名称 MIRS1903 標準機製作報告書
番号 MIRS1903-REPT-0001

版数 最終更新日 作成者 承認者 改訂記事
A01 2019.06.19 芹澤 正太郎 初版
A02 2019.06.26 芹澤 正太郎・高久 直也 第2版

ドキュメント内目次



1. はじめに

本ドキュメントは,令和元年 5月17日に行われたMIRS1903の統合試験までの作業報告書である.

2.担当者一覧

Table.1 担当者一覧表
担当担当者名
メカ冨金原、馬場
電源ケーブル岩崎、高久
Arduino小池、芹澤
Raspberry Pi高田、長井、村松

3. 製作手順

3.1 Arduino製作手順

MIRSMG4D-SYST-0003 Arduino のセットアップとデバイス接続に従い,ユニバーサル基板実装を行った.
使用したピンをTable.2に示す.
完成した基板の部品面をFig.1,はんだ面をFig.2に示す.


Table.2 使用ピン一覧
ピン番号 接続デバイス IN/OUT 備考
2 左エンコーダ(A層) IN プルアップ,割り込み(CHANGE)
3 右エンコーダ(A層) IN プルアップ,割り込み(CHANGE)
4 左エンコーダ(B層) IN プルアップ
7 右エンコーダ(B層) IN プルアップ
8 左モータ(DIR) OUT
9 右モータ(PWM) OUT PWM
11 左モータ(PWM) OUT PWM
12 左モータ(DIR) OUT
A5(19) バッテリー電圧 IN 抵抗分圧により1/2倍値を入力

Fig.1  Arduino UNO用ユニバーサル基板(部品面)
Fig.1 Arduino UNO用ユニバーサル基板(部品面)

Fig.2  Arduino UNO用ユニバーサル基板(はんだ面)
Fig.2 Arduino UNO用ユニバーサル基板(はんだ面)

3.2 Raspberry Piの製作手順

MIRSMG4D-SYT-0004 Raspberry Pi のセットアップとデバイス接続に従い,ユニバーサル基板に20ピン×2列のピンソケット,信号線,ハウジング,ICソケットの基板実装を行った.
工夫点として,コネクタのGNDにつながる部分は黒く印を付け誰が見てもわかるようにした.
また,完成した基板の部品面をFig.3に,はんだ面をFig.4に示す.


Fig.5 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(部品面)
Fig.3 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(部品面)

Fig.6 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(はんだ面)
Fig.4 Raspberry Pi用ユニバーサル基板(はんだ面)

3.3 駆動系電源ボードの製作

①駆動系スイッチボード
回路図を元に,ユニバーサル基板上に実装した.ユニバーサル基板上に実装した回路図をFig.5に示す.
N.O.のLED付きのスイッチを用いた.(N.O. = Nomaly Open)
基板配線に,抵抗の足の切りくず, 錫メッキ線を用いた.
バッテリーおよびMCB接続の端子は,Fig6のようにターミナルブロック2ピン(縦・小)を用いた.入力側(バッテリ)を緑,出力側(MCB)を青とした.
電圧監視用ポートには Molex 2ピンのハウジングを用いた.
完成した駆動系電源ボードの部品面をFig.6,はんだ面をFig.7に示す.

Fig.6 回路図
Fig.5 回路図

Fig.7 駆動系電源ボード(部品面)
Fig.6 駆動系電源(部品面)

Fig.8 駆動系電源ボード(はんだ面)
Fig.7 電源ボード(はんだ面)


テスターを用いて,はんだ付けを行ったすべての回路系に対して,導通チェックを行い,接続すべき箇所が接続していること,短絡してはいけない箇所が短絡していないことを確認した.


