名称 MIRS1403 MIRS2015向けMIRS1403解体報告書用備考
番号 MIRS1403-PRSN-0001

最終更新日:2015.4.24

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2015.4.24 野澤 初版
A02 2015.4.25 野澤 重要箇所の強調及び部品関連の追記

目次

  1. はじめに
  2. 機体概要
  3. 機体のアピールポイント
  4. 機体の改善必要箇所
  5. 後期運用案
  6. 解体用雑記
  7. 部品関連備考

  1. はじめに

    本ドキュメントは、MIRS1403解体報告書用備考である。
    尚、MIRS1403公式ではなく、著者個人のドキュメントである。
    閲覧者様には、あくまでも参考情報として扱い、公式の場には出さないようお願いします。後、おそらく誤植だらけだと思うので注意してください。





    後、この情報を当てにして手を抜くと確実にMIRSを成功させることはできません。
    そもそも、解体報告書で地獄を見ることは確実なので、あくまでもチラ裏程度の認識でお願いします。

  2. 機体概要

    1. MIRS1403の機体図を以下に示す。

    2. 競技会時

    3.                                                                                                                    Taken by Aoki assistant professor


    4. MIRS開発完了後

    5. 上図の通り、競技会時と開発完了後では主に配線等の機体の外観が多少異なるが機体の機能は全く同一である。
      また、2015年4月2日に全ての機能確認を行い全機能が問題なく機能することを確認した。その為、機体の外観が異なることによる問題はないものと判断した。
      ただし、青色LEDの配線については、競技会時とは異なる。青色LED自体は正常に動作する。また、テープの粘着力低下により、一部箇所の取り付けを行っていない。また、機体下部用のLEDは基板に接続すらしていない。
  3. 機体のアピールポイント

    MIRS1403機体を一言でまとめると、標準器を正統的に改良しつつ、LEDやスピーカー等を搭載した競技、エンターテイメント共に高いパフォーマンスを発揮できる機体である。
    当機体を引き継ぐことで以下の効果が期待できる。

  4. 機体の改善必要箇所

    1. 電源ボード

    2. 駆動系スイッチのLEDの色が赤でなく緑となっていて紛らわしいため、変更することを推奨する。
    3. ドータボード

    4. モータ制御用端子とタッチセンサ用端子で分けた方が配線がわかりやすくなると考えられる。
      また、タッチセンサ用端子については、FPGAとタッチセンサを直接接続することで不要となる。
    5. モータ制御ボード

    6. ギボシ端子との接続が不安定であるので、接続方法を変えるか、補強を行う等で対策を行う必要がある。
      モータドライバ等の固定方法が頑丈すぎて、何か問題が発生した時、修正が行えない問題を対策する必要がある。
      また、電源入力端子をDCジャックに変更すると電源ボードとの親和性が向上する。
      そもそも、バッテリーの直列接続による昇圧が良法ではないため、根本から考え直した方がよいかもしれない。
    7. 超音波センサボード

    8. 使用している超音波センサは非常に高精度であるが、プログラムの仕様により小数点以下の測定を行うことができない。その為、プログラムを改良し、測定の分解能を向上する。また、測定速度を上げる。
      この超音波センサボードの仕様は、PICを介して超音波センサとのシリアル通信を行っているが、PICによる制御をFPGAに変更することで全超音波センサの同時通信が可能になり、超音波センサボード自体が不要となる。(この場合、電源についてもFPGAへ供給しているため不要となる。)
      また、電源入力端子をDCジャックに変更すると電源ボードとの親和性が向上する。
    9. カメラ

    10. 怪盗追跡において視野角が広いものを使用することで、索敵能力が向上する。
      複数個のカメラを接続する場合、同商品を複数個接続するとバグが発生する。(要検証、害は無い筈、少なくとも2014年度時点の教員を含めた4年生以上で修正できた人はいない。)
      視野角が広く、高性能なカメラの代表例として、CEJH-15007が挙げられる。このカメラはLinuxに対応していないという説明があるが嘘である。(最低限であるが動作確認済み、動作環境Ubuntu 10.04 LTS)このような視野角の広いカメラを使用することにより怪盗追跡を行いやすくなる。
    11. LEDボード

