名称 MIRS2404 メカトロニクス開発完了報告書
番号 MIRS2404-MECH-0011

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2024.02.14 北川 雄太 初版
A02 2024.02.14 北川 雄太 青木 悠祐 開発完了報告→開発報告、重量・寸法の追記、ポンプの流量の追記、カップディスペンサーの仕様の追記

目次

1.初めに

本ドキュメントはMIRS2404のメカニクス開発報告書である。

2.外観図

次のfig.1に外観図をしめす。
俯瞰図

fig.1 俯瞰図
内部構造

fig.2 内部構造
<評価>
<寸法>
高さ:1100㎜、幅:600mm 、奥行き:610mm
<重量>
26kg(水無し)、36kg(水の最大積載時)

3.1.カップディスペンサー

カップディスペンサー

fig.3 カップディスペンサー
<変更点>
設計当初は紙コップを支える筒をプラ段ボールで作る予定だったが、素材をクリアファイルに変更した結果、見栄えの改善に成功した。
最初に作ったディスペンサーは動作が緩く、紙コップが簡単に落ちすぎてしまったので、3Dプリンターで印刷しなおした。紙コップが多少出にくくなったが、走行するロボットに付いているので、勝手に落ちないほうが良いと思った。

<評価>
ディスペンサーの改良時に紙コップにフィットしすぎるようになってしまい、ボタンの動作が固くなってしまった。
紙コップを一つずつ出すという動作はできた。
紙コップは30個ほど積んでも問題なく動作した。

3.2.ポンプ

蠕動ポンプ

fig.4 蠕動ポンプ
<評価>
試験の結果、水の逆流はなく、1m近く水を持ち上げられることが分かった。
水の流量:7.77ml/s(今回のプログラムでの定格)

3.3.フレーム

フレーム

fig.5 フレーム
フレーム2

fig.6 フレーム2
<評価>
fig.5のようにシンプルかつ強度のある設計になっているが、LiDARを車体中央に置きたいという要望を聞いた結果車体が大型になった。 そのため、重心が高くなり、多少の走行安定性が犠牲になっている。
しかし、その中でもできるだけ重心を低くするように設計した。 最小限のパーツの取り外しでメンテナンスができることに重きを置いて設計した。
fig.6のようにプレートを外すだけでタンクを取り出せるようになっている。

3.4.タンク

ミニタンク

fig.7 ミニタンク
メインタンク

fig.8 メインタンク
ミニタンクの錆

fig.9 ミニタンクの錆
ミニタンクのバルク

fig.10 ミニタンクのバルク
<変更点>
fig.10のように金属の缶に穴を空けてバルクを取り付けているのだが、バルクが14.5㎜だったのに14㎜のドリルが部屋になく、仕方なく15㎜で穴を開けた。
しかし、どんなに低速で穴を開けてもバリが出てしまうので、バルクを壁面に密着させるためにやすりでバリを削り取った結果、穴が大きくなりすぎてしまった。
水がどうしても漏れてしまい、危機的状況であった。
防水テープをリング状に切り、二重に重ねてパッキンを作ることで水漏れを止めることができた。
折角の缶を無駄にしたかと思い、必死で治した。
fig.8のメインタンクは注ぎ口から無加工でホースを出すことができ、買っていたバルクを使わなかったが、簡単かつメンテナンスも簡単になるので、うれしい誤算であった。
<評価>
fig.7のミニタンクは水の冷却のために、ペルチェ素子の熱を伝えやすい金属製の缶を使った。
メインタンクから吸い上げた水を重力によって紙コップに注ぐ役割があり、その結果重量物である水を上のほうに置く量を抑えることができ、低重心化にも貢献している。
fig.9のように、ミニタンクの内部が錆てしまい、飲料水として提供することはできなかった。
製品化する際は、高品質のステンレスのタンクを使うか、そもそも金属タンクを使わない構造を考えるべきだと思う。

3.5.冷却機構

冷却機構

fig.11 冷却機構
<評価>
定量的に冷却能力を測ったわけではないが、タンクの内側に結露ができる程度には冷やすことができた。 タンク、ペルチェ素子、ヒートシンク、ファンを間にものを挟まずに密着させるのは難しかったが、うまく作ることができた。

3.6.天板・固定用板

天板・固定用板

fig.12 天板・固定用板
<評価>
これらのパーツは外装とは違い、ものを支えるための強度を確保するためにアクリルをレーザーで加工したのだが、必要な強度を確保することができた。
実際の実装時の写真は、fig.5を参照。

3.7.固定用パーツ

固定用パーツ

fig.13 固定用パーツ
<変更点>
②のパーツは、青木先生に角が鋭利なのでケガの心配があると指摘されたため制作した。
⑦のチューブを支えるパーツは加藤が改良をし、シンプルかつチューブを支えられる構造にした。
<評価>
すべてのパーツが問題なく機能していた。
③のパーツは機体が倒れた時に少し割れてしまったので、強度に不十分な可能性がある。
④のパーツでアクリル板を支えることでシンプルな構造でアルミ角パイプとアクリルを接続できた。

3.8.コック

コック

fig.14 コック

<評価>
コックを閉じることで、水がまったく落ちないようにチューブを密閉できていたので、機能に問題はない。
サーボとの取り付けが少し難しいが、許容範囲であった。

3.9.外装

外装

fig.15 外装

<変更点>
もともとこれはすべてアクリルで作る予定だったが、重量、予算、強度、見た目(透けいているため内部が見えすぎてしまう等)など様々な理由から、プラ段ボールになった。
<評価>
プラ段ボールを精密にカットし、マジックテープで固定することで、見た目と軽量性と強度とメンテナンス性を共存できたと考えられる。
エレキ班やソフト班のメンバーでも簡単に外装を剥がせていたので、今回のMIRSにおいては良い外装だったと考えられる。
社会実装時に悪意ある人間にも簡単に分解できていしまうことは問題点である。

4.工数分析

作業量(北川)

fig.16 作業量(北川)
作業量(加藤)

fig.17 作業量(加藤)
作業量(メカ)

fig.18 作業量(メカ)
<考察>
北川はメカ製造・試験の割合が多く、加藤はメカ詳細設計の割合が多く、二人を合計すると大体同じ割合になる。
社会実装実験については、メカの人数はいらないがすぐに直せる人が必要ということで、北川が主に参加した。
加藤に設計を丸投げしすぎたと反省している。
空いた時間にコツコツ組み立てたので、ここまで製造に時間がかかっていたことに驚いた。
二人の作業量に差が出たことは分担の結果であり、得意な分野をお互いが担当したといえるので、問題ないと考えられる。

5.総括

<北川>
テーマに魅力を感じられず、少しモチベーション作りに苦労した。
紙コップホルダやフレームという難易度の低い設計を主に担当したので、挑戦している感じがしなかったのが反省点である。
ここに記してはいないが、ポスター作成などで班に貢献できたと思うのでよかった。
<加藤>
コンセプトの段階で機能を限定したことが早期の製造につながったと考えられる。コストとの兼ね合いを考えた結果、3Dプリンタや、アクリル板を多用することになった。単純な構造、パーツにしたので消耗品として考えれば、取り換えが容易な形になったと思う。役割を分担したことで設計に時間を多く使うことになり、一定の段階で製造(試作)と設計を並行して行うことで改良、改善が容易になり、機体の性能の向上につながったと思う。

6.設計書へのリンク

MIRS2404 メカトロにクス詳細設計書(全体)

7.各報告書へのリンク

MIRS2404 ソフトウェア詳細設計書
MIRS2404 エレクトロニクス詳細設計書


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