3.4 モータマウント・モータマウントサポート製作手順

MIRSMG4D-MECH-0001 MIRSMG4D標準機メカニクス詳細設計書に従って,3Dプリンタを用いてモータマウントとモータマウントサポートを作製した.
モータマウントのねじ止めにひびが入っていたため新しく作製した.モータマウントを作り直すため,モータマウントサポートも作り直すことにした.
モータマウントとモータマウントサポートの製品についてはMIRSMG4D-MECH-0001 MIRSMG4D標準機メカニクス詳細設計書の中のstlファイルを3Dプリンタに送り作製した.
モータマウントについて作製した製品の写真がないので作製したことをこの文章に示す.
作製したモータマウントの図面をFig.8,モータマウントサポートの図面をFig.9に示す.
モータマウントサポートについて作製した製品の写真は製品の表面をFig.10,製品の裏側をFig.11に示す.

 
Fig10 モーターマウントサポートの表面
Fig.10 モーターマウントサポートの表面

Fig.11 モーターマウントサポートの裏面
Fig.11 モーターマウントサポートの裏面


また,製品の実装図をFig.12に示す.


Fig.12 製品実装図
Fig.12 製品実装図

3.5 制御用バッテリーホルダー製作手順

SolidWorksを使用して制御用バッテリーホルダーを作製した.
制御用バッテリーホルダーについて作製した製品の図面をfig.13に,製品をFig.14に示す.

Fig.13 制御用バッテリーホルダー図面
Fig.13 制御用バッテリーホルダー図面

Fig.14 制御用バッテリーホルダー
Fig.14 制御用バッテリーホルダー


また,製品の実装図をFig.15に示す.


Fig.15 製品実装図
Fig.15 製品実装図

3.6 標準機組み立て手順

標準機の組み立ては,
MIRSMG4D-MECH-0003 MIRSMG4D 標準機組み立て手順書に従い行った.

また,標準機のメカニクスの解説については,
MIRSMG4D-MECH-0001 MIRSMG4D標準機メカニクス解説を参照し,
標準機のメカニクスの詳細設計書については,
MIRSMG4D-MECH-0002 MIRSMG4D 標準機メカニクス詳細設計書を参照した.

使用部品をTable.3に示す.
また,使用したねじをTable.4に示す.
                   
Table.3 使用部品一覧
名称部品コード 個数 材質 備考
上段シャーシ MIRGMG4S_UC 1枚 アクリル板拡張部
中段シャーシ MIRGMG4S_MC 1枚 アクリル板制御部
下段シャーシ MIRGMG4S_LC 1枚 アルミ板 駆動部・標準のものには電源ボード固定穴がないので注意
短支柱 MIRGMG4S_SP 4本 アクリル棒下段・中段接続用
長支柱 MIRGMG4S_LP 4本 アルミ棒下段・上段接続用
タイヤホイール MIRGMG4S_TW 2個 ABS樹脂
モータマウント MIRGMG4S_MM 2個 ABS樹脂 引き継いだものに,ねじで止める部分にひびがあったため新しく作製した.
モータマウントサポート MIRGMG4S_MS 2個 ABS樹脂 モータマウントを作り直すため,モータマウントサポートも作り直すことにした.
制御用バッテリーホルダー MIRGMG4S_CH 4個 ABS樹脂
駆動用バッテリーホルダー MIRGMG4S_DH 4個 ABS樹脂 班の標準機にあうように新しく作製した.
超音波センサマウント MIRGMG4S_UM 2個 ABS樹脂 オプション


Table.4 使用したねじ
名称用途 長さ[mm] 個数 SWの有無ナットの有無
5mmキャップボルト モータマウント固定 12 8
短支柱固定 12 8
長支柱固定 12 8
3mmねじ モータマウント固定 15 8
モータマウント固定 15 8
制御用バッテリーホルダ固定 12 8
超音波センサマウント固定 12 4
3mmねじ Arduino固定 12 4
モータドライバ固定 12 8
電源ボード固定 12 4
2.6mmねじ Raspberry Pi固定 30 4
キャスター固定 10 6
スペーサ Arduino固定 5 4
モータドライバ固定 5 8
電源ボード固定 5 4
Raspberry Pi固定 10 6


作業は手順書に従って行ったが,作業の過不足も補うため,以下①~④に実際の手順を示す.

