名称 | メカニクス開発報告書 |
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番号 | MIRS2304-MECH-0007 |
版数 | 最終更新日 | 作成 | 承認 | 改訂記事 |
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A01 | 2024.1.26 | 遠藤泰介 | 初版 | |
A02 | 2024.2.16 | 遠藤泰介 | 青木 | 第2版 「3.1 最上部」に文章を追加 「3.2 上部機構」に文章を追加 「3.3 下部機構」に文章を追加 「3.4 最下部」に文章を追加 「3.4 外装」に文章を追加 「4. 工数分析」を追加 |
本ドキュメントはmirs2304メカニクス開発報告書である。
以下にPETBOTの外観図を示す。
図1.全体図1
図2.全体図2
外観がペットボトルに見えるような外装を作成した。
また、外装取り付け後にラベル、バーコードも取り付けた。
以下にPETBOTの主なスペックを示す。
<サイズ>
直径:405mm(外装あり)
400mm(外装なし)
高さ:1340mm(外装あり)
880mm(外装なし)
<重さ>
11.8kg
・サイズと重さについての評価
<サイズ>
直径については、MIRS標準機に大きさを合わせたため、一般的なゴミ箱と比較すると収容量が少なくなってしまったと思われる。
高さについては、外装によって想定以上に高さが出てしまった。しかし、ボトル・キャップの投入部分の高さは実際のゴミ箱の平均的な高さに設定できたため、高専生にとって使いやすい高さであったと思える。
<重さ>
想定内の重さとなったが、自律走行への影響等を考慮すると、ゴミ箱の材質をアクリル板ではなくMDFなどのより軽量なものにするべきであったと言える。
図3.PETBOT最上部
<変更点>
キャップ検知に使う超音波センサ設置のための3Dプリンターパーツを取り付ける予定だったが、それをなくした。
<評価>
ロボットアーム以外の部品を極力なくし、ボトル・キャップを入れやすくするとともに清潔感を保つことを意識した。
超音波センサ設置の3Dプリンターパーツをなくしたことによって、かなりスペースを開けることができたと思える。
トップボードの表面は厚紙で覆ったが、時間も足りず少し雑になってしまった。
また、ボトル・キャップを投入する穴がどちらとも少し小さく、600mlペットボトルが入りづらかったり、一度投入したキャップを取り出しづらかったりしたため、これらの直径をもう少し大きく設計する必要があった。
<ボトル・キャップ投入口の定量評価>
・ボトル投入口:75mm
・600mlペットボトルの直径:約72mm
差が3mmしかなかったため、600mlボトルの場合は穴にそのままはまってしまい、落ちなかった。
直径が約65mmの500mlボトルは問題なく投入できたため、600mlボトルをスムーズに投入するためには投入口を82mm程度設けるべきであったと思える。
・キャップ投入口:35mm
・キャップの直径:28mm
差が7mm程度で、投入には問題がなかったが取り出すときに指が入らず、キャップを表向きに投入した場合取り出すことが困難になってしまった。
キャップの直径からさらに両指が入る大きさが理想なので、投入口を48mm程度設けるべきであったと思える。
図4.上部機構全体
図5.投入機構1(ボトルホルダー、投入防止板)
図6.投入機構2(キャップホルダー、投入防止板)
S図7.緊急停止スイッチ
図8.エレベーター操作スイッチ
<変更点>
投入防止板がボトルやキャップの重量によって傾いてしまうことが分かったため、投入防止板を支えるパーツを3Dプリンターで作成した。
<評価>
投入機構が製作において一番重要な部分で、しっかり機能させることができた。
ボトルとキャップのホルダーはプラスチック段ボールで作成したが、固定がテープになってしまったため見た目や耐久性が少し悪かったと思える。
また、緊急停止スイッチとロボットアーム操作用のスイッチをアンダーボードに取り付けた。固定には時間の関係でプラスチック段ボールと強力テープを使用したが、事前から計画しておけば3Dプリンターで固定器具を作成することができたため、そこは失敗だった。
