Previous | Next | Trail Map | Creating a User Interface | Java UI の概説


AWT のその他のクラス

java.awt パッケージはコンポーネントだけでなく、 描画やイベント処理に関連するさまざまなクラスをもっている。

前のページで説明したように、コンポーネントはコンテナにまとめられる。 前のページでは触れなかったが、それぞれのコンテナはレイアウトマネージャ を使用して、コンテナに含まれているコンポーネントのスクリーン上のサイズと位置 を制御している。java.awt パッケージはいくつかのレイアウトマネージャクラスを 用意している。 レイアウトマネージャについては、コンテナ内にコンポーネントを配置する(in the Creating a User Interface trail) で説 明されている。

java.awt パッケージにはサイズと形状を表すためのいくつかのクラスがある。 たとえば矩形領域のサイズを指定する Dimension クラスもその 1 つである。 別の例としては、コンテナの外枠と表示エリアの間に置くパディングの量を指定する ためによく使用される Insets クラスがある。 Shape クラスには Point、Rectangle、Polygon などがある。

Color クラスはカラーの表現と操作に便利である。 たとえば Color.black など、よく使用されるカラーの定数が定義される 。 RGB (赤-緑-青) 形式でカラーを使用することが多いが、HSB (色合い-彩度-輝度) 形 式も使用できる。

Image クラスでは画像データの表現方式を指定する。 アプレットは Applet の getImage() メソッドを使用して、GIF と JPEG の Image オブジェクトを取り込むことができる。 アプレット以外のものはイメージの取り込みに別のヘルパークラス、Toolkit を使用 する。Toolkit クラスは、プラットフォームに依存する AWT の実装に対し、プラッ トフォームに依存しないインタフェースを提供するものである。 大変そうに聞こえるかもしれないが、ほとんどのプログラムはイメージの取り込み以 外で Toolkit オブジェクトを直接扱うことはない。 イメージは非同期的にロードされるので、画像データのロードが完了していない場合 でも (あるいは存在していない場合でも)、正しい Image オブジェクトを得られるの である。 MediaTracker オブジェクトを使用すれば、ロード中のイメージの状態を把握するこ とができる。 MediaTracker は現在のところイメージでしか機能しないが、将来的にはサウンドな ど他のメディアタイプでも機能できるようにすることを計画している。 イメージを扱う詳細については、イメージ を使用する(in the
Creating a User Interface trail)で説明する。

プログラムが描くテキストの外観を制御するには、Font および FontMetrics オブジ ェクトを使用するとよい。 Font クラスでは、フォントに関する基本的な情報を取り出し、多彩なフォントを表 現するオブジェクトを作成することができる。 FontMetrics オブジェクトでは、特定のフォントのサイズに関する詳細な情報を 取り出すことができる。 コンポーネントの使用フォントを設定するときは、Component および Graphics のsetFont() メソッドを使用する。 フォントの使用法に関する詳細は、テキストを扱う(in the Creating a User Interface
trail)で説明する。

最後に、AWT の描画とイベント処理システムにとってきわめて重要な Graphics およ び Event クラスがある。Graphics オブジェクトは描画コンテキストを表現するもの で、この Graphics オブジェクトなしではどのようなプログラムも画面に描画するこ とはできない。Event オブジェクトはマウスクリックのようなユーザ動作を扱う。 Graphics および Event オブジェクトについては数ページ先で説明する。


Previous | Next | Trail Map | Creating a User Interface | Java UI の概説