名称 MIRS2402 メカニクス開発報告書
番号 MIRS2402-MECH-0002

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2025.2.13 立山悠世 馬場啓士朗  青木悠祐 初版

目次

1.はじめに
2.外観
3.制作物
4.各部の評価及び変更点
4.1.機体下段部
4.2.機体中段部
4.3.機体上段部
4.4.フレーム
4.5.外装
5.工数分析
6.総括
7.メカ詳細設計書へのリンク 8.各開発完了書へのリンク

1.はじめに

本ドキュメントはMIRS2402 KBin_projectのメカニクス開発報告書である。

2.外観

以下にKBin_projectの外観写真を示す。

fig1.KBin 前面

fig2.KBin 後面

fig3.KBin 右面

fig4.KBin 左面
以下にKBin_projectの基本スペックを示す。
table.1 KBin 基本スペック
高さ 最小横幅 最大横幅(外装含む) 重量
1150mm 500mm 800mm 24.55kg

3.制作物

以下にこの機体の制作物の用途、開発状況、個数、設計との差異をまとめた表をtable2として示す。
また設計との差異の評価基準としては以下のように定める。
〇:設計通りに制作できた
△:小さな変更(調整のための加工)
✕:再設計・大きな変更
table.2 制作物
制作物 用途 開発状況 個数 設計との差異の評価
アルミ角材 機体の支柱フレームには強度を考慮して、15×15のアルミ角材を使用、それ以外は10×10のアルミ角材を使用 設計通りに制作できた -
アクリル板 天板やスピーカー固定用板、タブレット固定板に使用 設計通りに制作できた -
外装 チームロゴのキャラクターをイメージしたデザインを外装とした 詳細設計の段階では外装のことは考慮しておらず、フレーム制作後に制作し、機体に取り付けた 1 -
超音波センサマウント センサをフレームに固定するためのマウント 設計通りに制作できた 4個
ケーブル固定パーツ サーボモータのケーブル等をフレームに固定し、動かないようにする 設計通りに制作できた 3個
基盤マウント 制御ボックス内の基盤(モータドライバ等)を制御ボックスに固定するためのマウント 設計通りに制作できた 4個
カメラマウント(画角調整機構) 機体上段部の画角調整機構のカメラマウント 基本的には設計通りに作成できた。穴の大きさが合わない部分があり、けずる加工をした 各パーツ2個ずつ

4.各部の評価及び変更点

以下に各部の写真及び評価を示す。

4.1.機体下段部

以下に機体下段部の写真とその評価を示す。
・走行部

fig5.走行部


・評価
基本的には標準機通りの足回りとなっていて、足回り部分に超音波センサを前後に二個ずつ設置できる設計にした。
また、LiDARの設置場所として、ソフト担当のメンバーの機体の下段部に置きたいという意見やLiDARのコードの長さ
が短いことから制御ボックスの上に設置することになった。固定方法については、マジックテープとなっている。
LiDARは制御ボックスの上でマジックテープでの固定となっているが、外れることはなく安定していた固定となっていた。

・制御ボックス

fig6.制御ボックス


・評価
LiDARやサーボモータ、超音波センサ等のコード・ケーブルが制御ボックス内に入るように制御ボックスにリューターを使って穴を新たにあけた。
制御ボックス内については、配線をきれいにまとめ、配線が切れないようにするためにケーブル固定パーツを採用した。

4.2.機体中段部

以下に機体中段部の写真とその評価を示す。
・ケーブル固定部分

fig7.ケーブル固定部分1

fig8.ケーブル固定部分2
・評価
ケーブルを支柱フレームに取り付ける前は、機体の走行時にケーブルが揺れ動いてしまっていたが、
支柱フレームにケーブルを固定することによって、ケーブルが不安定な状態のままになるのを防ぐことができた。
ケーブルを固定するためのパーツは3Dプリンタでの制作であったが、十分な強度を確保していた。

・スピーカー固定用板

fig9.スピーカー固定用板


・評価
スピーカーを機体中段部において、固定するための板をアクリル板で設計通りに制作した。
スピーカーとアクリル板の固定方法は、マジックテープでの固定となっていて、走行時にもしっかりと固定されていたのが確認できた。

4.3.機体上段部

以下に機体上段部の写真とその評価を示す。
・タブレット固定部

fig10.タブレット固定部


・評価
タブレットを固定するためのパーツとして3Dプリンタで制作したが、必要な強度を確保できていた。
また、走行時にもタブレットは振動することなくしっかりとした固定ができていた。