    12. 兎にも角にも、電源を分ける必要がある。
      また、PICでの処理が非常に単純であるので、PICによる制御をFPGAに変更することが容易に行える。
      その場合、ボードの小型化及び高拡張性化が可能になり、機能が向上する。
      LEDの固定方法に両面テープを採用したが、練習走行中にはがれることがあった。それを回避し、システムとしての安定性を高めるために強力な方法による固定を推奨する。
      後、LEDから発せられる光はカメラを用いた画像処理に悪影響を及ぼす可能性が極めて高いため、対策が必要である。
    13. 音楽再生システム

    14. 出力が安定しないため、スピーカーを小さくするか、電源を大きくする必要がある。
      ジャンパ線による配線が極めて脆く、少し機体をメンテナンスするだけで断線する。線種を変更する等して対策しなければ現実的な運用はかなり厳しいといえる。
    15. FPGA

    16. 12-pinケーブルは破損時のリスクが高いため、少数pinを複数個重ねることで同様の配線を行うことができればリスク回避になる。
      タッチセンサの処理が使用ポートの位置による弊害で全て同時に行うことができない。2014年時点でそれが問題となることはなかったが、この先何があるかわからないため、できるならついでに修正するべきであると考えられる。
    17. タッチセンサ

    18. 画像の位置にあるタッチセンサは反応性が著しく悪いので、処分し良品に変えることを推奨する。
    19. ロータリーエンコーダ

    20. 以下の図のような方法でモータと接続し計測を行っているがモータの回転速度が速いとゴムが外れてしまう。
      標準プログラムでは、ゴムが外れてエンコーダが機能しなくなったら詰んだといっても過言ではないため極めて重大な問題である。
      対策方法として考えられることは、MIRS1105 駆動系詳細設計書を参考に、強固なプーリと確かな特製のゴムを用意し、既存のものと入れ替えることである。
    21. バンパー

    22. 高速走行時の衝突対策として、衝撃吸収機構を追加することを推奨する。
  5. 後期運用案

    オリジナルMIRSを作成するにあたってMIRS1403の利用方法について私見を述べる。
    基本的に各部品を前述の通り改善し、標準プログラムをある程度編集すれば競技会は問題ないと考えられる。
    それほど負担なくオリジナル性を出すためには、カメラを高視野なものに変更したり、LEDの制御FPGAに変更し、色や本数等のバリエーションを増やす等のことが挙げられる。
    他には、arudino等を載せることも考えられる。
    それより最も重要な事は、MIRS1403を活かしてある程度高い水準の機体を早急に作成して、一刻も早く各システムのデバッグに移行することである。それが競技会成功への最適解であると考える。また、デバッグ中に直接機体に係る仕事が無いメンバーも競技会に向けたプレゼンや準備などの仕事が数多くあり、それもMIRSの重要な要素である。それも踏まえた上で、MIRS1403を活かし、迅速な開発に成功することを祈る。

  6. 解体用雑記

    1. 競技会時と開発完了後との状態の差異

    2. 配線

    3. モータ制御ボード

    4. 以下の図において黒いビニールテープが巻かれているケーブルがギボシ端子から外れていた為、刺し直して黒いビニールテープで補強した。
      動作試験を行ったところ問題なく動作したが、いつ再度外れるかわからないため、使用する場合は根本的な対策が必要である。
    5. LEDボード

    6. LEDボードの配線を把握していなかった為、適当な位置に端子に接続した。
      ただし、端子に刺すピンの向きは正確であるから、正常に動作する。
      しかし、LEDの発色パターンが想定と違う可能性が極めて高い。
    7. 音楽再生システム

    8. 以下の図において、2-pin端子のケーブルが両方とも抜けそうになっている為、ケーブルを作り直すか、強力な補強を行う必要がある。
      以下の図において、下側の出力端子の上側の部分の白い端子が切断された。
      その為、端子の黒色の部分を少し溶かし、出てきた金属線に白いケーブルの先端を半田付けした。
      動作自体は正常に行われるが、接合が非常に弱いため、とても分断されやすい。
      その為、早急にジャンパ線を取り換える必要がある。
      競技会後、機体の解体時にスピーカーに接続されている端子が全て切断された為、以下の図のように再接合を行った。
      尚、画像左側のスピーカーの+端子については、(協議会終了後に解体し再度)機体に取り付け後に再切断された為、以下の図ように再接合した。
      他の端子とは接合方向が違い、無理やりくっ付けた為、解体時に引っかかる等即座に被害が発生する可能性が高いので最新の注意を払うことを強く推奨する。
      また、最終的に再取付により全端子が切断された。結局、全端子を再接合した。
      ところで、これらの端子は、線長確保の為2本のジャンパ線を半田付けにより結合し、絶縁の為ビニールテープを巻いて補修を行っている。
      切断された端子の再接合により、機体左側のスピーカーに繋がるジャンパ線の線長がやや長くなった。
      再接合の証として、ジャンパ線の中間半田付け部分に黒いビニールテープを巻いた。以下がその一例である。
    9. 解体時の注意点及び備考

