FreeBSD ハンドブック : PC ハードウェアコンパチビリティ : 組合せの見本 : Jordan氏の選んだ組合せ
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10.2.1. Jordan氏の選んだ組合せ

私の作ったワークステーションとサーバの構成はまずまずうまく行っ ています. 私はこれを保証できるわけでもありませんし, ここにあげた組 合せがずっと "best buys"であるわけではありません. 私はできればリス トを更新して行きますがそれがいつになるかはわかりません.

訳注: Jordan K. Hubbard <jkh@FreeBSD.ORG> 氏は FreeBSDプロジェクト FreeBSDコアチームのメンバです.

10.2.1.1. マザーボード

ASUS P55T2P4 はミッドレンジからハイエンドの Pentiumサーバあるいはワークステーショ ンシステムにはよい選択です. 486クラスのマザーボードを探しているなら ASUSの 486SP3G を調べてみることをおすすめします (注: ASUSはこれら を既に製造していないのは明らかなのでこれらのものはだんだん手に入 りにくくなっています).

フォルトトレラントシステムを構築したいのであればパリティメモリを 使い, 真に24時間/週7日間動作させ続けるアプリケーションであれば ECCメモリを使うべきでしょう. ECCメモリはいくらか性能のトレードオ フがあります (それが重要なものであるかそうでないかはあなたのアプ リケーションによりますが). しかし, メモリエラーに対しては明らかに フォルトトレランス性が強化されます.

ハイエンドにおいては FreeBSDでは 200MHzの P6 (Pentium Pro) CPU を使ったIntel/Venus Pro ( VS440FX) マ ザーボードが非常によいようです. 最近の価格の下落 で最近の米国内では P6システムは十分購入の候補に なる程度に価格が下がっています. また, 本格的なサーバ用途には Pentium Pro を考えていいでしょう. 私が個人的に使用しているシステムでは, `make world' にかかる時間が P5/166で3時間40分かかっていたものが, P6/200にアップグレードしたら 1時間22分にまで短くなりました - もちろん正当な比較ではありません が,私にとっては生産性の点で P6/200は明らかな価値があるということ を述べておきます.

注: Intel のマザーボードは従来とは異る形状で, "ATX" ケースデザイン と呼ばれる従来とはまったく異る PCケースが必要になっています. 今あるシステムをアップグレードしようと考えているならこのことを十分 考えましょう - 私のこれまでに知る限りでは, 現在入手可能な ATXケース はすべて 「ミドルタワー (midi-tower)」で, ドライブなどの内蔵周辺機器 を格納するスペースに制限があります. 利点としては, ほとんどの ATXケー スは一般的な PCケースに比較して非常に品質の高いもののようであるとい うことがあります.

VS440FXチップセット (``Natoma''と呼 ばれています) で唯一知られているコンパチビリティの問題は Matrox Meteorビデオキャプチャー (frame-grabber) ボードを使うとシステムが 停止してしまうことです. Matrox は Intel を非難し, Intel は Matrox を非難しています. 私たちにわかることは動かないということだ けです. 私の P6システムで問題が起きたのはこのカードだけであり, こ のカードは古い Triton チップセットベースのマザーボードでは問題な く動いています.

訳注: 実際には他社の frame-grabberボードでも Natoma チップセット のマシンで問題が起きるものがあります. ただし FreeBSDのドライバ があり, FreeBSD上で利用できるものでは Matrox Mentor のみというこ とになります. なお Matrox 社は新製品という形で Natoma に対応する というコメントを出しています.

10.2.1.2. ディスクコントローラ

これはいくらかトリッキーです. 私は ISAから PCIまですべてコンパチブ ルな Buslogic コント ローラを使うようにすすめていましたが, 現在では ISAでは Adaptec 1542CF, EISA では Bt747c, PCIでは Adaptec 2940 をすすめるよう変わってきています.

NCR/Symbios の PCIカードも私のところではうまく動いています, ただ し BIOS-less モデルのボード(SCSI ボード上に ROMらしいものがない 場合は, マザーボード上に SCSIアダプタのための BIOSが必要な ボードである可能性があります 訳注: SC-200など) を使うのであれば マザーボードがそれをサポートしているかどうか注意しなくてはなりま せん.

PCIマシンで2つ以上の SCSIコントローラが必要となるのであれば, PCIバスの不足を防ぐために Adaptec 3940 カードを考えてもいいでしょ う. これは1つのスロットで2台の SCSIコントローラ(と内部バス)を持ち ます.

10.2.1.3. ディスクドライブ

私は,極々特殊な状況を除いて 「それだけのお金をかけることができる なら SCSIは IDEよりもよい」 と言っています. 小規模なデスクトップ構成 のシステムでも, SCSIであればディスクが安くなっていった時にサーバの (古い入れ換えた) ディスクを比較的簡単に移し替えることができます. あ なたが複数のマシンの管理をしているのであれば単純に容量について考え るのではなく, 食物連鎖のように考えましょう.

私は今のところは NFSサーバや NEWSサーバのようにマルチユーザに よる激しいディスク disk I/Oがおこなわれる用途以外ではお金をかけてま で SCSI WIDEドライブにする必要はないと考えています.

10.2.1.4. CDROM ドライブ

私は SCSIの方が好みであるのでもちろん SCSI CDROMを選びました. 東芝 XM-3501B (現 在はキャディレスモデルの XM-5401Bがリリースされています)ドライブは どんな時もうまく動いてくれていますが, 最近はPlextor の PX-12CS ドライブを すっかり気に入っています. これは 12倍速のドライブで, 高性能で信頼 性も高いものです.