・画角調整機構

fig11.画角調整機構


・評価
カメラの画角調整機構の部品は3Dプリンタで全て制作した。3Dプリンタで制作した部品ということもあって強度が
全体的に心配であったが、カメラの画角調整機構の単体動作試験では正常に問題なく動作し、繰り返し動かしても
強度に問題がないことが確認できた。詳細設計段階の動作想定としては、パン機構(左右方向の画角調整)のほうが
角度を変えていない状態を0°としたとき±60°、チルト機構(上下方向の画角調整機構)のほうが角度を変えていない状態を
0°としたとき±30°をそれぞれの動作想定範囲として設計をしていた。単体動作試験のほうで、これも確認を行った結果
動作想定の可動範囲がしっかり確保されていたことが確認でき、設計通りに制作できた。

4.4.フレーム

以下に機体のフレームの写真(外装なし)とその評価を示す。

fig12.フレーム



fig13.足回りと支柱フレームの組付け部分


・評価
機体の支柱フレームには強度・剛性を考慮して、15×15のアルミ角材を使用、それ以外のフレームは基本的に10×10のアルミ角材を使用している。
フレーム自体の強度としては、詳細設計の通りのフレーム構成で問題はなかった。ただし、本機体においてカメラ(画角調整機構)の高さが約1m付近
にある必要があったので、(カメラの画角調整機構の動作想定の可動範囲を考慮して検証した結果、約1mの高さが必要であると判断した。)
機体の高さが高い設計となってしまった。その結果、フレーム自体の強度には問題が発生しなかったが、足回りと支柱フレームの組付けの不安定さも
あいまって、(fig12)機体が走行時に振動してしまい、走行安定性がしっかりと実現できていなかったと感じられた。

4.5.外装

以下に機体の外装の写真とその評価を示す。
機体の外装はfig.1、fig2、fig3、fig4のとおりである。
機体の外装には、プラスチック段ボールと布、エステル綿を使用している。

・外装部の固定

fig14.外装部の固定


・評価
外装とフレームとの固定には、マジックテープを使用している。
固定方法がマジックテープであるので、少し外装が外れやすくなってしまっていた。
ただ、簡単に外装が外せるので、機体の内部や制御ボックスのメンテナンス性は良かった。

5.工数分析

以下に基本設計段階におけるメカニクスのガントチャートを示す。
そして、実際の作業スケジュールも示して基本設計段階のガントチャートと比較する。

基本設計段階におけるメカニクスのガントチャート

実際の作業スケジュール

次に、MIRS2402のメカニクス担当者のMIRSにおける作業内容・割合について分析していく。
以下にメカ担当者の各作業割合とメカ全体の作業割合をまとめたグラフを示す。

fig15.立山の作業割合




fig16.西泉の作業割合




fig17.馬場の作業割合



6.総括

メカ全体の役割分担としては、基本設計、詳細設計ともに立山がほぼ一人で行い、センサマウントや基盤マウント、ケーブル固定パーツ等の細かいパーツの設計・制作を馬場が担当し、
機体の外装・装飾については、西泉が主に担当した。フレームなどの加工・3Dプリンタでの部品製作については、3人全員が担当し、工場でのレーザーカットの加工のみ立山が一人で行った。
基本設計、詳細設計の段階で、設計の分担がうまくできずにほぼ立山が一人でやるような形になってしまったので、基本設計段階でのガントチャートに比べて、設計・制作ともに遅れが多少生じてしまった。
これは、設計を主に一人が担当したことにより、設計の概要を完全に把握している人間が1人しかいなかったからであると考えられる。ただ設計の遅れは生じたが、機体の完成時期はほかの班よりは早かったと思われる。
外装に関しては、詳細設計の段階では、大まかなデザインと取り付け方しか考えていなかったが、装飾作業でチームロゴのようにかわいらしいイメージ通りの外装が完成したので良かったと思う。
反省点としては、ミルス発表会当日に見せれる機械的な機能がパン・チルト機構しかなく、具体的な機能・特徴が分かりにくかったのではないかと感じた。そのため、発表会で見せれる機械的な機能をもっと
取り入れたほうが良かったと振り返ってみて思った。(昇降機構といった一目で分かる機械要素を取り入れれば良かった)

7.メカ詳細設計書へのリンク

MIRS2402 メカ詳細設計書

8.各開発完了報告書へのリンク

MIRS2402 開発完了報告書
MIRS2402 エレキ開発完了報告書
MIRS2402 ソフト開発完了報告書


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