図9.下部機構全体
図10.ボトル用ゴミ袋取り付けフック
図11.キャップ用ゴミ袋取り付けフック
<変更点>
キャップ用ゴミ袋設置のために手作りのフックを取り付けた。
<評価>
すべてのパーツを詳細設計通りに作成することができた。
下部機構は全体的に安定感と耐久性を出せたと思える。
ゴミ箱底面の板と上段シャーシを固定する際に1~2mm程度の穴のズレがあったが、卓上ボール盤で調整することで解決した。
フレームに3mmのタップ加工をするときに、油の入れ忘れでタップが折れてしまったので、それが反省点である。
また、製造中にエレキからのリクエストに応じて何度か上段シャーシに穴を開けた。
ボトル用のゴミ袋の設置用に市販のS字フックを用いたが、少し取り付けづらかったので、もう少し取り付けやすい機構を作成すべきだったと思える。
キャップ用のゴミ袋の設置はぎりぎりになって考えることになってしまい、耐久性が弱くなってしまった。
図12.最下部
上段・中段・下段シャーシを詳細設計通りに加工することができた。
図13.外装1
図14.外装2
図15.開閉機構
<評価>
最初に想定した通りにうまく作ることができた。
全体的にチャーミングできれいな外装になったと思える。
カッターやハサミを用いて作成したが、本体の円周との誤差はほとんどなくきれいにはめることができた。
ゴミ取り出しのための開閉部分には、マジックテープを用いて理想通りの機構にすることができた。
反省点は、テープで固定した部分が大きかったため、アクシデントが起きたときにメンテナンスを加えるのが大変になってしまった点である。
<外装の定量評価>
外装を本体とテープで固定した(匂い防止・外観のきれいさを重視した)ため、メンテナンスを加える際は開閉機構の部分から手を伸ばさないといけなかった。
また、外装全体を外すのはかなり大変で、時間がかかってしまった。
・外装を外してもう一度取り付けるのにかかる時間:約5分
するべきであった対策
・標準機の上段シャーシとアンダーボードにマジックテープを付けて固定する。
・外装の素材をプラスチック段ボールよりもっと軽いものにして少ない量のテープで固定する。
メカに関する作業割合を2人分それぞれ示す。また、それを合計したものを3つ目に示す。
図16.作業割合(上野)
図17.作業割合(遠藤)
図18.メカの作業の種類別割合
詳細設計にかなりの時間を使っていることがわかる。これの原因として次のことが挙げられる。
・Solidworksでの3D外観図の作成を基本設計で行わなかったため、詳細設計で一から始めることになったこと
・設計の分担をあまり行わず、基本的に設計は遠藤が担当し、上野が工場での加工を担当したこと
・設計の途中段階でたくさんの変更点や追加の設計が発生し、それに対して逐一対応したこと
詳細設計の時間を短縮するためには、パーツの設計を分担すること、また設計を始める前に起こりそうな問題点を挙げておくことが必要であったと思う。
製造にも詳細設計と同程度の時間を使っているが、製造段階ではエレキやソフトの要求に対しての対応に時間を要したため、問題なかったと考えられる。
<上野>
詳細設計では設計を遠藤、工場の加工は上野が担当し役割をそれぞれ持てて行動できたと思う。
3Dプリンターパーツの作成に手間取り多くのフィラメントを無駄にしてしまったのが反省点である。
詳細設計後、ほかの担当からの要望に応える形で詳細設計にはなかった加工、追加物の作成等を多く行ったが想定していたものよりもより良いものを作り上げることができたと思う。
<遠藤>
実際にものを作るのが初めての経験で、設計・加工・製造などを通してたくさんのことが学べたと思う。
メカの技術力や人数的にも大変なときが多かったけれど、なんとか完成することができて結果も出たので良かった。
製造をしている過程で、パーツが脆かったり安定感がなかったりすることが多く、たくさん苦労したので、基本設計や詳細設計の段階でもっと緻密に計画を立てておくことが一番大切だと感じた。
また、予定通りにいかないことがほとんどなので、計画を臨機応変に変えて新しいアイデアを出すことも大事だと思った。