①ボールキャスター2個をM2.6ネジとナットで固定した.
並行してモータマウントとモーターをM3のネジで固定し,モーターシャフトにタイヤホイールを固定する作業を行った.


②タップ加工
タップ加工は元からされていたため,加工の必要はなかった.

③駆動部の組み立て
タイヤの中に細いタイヤ2本をセットし,タイヤホイールとタイヤを接続した.
モータマウントサポートをモータに通し,モータマウントとモータをM3のネジで固定した.
モータシャフトにタイヤホイールを固定した.

④組み立て
中段シャーシに超音波センサマウント(2個)と制御用バッテリーホルダ(4個)をM3ねじとナットで固定した.
モータマウント,モータマウントサポートを下段シャーシにM5のキャップボルトで固定した.
駆動用バッテリーホルダ(4個)をM3ねじとナットで固定した.
制御用バッテリホルダ(1個)をM3ねじとナットで固定した.
ボールキャスター(2個)をM2.6ねじとナットで固定した.
長支柱と短支柱を下段シャーシにM5キャップボルトで固定した.
中段シャーシと短支柱をM5キャップボルトで固定し,下段シャーシと接合した.

完成した機体をFig.16に示す.


  Fig.16 標準機機体
Fig.16 標準機機体



4. 単体試験結果

4.1 Arduino

Arduinoの単体試験は MIRSMG4D-SYST-0007 Arduino単体での動作試験の内容に沿って行った.
単体機能試験の際に Arduinoの焼損の不具合が発生した.
この不具合改善後は単体試験が正常に行えた.
この試験内容と結果をTable.5に示す.
また,今回の実験では結果を定量的,客観的に見ることができなかったため主観的な実験結果となっている.


Table.5 Arduino単体試験結果
   試験項目       試験内容・評価基準       試験結果   
モーター動作テスト ①Arduinoに左右のモータのPWM値として50を入力し,モーターの回転を目視で確認した.

②Arduinoに入力する左右のモータのPWM値を50から70に変化させた時,モーターの回転速度が増加するか確認した.
また、Arduinoに入力する左右のモータのPWM値を50から30に変化させた時,モーターの回転速度が減少するか確認した.
  このとき,出力値に対するモーターの回転速度についての正確性は考えないものとした.
①良好だった.
モーターは回転した.

②良好だった.
出力値を増やした時モーターの回転速度は増加し,出力値を減らした時モーターの回転速度は減少した.
エンコーダテスト モーターが回転した時,エンコーダが値を返すか確認した. 良好だった.
左右どちらのエンコーダも値を返していた.
速度制御のテスト ①Arduinoにモータ速度25[cm/s]を入力した時モーターが回転し,同時にエンコーダから値が返ってくるか確認する. ②Arduinoに入力する値をモータ速度-25[cm/s]に変化させた時,モーターが①とは逆方向に回転し,エンコーダから返ってくる値が変化するか確認した. ①良好だった.
モーターが回転したと同時にエンコーダから値が返ってきた.

②良好だった.
出力値を増やした時モーターの回転速度は増加し,エンコーダから返ってくる値は増加した.同様に,出力値を減らした時モーターの回転速度は減少し,エンコーダから返ってくる値は減少した.
走行制御のテスト Arduinoに①回転方向,②回転速度25[cm/s],③回転距離[100cm]を入力し,モーターの動作を確認した. すべて良好だった.
①任意に決定した回転方向を入力した結果,モーターは回転した.また,逆回転方向を入力した結果,モーターの回転方向も逆になった.

②任意に決定した回転角度を入力した結果,モーターは回転した.また,回転角度を大きく設定した時,モーターの回転時間が長くなったことから回転角度が増加したことが確認できた.同様に回転角度を小さく設定した時,モーターの回転時間が短くなったことから回転角度が減少したことが確認できた.