一般的には, 大部分の SCSI CDROM ドライブは私の見た限りではほと んどしっかりした構造ですので 多分 HPや NECの SCSI CDROMでも問題が起き ることはないでしょう. SCSI CDROM の価格はここ数ヶ月でかなり下落したよ うで, 技術的に 優れた方法でありながら 現在では IDE CDROMと同じ程度の価 格になって います. もし IDE と SCSI の CDROM ドライブの間で選択す ることができるのなら, 特に IDE を選ぶ理由はないでしょう.

10.2.1.5. CD-R (CD Recordable: WORM) ドライブ

この原稿を書いている時点で, FreeBSDは 3種類の CDRドライブ (私は これらすべては結局は Phillips社のドライブであるのではない かと考えているのですが) をサポートしています : Phillips CDD 522 (Plasmon のドライブと同様の動作をします), PLASMON RF4100, HP 4020i です. 私は HP 4020i を CDROMを焼くのに使っています(2.2-current で 使っています - 2.1.5以前のリリースの SCSIコードでは動きません). 非常に調子よく動いています. 2.2 システムの /usr/share/examples/worm を見てください. ISO9660ファイルシステムイメージ (RockRidge拡張) を作 るスクリプトと それをHP4020i CDR で焼くためのスクリプトの例があり ます.

10.2.1.6. テープドライブ

私はたまたま Exabyte8mm drivesHP4mm (DAT) を持っています.

バックアップのためであれば, より本質的に丈夫な (また, より容量が大きい) Exabyteの 8mmテープの方がおすすめできます.

10.2.1.7. ビデオカード

もし (米国では) 99USドルをかけて商品の XサーバをXi Graphics, Inc. (以前の X Inside, Inc.)から買うことができる なら間違いなく Matrox Milleniumカードをおすすめします. このカードは無償提供されている XFree86 でもサポートされて いますが現時点では依然 XiGの製品に比べるといくらか遅いと言えます. XFree86 3.2Aではいくらか改善されていますが, 一般リリースとしては まだ使えません(訳注: 3.2A は試験的リリースです).

Number 9の S3 Vision 868と 968 ベースのカード (the 9FX series) はわりあいと速く, XFree86の S3サーバで うまくサポートされており, きっと問題も起きないでしょう.

10.2.1.8. モニタ

私の持っている Sony Multiscan 17SE monitors は非常に調子がいいので, 同じ (トリ ニトロン) ブラウン管を使っている Viewsonicをおすすめします. 17"よりも 大きなモニタ, 例えば 21"のモニタが実際に必要だとしたらこの文章の執 筆時点では 2,500USドル以下のものはまったくすすめられません. 20"以上のク ラスでよいモニタは(いくつも)ありますし, 20"クラスで安いモニタもあり ます. うまくいかないことに安くてよいモニタはほとんどありません!

10.2.1.9. ネットワーキング

私は ISAカードでは SMC Ultra 16 コントローラを, PCIベースのカードでは SMC EtherPower と Compex ENET32カードをおすすめできます. この2種類の PCI カードは DECの DC21041イーサネットコントローラチップを使っています. また, このチップを使っている Zynx ZX342 や DEC DE435 などのカードも 一般的にはうまく動くでしょう. 100Mbit/sec のネットワークカードで は SMC SMC9332DST 10/100MB や Intel EtherExpress Pro/100B カードは 利用できるでしょう.

もう一方, できるだけ低コストでそこその性能で動くものを探しているな ら, ほとんどの NE2000のクローンはよい選択です.

10.2.1.10. (特殊な) シリアル

高速のシリアル ネットワーク インタフェース (同期シリアルカード) を探しているのであれば Digi International製の SYNC/570 シリーズのド ライバが今の FreeBSD-currentにあります. Emerging Technologies も 提供 するソフトウェアによりT1/E1の性能が得られるボードを製造しています. もっとも私が直接これらの製品を動かした経験があるわけではありません.

訳注:Emerging TechnologiesのWebページを見るとカードのスペックに Operating Systems: MS-DOS, MS-WINDOWS, System V UNIX, BSD/OS, FreeBSD, NetBSD and Linux と書いてあります. また "BSD/OS, FreeBSD and LINUX Router Card Solutions" というページ もあってサポートは良さそうです.

マルチポートカードの選択の幅はかなり広いですが, FreeBSDがサポー トするいう点では Cycladesの製品が最も信頼できるでしょう. この最大の理由はこ の会社が私たちに十分な評価用ボードとスペックを供給することを約束し てくれているからです. 私は Cyclom-16Y が最高の性能価格比であると聞 いていましたが最近は価格のチェックはしていません.

訳注: cycladesの WWWサーバでも Supported Operating Systemsに Linuxや BSDi, FreeBSD が明記されています.

他のマルチポートカードで評判がよいのは BOCAおよび ASTのカードと Stallion Technologiesで, このカードには ここで非公式なドライバが提供されてい るようです.

10.2.1.11. オーディオ

私は現在,高音質で全二重のオーディオ機能 (2DMAチャネル) を持つという 点から Gravis Ultrasound MAX を使っています. Windows NTや OS/2でのサポートはあま りよくありませんので, FreeBSD, NT, OS/2のすべてで使うには推薦できま せん. そのような場合には クリエィティブ ラボの AWE32 がいいでしょう.

10.2.1.12. ビデオキャプチャー

ビデオキャプチャーについては事実上一つしか選択の余地がありません. Matrox Meteor カードです. FreeBSDはクリエィティブ ラボの古い video spigotカードの サポートはしていますがこれは手に入りにくくなっていますし, Meteor は 高速のPCIインタフェースを持った新しい世代の画像取り込みボードです. このカードは VS440FX チップセットベースのマザーボードでは動かな いことに注意してください. 詳細は マザー ボードの節を参照してください.


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Updated May 23, 1997