沼津高専 電子制御工学科
MIRS9902 開発完了報告書
MIRS9902-DSGN-0008
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2001.2.16 河野 高橋 初版

目次
  1. はじめに
  2. 開発過程
    1. 3年次

    2. 4年次

  3. 試験結果
    1. 標準MIRS規定走行試験
    2. サブシステム試験
    3. システム試験
  4. 作業工数分析
  5. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
    2. エレクトロニクス
    3. ソフトウェア
    4. システム
  6. 既知問題点
  7. まとめ
  1. はじめに これはMIRS9805の開発完了を示し、これまでの作業過程、作業工数を分析したものである。

  2. 開発過程 以下に開発計画と対比させた開発過程を示す。

    1. 3年次

      1. 開発項目開始(計画)終了(計画)開始(作業)終了(作業)
        システム計画書1999/10/281999/11/181999/10/281999/11/25
        調査(MIRSの各部について)1999/11/301999/01/181999/11/302000/01/18
        基本設計2000/01/202000/02/102000/01/202000/02/15
    2. 4年次

      1. 開発項目開始(計画)終了(計画)開始(作業)終了(作業)
        システム計画書改定2000/04/132000/04/302000/04/132000/04/30
        詳細設計書(メカ)2000/05/02 2000/05/30 2000/05/02 2000/06/2
        詳細設計書(エレキ)2000/05/022000/05/302000/05/02 2000/06/7
        詳細設計書(ソフト)2000/05/022000/05/302000/05/02 2000/06/2
        製造(メカ)2000/6/162000/8/312000/06/162000/11/24
        製造(エレキ)2000/6/162000/9/302000/06/162001/01/15
        製造(ソフト)2000/6/162001/02/092000/06/162001/02/09
        改善設計
        改善(メカ)
        2000/11/082000/12/082000/11/082000/12/20
        改善設計
        改善(エレキ)
        2000/11/082000/12/08できなかった.
        改善設計
        改善(ソフト)
        2000/11/102000/12/27逐次改善
        ドキュメント整理(メカ)2001/01/092001/2/162001/01/092001/02/16
        ドキュメント整理(エレキ)2000/01/092001/2/162001/01/152001/02/16
        ドキュメント整理(ソフト)2001/02/012001/2/162001/02/092001/02/16

  3. 試験結果
    1. 標準MIRS規定走行試験

    2. 標準MIRS規定走行試験報告書(MIRS9902-SOFT-0001)参照

    3. サブシステム試験

    4. サブシステム試験報告書(MIRS9902-SOFT-0003)参照

    5. システム試験

    6. システム試験報告書(MIRS9902-SOFT-0005)参照

  4. 作業工数分析
    1. 開発項目工数(h)
      システム計画書120
      調査(MIRSの各部について)126
      基本設計154
      システム計画書改定45
      詳細設計書(メカ)135
      詳細設計書(エレキ)147
      詳細設計書(ソフト)140
      製造(メカ)407
      製造(エレキ)412
      製造(ソフト)576
      改善設計,改善(メカ)45
      改善設計,改善(エレキ)0
      改善設計,改善(ソフト)24
      ドキュメント整理(メカ)72
      ドキュメント整理(エレキ)75
      ドキュメント整理(ソフト)30
  5. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
      問題点原因解決策
      超音波センサが2階シャーシから出る.
      (壁にあったて、壊れてしまうかもしれない)
      設計ミス。1cm大きく設計しなおした。
      側面バンパがそのままでは使えなくなった。タッチセンサで感知してほしい範囲が広がった.側面バンパの端に新しく塩ビ板をつけた.
      ポストのスイッチに前のバンパが引っかかる前のバンパの隙間にスイッチの塩ビ番が挟まってしまったため。MIRS競技会中に起こったためビニールテープをはり、隙間を埋めるようにした.

