
| 名称 | MIRS2604 PoC構想(作業員の検知追従) |
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| 番号 | MIRS2604-DSGN-0002 |
| 版数 | 最終更新日 | 作成 | 承認 | 改訂記事 |
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| A02 | 2026/08/06 | 瀬口康介 | 初版 |
課題全体の詳細な説明はPoC構想(全体)のページ(ページ下部にリンクあり)を参照していただきたい.
今回のロボットのコンセプトは,人と共同で清掃活動を行い,ごみを輸送する機能を持つロボットである.
広大な御用邸内において,ごみ袋を運搬しながらの長距離移動は,慢性的な人手不足が目立つ管理スタッフにとって
大きい身体的負荷となっている.
そのごみの運搬,およびごみの収集の一部を,ロボットが担うことで,その負担をすこしでも軽減することが可能となるであろう.
それを実現する要素・機能の一部として,人間に追従するという機能を提案した.
日光や樹木といった過酷な環境状況においても動作するよう,搭載するセンサーには,RPLiDAR S1と,Webカメラを搭載.
また,そのツールを統合的に扱うことができるソフトウェアとして,ROS2を採用した.
人間を検知する方法として,
下の映像および画像は,LiDARを用いて人間の足を認識し,その方向に追従する機能を検証した際の挙動である.
また,シミュレーションの様子を次に写す.
そして,この状態でのセンサーの反応を,Rvizというツールを使って可視化した.その図を下に示す.
この図において,赤い円は,システムが「これは人間である」という特徴を持つと判断したものである. 実際には,LiDARが,「円柱状のものが2本並んでいる」ことを,「人間が立っている」 とみなしている. ただ,図3からもわかる通り,このようにして計測すると, 計測半径内に同様の形状の物体(観光客,あるいは木なども検出される可能性がある)がいる際, 人間が二人いる,という状態となってしまい,どちらの対象に従うかで混乱が発生する可能性が見られた. また,頻繁に丸が消失する,つまりは見失っている状況から, 最初に見た人間に追従する,ということ自体も非常に難易度が高い. そのため,LiDARは障害物としての人体などの検知には向く一方, 作業員を特定しなければならない今回の用途において誤検知を生むリスクがあり, 他の方法を検討する必要があった.
そこで,候補として挙げられたのは,「ArUcoマーカー」を用いた計測である.
ArUcoマーカーとは図4に挙げたようなシンプルな白黒パターンである. QRコード同様この内部に情報を埋め込むことができ,QRコードよりも情報量が少ないぶん, 高速な検出ができ,屋外でも安定して使用することができる. このArUcoマーカーを,紙やシャツなどに印刷し,作業者の 体の一部に貼り付け(Tシャツならば着用し),それをロボットに追わせると同時に,LiDARで人間であることの検知を 併用して考えるというアイデアが練られた.実験としては,ArUcoマーカーを印刷した紙を手に持つ,または背中に貼り付け, それをロボットに見させる,といったものであった. その実験時に得られたデータを次に示す.
上記2つの図において,赤い円はLiDAR単体で検出されたものであり, 緑の円は,その上でArUcoマーカーが確認された対象であることを示している. 5.1時と比べ,単一の人間以外には反応しなくなっており,精度自体は向上している. しかし,その反面条件がかなり厳しくなってしまい,ArUcoマーカーもLiDARも,「見失う」 というリスクを抱えているうえ,この2つの反応が一致しないとロボットが進まないということでもあり, 結果,走行時にはロボットがうまく進まない,という事象が発生した. また,当初は5mほどで人間を認識し走行,ということを考えていたが, センサーが反応をする範囲が,3m前後であったという結果も得られた.
5.2の実験を通じて,人間単体を認識して追従させる,ということに関しては, ArUcoマーカーのみで行うことができるという理論に達し,
の状態で検証をした.その上で,LiDARは,障害物の検知と緊急停止, という目的でのみ使用することを検討した. ArUcoマーカーのみを用いた走行の様子を示す.
結果,ArUcoマーカーを持った状態で,2.5mほどの距離を維持した際に,ロボットがそれを認知して走行することができた. また,この際に,他の人間が周囲にいる状況だったが,ArUcoマーカーを持った人間のみを検知して走行させることができた.
PoCとして,「ロボットで特定人間を追従する」ことには成功した. しかしその一方で,今回は,ほとんどが室内における実験であったことから,
の影響を考慮していない.そのため,後期におけるMVP,実装の際には,この機能が, 上記の条件下でも安定するための開発を続けたいと考えている. また,5.3実験ではLiDARを用いていないため,LiDARを用いて止まる,ということを 組み合わせる必要がある.