    10. 全般

    11. 前述の通り、MIRS1403の機体は外観について厳密に規定していないため一度分解すると元通りに復元することが極めて困難である。
      特に、配線については機体の動作に支障が無いようにし、出来る限り線を内部に通す程度の工夫しかしていない為、解体の際には接続先を明確に記憶する必要がある。
      その為、明確に役割分担を行い、機体全ての部分及び解体手順を撮影することを強く推奨する。
      この時、ピンぼけ等に細心の注意を払う必要がある。一個でも解体報告書に必要な写真の撮影に失敗すると手間が大幅に増える。また、明確な分担をせず闇雲に写真を撮影すると、肝心な写真を取得できないばかりでなく、写真の確認及び整理時に非常に手間がかかる。(体験談)

      USBハブや背面カメラの位置調整台等の固定には両面テープや結束バンドを用いている。
      さらに、写真では確認できないが機体用バッテリーについては、左右及び背面のセンサ類と中心との間にマジックテープを用いて固定して運用した。固定は前期に作成した標準機とは比較にならないほど強固であり、固定不足による問題は発生しなかった。
    12. 配線

    13. 前述の通り、配線は整然としているわけではない。ただし、必要十分量の固定、整頓は結束バンドの使用や柱等に余ったケーブルを巻きつける等を行うことにより達成していたため、実用上は一切問題ない。少なくとも、ケーブルが絡まりきって装脱着が行えないことはないし、ケーブルが移動して機体の動作に悪影響を及ぼすことはない。
      また、複数ボードを繋ぐケーブルやセンサ類と直接接続されるケーブルには、出来る限り説明が付加されている。説明に従うことで接続ミスを起こす可能性は急激に低下する。
      後、回路の都合上クロスケーブルを使用した箇所が僅かにある。MIRS1403機体の解析を行う場合やケーブルの再利用を行う場合は、入念に確認を行う必要がある。
    14. 電源

    15. 電源の構成を以下に示す。
    16. 制御系電源

    17. 標準機と同様にバッテリーを1個使用した。
    18. 駆動系電源

    19. 電圧を昇圧及び流せる電流を増量させるためバッテリーを2個直列に接続した上で使用した。それ以外については標準機と同様である。
      標準機に比べ非常に高速な動作が可能となった上、低速度におけるモータ制御もPWM不感帯が狭くなったので調整が容易になった。
      当初は多くの問題点を内包していたものの最終的に問題点を良好になった。
      詳しくは以下を参照。
      MIRS1403 モータ制御ボード詳細設計書
      バッテリーを2個直列に接続し運用する方法は好ましくないため、電源の変更が可能ならば変えたほうがよいが難易度は高い。
      MIRS1403で開発したモータ制御ボードはTB6643KQというモータドライバを使用している。このモータドライバの特性として、入力電圧が8[V]を下回った際に出力が強制的にハイインピーダンスとなる。これを解除するためには、8.7[V]以上の電圧が必要である。
      これを単一かつ低予算のバッテリーで解決することは難しい。整流のため、レギュレータで減圧を行う必要があるものこの問題の困難の一つである。
      競技会においてMIRS1403の駆動システムを使う必然性はないため、余程のことがない限り、駆動系は標準機の仕様に戻すなりの変更を加えることを推奨する。
      ただし、標準機のモータ制御ボードは致命的な欠陥があるため、そのまま使うことは非常に危険である。また、標準機と同一の仕様のまま欠陥を克服できたチームは一つもなかったことを補足する。
    20. LED用電源

