はじめに
このドキュメントは，MIRS2003のソフトウエア基本設計書を示したものである。動作分析
・走行エリア，ルートについて以下に，タピ郎の図書館（沼津高専）における走行エリアを示す。
図1 走行エリア
動作概要
タピ郎の動作概要について説明する。＜実行開始まで＞
- 駆動系スイッチ、制御バッテリーの電源を入れる。
- ディスプレイに起動可能表示が出るまで待つ。
- 起動スイッチを押す。
- タピ郎が移動を始める。
＜移動＞
図2 フローチャート
＜停止方法＞
- プログラム作動中に起動スイッチをもう一度押す。
さらにもう一度押すと再び動作を再開する。 - 緊急スイッチを押す。このときに、起動スイッチをソフト側で押したことにして停止状態にしておく。
構造設計
図１にソフトの構成図を示す。
図3 移動・噴射プログラム構成図
図4 人検知プログラム構成図
図5 インターフェース構成図
人検知プログラムから移動・噴射プログラムへターゲットとなる人がいる角度情報を送信する。
移動・噴射プログラムからインターフェースへ移動の状態を送信する。
機能設計
移動・噴射プログラム
移動・噴射プログラムでは、人の検知の有無などによって走行の状態を決定し、それによって各モータを制御する。前面の下段・中段シャーシに1つずつ、機体の高さの半分あたりに2つ、側面の下段シャーシと機体の高さの半分辺りに1つずつ超音波センサを搭載する予定である。
前面のセンサの検知基準を300mm、側面のセンサの検知基準を100mmとしたとき、タピ郎は次のような回避行動を取る。
- 前面にある機体の高さの半分あたりにある2つの超音波センサが反応したとき、値が大きいセンサの方へ旋回する。
- 前面にある下段・中段シャーシが反応したときは、左右はランダムで90度程旋回する。
- 側面のセンサが片側だけ反応したときは、反応していない方へ少し旋回する。
- 側面ののセンサが両側反応したときは、180度旋回して狭い通路から抜ける。
移動・噴射プログラムにおいて新たに実装するモジュールの一覧を示す。
表1 移動・噴射機能
| モジュール名 | 機能 |
|---|---|
| tpylo | 全体的な操作 |
| move | 状態遷移に応じた移動を行う |
| straw | 噴射機能の大元 |
| spray | 噴射機構のモータを回転させる |
| hand | 噴射口付近のセンサで手がかざされたかを確認する |
| arcohol | アルコールの残量を検知する |
人検知プログラム
人検知プログラムでは、Raspberry Piのスペックに依存するが、1秒間に3~10回キャプチャ画像からどこに人がいるかを確認する。人が検出された場合は一番近い人をターゲットとして、ターゲットがタピ郎から見てどの角度にいるかを導出する。
人検知プログラムのモジュール一覧を示す。
表2 人検知機能
| モジュール名 | 機能 |
|---|---|
| human | 全体の操作、tpyloへ通信 |
| capture | カメラでキャプチャする |
| detection | キャプチャ画像から人を検出する |
| target | 検出された人の中からターゲットを指定してタピ郎との角度を導出する |
インターフェース
インターフェースは、ディスプレイ表示と音声からなる。音声はトグルスイッチによってオンオフができるようにする。走行・噴射プログラムから状態を受け取り、それに応じてディスプレイに表示される画像を変更する。人との距離が近くなると音声によっても消毒の催促を行う。
ディスプレイに表示する画像は、以下の4枚であり、それぞれ次の状態で表示される。また、そのイメージ図を図6に示す。
- スタンバイ状態
- 人を検知していない巡回状態
- 人を検知し追い始めた状態
- 人に十分近づいた状態
図6 ディスプレイイメージ図
表3 インターフェース機能
| モジュール名 | 機能 |
|---|---|
| interface | 全体の操作、tpyloから通信を受ける |
| display | ディスプレイに画像を表示する |
| audio | 音声を流す |
各種仕様
・焦電センサ動作仕様焦電センサが手を500msの間検知し続けたら噴射するようにする。
・圧力センサ動作仕様
センサは詳細設計で決定する。ボトルの下に設置し，ピンへの入力電圧で消毒液が減ったことを検知する。