    2. エレクトロニクス
      問題点原因解決策
      PWM回路,MPCボードのTMP試験において、Duty比を入力しても,モーターが回転しない。 ロジックアナライザーで波形を調べたところ,IC4の17番ピンの波形が不安定であった。回路をもう一度調べなおしてみると,回路図ではIC4の17番ピンはGNDと繋がっていたが,パターン図では繋がっていなかった。 GNDと17番ピンをはんだ付けし直た。
      タッチセンサ回路,TSボードのTMP試験のタッチセンサ信号読み込み試験において、信号が始めからすべて”ON"であった。 タッチセンサの配線が,データのところからすでに間違えていた。データでは, 1.ON信号 2.GND 3.OFF信号 となっていたが,実際には1.ON信号 2.OFF信号 3.GND であった。 正しくはんだ付けし直した。
      サブシステム試験プログラムによる試験において、超音波センサ回路,超音波センサ周辺回路,超音波センサの試験を行ったところ、"5"番の超音波センサの反応が無かった。 ロジックアナライザーで波形を調べたところ, IOSubボードから超音波周辺回路への送信信号は正常に出ており,また4つの超音波センサは正常に動作していたので, "5"番の超音波センサ部が原因であるだろうと思われた。 "5"番の超音波センサ部の発振部分,受振部分のはんだ付けをし直した。
      電源ボードから5Vの電圧が供給されていなかった。 安定化電源のケーブルの接続を逆にしてしまったために、STR9005が壊れていた。 STR9005を過去に使用されていたものと取り替えた。
      ハードウェアエラーが頻繁に発生した。 電源ボード−VMEラック間のケーブルが細すぎたため、電圧,電流が正常に供給されなかった。 電源ボード−VMEラック間のケーブルを太いものへ取り替えた。
      電源ボードから5Vの電圧が供給されなくなった。 MIRSを長時間稼動させつづけたため,電源ボードのSTR9005が焼ききれてしまった。使用電流量を正確に測ってみたが,3.4A程度であり、問題は無かった。 過去からの流用品であり、すでに疲労していたため焼ききれたのだと思われたが、 詳しい原因は調べられなかった。 STR9005を過去に使用されていたものと取り替えた。原因がわからなかったため,長時間の稼動を控えた。
      ケーブルの調子が悪かった。 コネクタの抜き差しにより、コネクタの接合部分が金属疲労により切れてしまう。 コネクタを切り落とし、再利用出来るものは使い、出来ないものは、新しいものに交換する。
      超音波周辺回路のICの一つが,異常に発熱した。 ICはNOT回路であり、入力と出力を共にGNDに落としていたのが原因であった。 出力とGNDを切り離した。
      "3"番の超音波センサの反応が無かった。 ロジックアナライザーで波形を調べたところ, IOSubボードから超音波周辺回路への送信信号は正常に出ており,また4つの超音波センサは正常に動作していたので, "5"番の超音波センサ部が原因であるだろうと思われた。 "3"番の超音波センサ部の発振部分,受振部分のはんだ付けをし直したがうまくいかず、さらに直す時間がなかったので使用しないようにした.

    3. ソフトウェア
      バグ記録:
      問題点原因解決策
      コンパイルエラー
      ソースの書き間違い。間違ったところを見つけ、直した.
      link68kでSection Overrapとエラーが出る.配置するデータ量がメモリのSectionの長さより長くなってしまった.mirx.cmdのMemory Sectionをデータがしっかり配置できるように調整した.
      Over 16-bit at ...とエラーが表示される.monent.sの中に余計な文字((PC))が入っていた。余計な文字を取り除いた。
      超音波センサのデータが間違ったBBに入る。BBへの書きこむ場所が悪かった。ちゃんと書きこまれるようにした。
      超音波センサのデータが間違っている。補正地を入れなければならなかった。補正地を入れた。
      うまく座標のデータが出ない。タイヤの直径などの座標を出すためのデータがいい値ではない。何度も試してうまく座標が出るよう調整した。
      試していた動きと違うスピードで動く。試したときとのタスクの量(タイマタスクの量)の違いタスクを削り、タイマタスクがうまく処理されていくようにした。
      うまくルートに復帰できない。ポストの発見方法によってルートの復帰方法が変わる。ルートの復帰方法を変えた。
      無駄なルートを通る。与えられたルートが悪い。ルートのショートカットを入れた。
      ポストを2回転以上回り続ける。ソースの終了条件がまずかった。2回転で止まるようにソースを工夫した。
      ポスト回転がうまく行かない。左右のタイヤの目標値がまずかった。又ポスト中心を取っていない。ポスト中心を取り、うまく回転する値を何度も試して見つけた。またポストにぶつかってもうまく回転できるようにソースを書き換えた。
      獲得終了後、止まってしまう。獲得タスクが終了しなかった。獲得タスクのソースを直し、次のタスクに移るようにした。
      獲得終了後、変な動きをする。獲得タスクがちゃんと終了せず、他のタスクと同時に動いた。このためPWMに犯した信号が送られた。ちゃんとタスクのタイマを止めた。
      障害物判別のプロセスがうまく行かない。ソースの書き間違いちゃんと次のプロセ図へいくようにした。
      行動計画タスクが大きくなる。行動計画タスクでのタッチセンサの反応による処理分岐。行動計画タスクでのタッチセンサの反応による処理分岐を各タスクに移した。

      バグ曲線
  6. システム
  • 既知問題点
  • まとめ
      当初の目的としてあった誤差を吸収する設計を目指した設計ができたと思う。しかし、それ意外に関しては反省点が多い。
      反省点として,全体的なスケジュールなどがちゃんと立てれず、作業の進行が遅くなってしまった。このため、最後のソフトの製作が最初,考えていたほど進まなかった。 また、メカ,エレキ,ソフトがばらばらになってしまっていたこと、ドキュメントの製作が後手にまわっていたこともあげられる。またソフトでは個人でプログラムの作り方が変わってしまったりしていたため,後で統合するまでに時間がかかったこともある。
      成功より失敗が多い結果になってしまったがこれをばねにしていきたいと思う。 またこの報告をもってMIRS9902の開発における全過程が終了したことを報告する。

    関連文書