速くまわすと回転速度が落ちる)。モーターと輪ゴムでつなぐと、一定の速度を保って回転しようとすることが確認できた。
以上より、動作試験を合格とする。





6.超音波センサボード

試験内容および合格基準はMIRS1303 標準ボード試験計画書 6.超音波センサボードを参照
図10のように配線して試験を行った。

図10: 超音波センサボード試験の結線

6.1目的

正常に距離測定ができることを確認する

6.2部品配置確認

対象のボードと仕様書の実装図、部品表を照らしあわせ、部品がすべて正しく実装されていることを確認した。

6.3導通試験

導通チェックの結果を表9に示す。
表9:超音波センサボード導通確認結果
目視 テスター
一回目 二回目
親機 合格 合格 合格
子機 合格 合格 合格

VCCとGNDのショート、GNDの浮き等は無く、正しい絶縁や導通が確認できたため導通試験を合格とする。

6.4動作試験

測定結果を表10,11,12に記入する。
表10:超音波センサボードの試験結果(親機)
20cm 30cm 40cm 50cm 60cm 80cm 100cm 150cm 200cm
-60° 22 36 45〜55 57 61 90 95〜110 エラー エラー
-30° 22 27 39 48 59 81 110 エラー エラー
20 29 39 48 59 78 97 149 197
30° 21 26 41 48 57 52 110 エラー エラー
60° 21 32 37〜55 52 50〜70 100〜110 110 エラー エラー


表11:超音波センサボードの試験結果(子機)
20cm 30cm 40cm 50cm 60cm 80cm 100cm 150cm 200cm
-60° エラー エラー エラー エラー エラー エラー エラー エラー エラー
-30° エラー 54 73 エラー エラー エラー エラー エラー エラー
20 30 40 49 59 79 98 147 197
30° 20 30 39 48 エラー エラー エラー エラー エラー
60° エラー エラー エラー エラー エラー エラー エラー エラー エラー


表12:超音波センサボードの試験結果(距離)
最短距離(cm) 最長距離(cm)
親機 21 293(300cmの時)
子機 21 295(300cmの時)



角度が0゜の時、20cm〜80cmまでは誤差5%以内、100cm〜200cmまでは誤差10%以内に収まっている。
傾ける角度が大きくなるほど超音波距離測定の精度は落ちていく。60°,-60°のときは、測定するごとに値が大きく変わることも多く、非常に不安定であった。振れ幅が大きく、うまく平均値を求められない場合は"〜"を用いて幅を持たせた測定結果としている。
子機は、親機と比べて角度の変化に対して弱く、すぐにエラーになってしまった。なるべく壁に対して正対して測定するように気をつける必要がある。
プログラムの仕様上、測定距離が20cm以下の時も測定値は20とでる。20cmの時は、正しく測定できているのか、それ以下の距離なのかの判別ができないため、最短距離は21cmとした。
0゜の時は親機も子機もおおよそ300cmまで測定することはできるため、測定可能距離は合格基準を満たしている。
誤差、測定可能距離共に合格基準を満たしているため、動作試験合格とする。




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