| 名称 | MIRS2602 走行系PoC検証 |
|---|---|
| 番号 | MIRS2602-TEST-0001 |
| 版数 | 最終更新日 | 作成 | 承認 | 改訂記事 |
|---|---|---|---|---|
| A01 | 2026.08.18 | 森 匠未 | 初版 |
MIRS2602-DSGN-0001(企画・基本設計)で立てたPoC計画のうち、走行系(追従走行)に関する仮説・KPIが実機で成立するかを検証する。本資料は、第1回追従走行試験(2026年8月17日実施)の結果を、走行系PoCの検証結果としてまとめたものである。
MIRS2602-DSGN-0001「3.5 成功基準(KPI)」のうち、走行系に該当する項目を対象とする。
| 実施日 | 2026年8月17日 |
|---|---|
| コース | 3階を1周(約170m) |
| 実施体制 | 1名でロボットの起動・追従開始・見守りを兼務 |
| 追従速度 | 既定値 v_max=0.3m/s に対し、WebUIのライブパラメータ変更で当日のみ約1m/sまで引き上げて走行(この約1m/sが標準機の実質的な最高速度) |
所要時間は10分50秒であった。走行中に発生したイベントは次の通り。
| イベント | 回数 | 備考 |
|---|---|---|
| 緊急停止 | 5 | すべて壁への衝突が原因 |
| 対象見失いによる再選択 | 12 | |
| 追従対象の乗り移りによる再選択 | 1 | |
| ESP32ロスト | 1 | ESP32との接続断 |
| 手動操作による復帰 | 5 | 上記イベントからの復帰手段として使用 |
| KPI | 結果 | 根拠 |
|---|---|---|
| 標準機が直線を走行し、人の前に停止する | 部分達成 | 約170mの1周を追従走行で完走できたが、途中で緊急停止(壁への衝突)5回が発生し、直線区間でも左右に約1mほど振れて(蛇行して)走行しており、安定して直線を走行し続けられる状態ではない |
| LiDARで足を認識できる | 部分達成 | 試験を通じて追従自体は継続できたが、対象見失いによる再選択が12回、対象の乗り移りによる再選択が1回発生しており、認識の頑健性には課題が残る |
| esp32と通信できる | 課題あり | 走行中の通信自体は継続したが、ESP32ロスト(接続断)が1回発生した |
ESP32が走行系の通信をすべて担っている構成による遅延が、緊急停止・見失いの一因になっている可能性がある。また、Wi-Fi不調時には「駆動系の通信に異常」(ESP32接続タイムアウト)が繰り返し発生することが分かっており、今回使用した追従速度帯(最大1m/s付近)は既定値(0.3m/s)から引き上げた状態でのパラメータ調整がまだ十分ではない。
以上から、毎回の移動を追従走行に頼るのは運用上の手間が大きく、根本的な改善が必要と考えられる。今後は追従走行自体の改善を継続しつつ、教示再生走行(記録済み経路を単独でなぞる方式)による代替手段の確立も並行して目指す方針である。
また、標準機の速度的な限界への対策の選択肢として、ソミック(SOMIC)の自律走行ロボット「サポット(SUPPOT)」のような既製の自律走行ロボットプラットフォームの導入も視野に入れている。サポットは4輪駆動・タイヤ式で不整地や傾斜(実用登坂角度20度)に強く、作業者への追従走行にも対応しており、最高速度は改良モデルで約6km/hに達する。標準機の現状の最高速度(約1m/s≒3.6km/h)を上回るため、速度面のボトルネック解消策の一つとして比較検討していく。