③任意に決定した回転速度を入力した結果,モーターは回転した.回転速度を大きく設定した時,モーターの回転速度が速くなったことが目視で確認できた.同様に回転速度を小さくした時,モーターの回転速度が遅くなったことが目視で確認できた.
バッテリー値の確認 Arduinoに接続されたバッテリー値が表示されるか確認した. 良好だった.
バッテリーは十分に充電されていた.そのときのバッテリーの出力が表示された.
シリアル通信のエンコード,デコーダ値の確認 Arduinoから値が返ってくるか確認する. 良好だった.
Arduinoから値が返ってきていることがシリアルモニターによって確認できた.

4.2 Raspberry Pi

Raspberry Piの単体試験は MIRSMG4D-SYST-0008 Raspberry Piでの動作試験の内容に沿って行った.
この試験内容と結果をTable.6に示す.
また,RaspberryもArduinoの単体試験結果と同様に結果を定量的,客観的に見ることができなかったため主観的な実験結果となっている.
ただし,表内における評価は標準機の性能の確認の意味である.り,誤差は今後のMIRS開発における目安となる値である.

      
Table.6 Rspberry Pi単体試験結果
試験内容 判定条件 結果 評価(良好・適・不適) 備考
超音波センサ動作試験 超音波センサで測定した値[cm]と実際の距離[cm]を確認すること 実際の距離とは超音波センサから測った距離プラス10[cm](MIRSの搭載することを考えられているため,超音波センサからMIRSの中心との距離10[cm]なので足されている)であり.測定結果に誤差はなく正しい距離が測定された. 良好
USBカメラ動作試験 カメラが動作し,かつ映像が映ること ディスプレイ上に映像が映った 良好
USBカメラ画像キャプチャ実行試験 画像キャプチャが実行できること 実行の数秒後にUSBカメラが動作しキャプチャが実行された 良好

5. 統合試験結果

標準機統合試験はMIRSMG4D-SYST-0009 標準機統合試験の内容に沿って行った.

直進制御走行で調整したゲインの値をTable.7に示す.
使用したモータのギア比は27である.また,指令値としてスピードは50[cm/s],走行距離を150[cm]に統一してゲイン調整を行った.
Table.7の挙動に書いてある左右のぶれは,タイヤの幅を基準に見ていたため[cm]オーダーとなっている.
今回の試験では結果を定量的,客観的の見ることができなかったため主観的な試験結果となっている.
また,今回の試験ではゲイン調整なので走行距離のぶれは見ないことにした.
ゲイン調整を行った際に一番ぶれることなく直進したPゲイン(40.0),Iゲイン(0.5),Dゲイン(100.0),の時の機体の挙動の様子を以下のMov.1に示す.


Table.7 Pゲイン調整結果
制御方式 Pゲインの値 Iゲインの値 Dゲインの値 挙動
直進制御 10.0 0.0 100.0 直進しながら左に曲がった.
20.0 0.0 100.0 Pゲイン10.0より真っ直ぐ走行したが左に曲がった.
40.0 0.0 100.0 左右にぶれることなく直進した.
40.0 0.0 150.0 直進したが左に少しずつ曲がった.
40.0 0.0 50.0 Dゲイン150.0と同様に左に少しずつ曲がった.
40.0 0.0 30.0 Dゲイン50.0の時より左に大きく曲がった.
40.0 0.0 20.0 Dゲイン30.0の時より左に大きく曲がった.
40.0 0.0 100.0 今までのゲイン調整の中で一番真っ直ぐに動いたため,再度ゲインの値をこの値に戻し動かした.
40.0 0.5 100.0 ゲイン調整の中で左右に振れることがなく一番真っ直ぐに動いた.

Mov.1 標準機機体の挙動

6. 不具合報告

標準機部品作製から統合試験までに起きた不具合を以下に示す.

1. Arduino統合試験における焼損
2. Raspberry PIとシールドによる超音波センサの接続




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