    21. 1.5[V]乾電池を8個直列に繋いで12[V]に昇圧したものを使用した。
      12[V]電池は分岐してPICとトランジスタのエミッタ端子に接続して使用した。
      ここで、LEDボードについているPICはPIC16F84Aである。ところで、このPICの入力定格電圧は5[V]である。MIRS1403 LEDボード詳細設計書にある回路図から推測すると、本来PIC用とトランジスタ用の電源は分けるべきであることは明らかである。
      定格5[V]のPICに12[V]をかけて壊れなかった理由は、乾電池が消耗していたため、定格通りの電圧が出力されていなかったことが主要因である。
      実際、乾電池を新品に変えた時、PICは破損した。
      その為、引き継いだLEDを利用するか類似のLEDを利用して同様の処理を実装する場合は、電源を分ける必要がある。
      当然のことながらトランジスタを使用しない場合、LEDの出力が極端に弱くなるので推奨しない。

      ちなみに、同様の処理をする場合、PICのプログラムを変更することで容易にパターンを変えることができる。プログラムはアセンブリ言語を用いて書かれており、内容も2年生レベルなので簡単に扱える。
      ところで、このLEDボードの電源スイッチは個体差により入れにくいので、気に入らない場合は各自付け替えることを推奨する。また、スイッチにLEDを内蔵しなかったことは仕様である。理由は、青色LEDの発光と混ざり光の価値が下がらないようにするためである。
    22. 音楽再生用電源

    23. 単一の9[V]乾電池を電源として使用した。実際に使用した電池はこの製品である。
      LEDと電源を分けた理由は、電流が不足するからである。
      それでも、スピーカーからの出力は安定せず、音が流れない時が多々ある。
      試験として、新品の9[V]の電圧を測り、その後一瞬のみスピーカーに接続してもう一度電圧を測ったら1[V]以上の電圧降下が発生した。十分な時間を要すればある程度電圧は回復するが、これが音楽再生が不安定な原因であることは明らかである。
      電圧降下が激しい原因はスピーカーが大きすぎることなので、スピーカーを小さいものに変更すれば、改善される可能性が高い。
      実際、この製品を用いて試験を行ったときは、安定してスピーカーが動作した。
      他の改善方法は、もっと大電流を流すことができる電源に変更することである。大電流が流れることを許容できるならば、スピーカーは安定して動作するはずである。
    24. 電源ボード分岐

    25. 下図に示す通り、電源ボードの出力を分岐させるボードを急遽作成した。
      MIRS1403は後期にオリジナルMIRSを製作するにあたって、電源ボードの入出力を2-pin端子からDCジャックに変換した。
      その為、電源供給が必要な各ボードの入力端子についてもDCジャックに統一する必要があるのだが、回路や時間等の事情により超音波センサボード及びモータ制御ボードについては断念せざる負えなくなった。その結果、各ボードの入出力端子の辻褄合わせを行う必要が生じた。その為にこのボードが製作された。
      ボードは特に不具合もなく動作した。
  7. 部品関連備考

    1. 購入部品表にない部品

    2. 購入部品表にない部品については、基本的に部品ボックス(白透明のプラスチックのボックス)等から回収した。
      回収物品の内、身元がわかる物の詳細を以下に示す。
      回収物品
      品名発売元型番価格個数
      青色LEDテープ Amazon 多分これ 1000〜2000円 1個(切り分けて使用)
      スピーカー マルツ 77MMSP 540円 2個
      USBハブ Amazon BSH5U03BK 509円 1個
      プーリー用ゴム ホームアシスト トイレ用のゴムらしい 数百円 2個
      バンパー(下敷き加工) 不明 不明 不明 1個(分割して使用)
      カメラ MIRS1404から譲渡(ロジクールオンラインストア) C270 1980円 1個
      電源用スイッチ(緑) NKKスイッチズ UB-16H1SKP1M-AMK 635円 1個
      電源用スイッチ(赤) NKKスイッチズ UB-16H1SKP1R-AMK 635円 1個
    3. 不足品

    4. 本来ブース及び機体に備わっているはずの部品を以下に示す。
      機体の不足品
      部品名不足理由
      青色LEDテープ(機体下部用) 別途使用するため回収
      8個用電池ボックス(型番不明) 別途使用するため回収
      ブースの不足品
      部品名不足理由
      モータ制御ボード(1個) 後期用モータ制御ボード用の試験時に破損したため処分したから
      標準超音波センサ(子機) MIRS1401に譲渡
      I2Cボード(電子コンパスも無いかも?) MIRS1402に譲渡
      標準器及びMIRS1303に搭載されたシャーシ等の部品群 ブースの整理整頓のため、部品ボックスやシャーシ入れ等にリリースした為。
    5. 部品譲与、譲受リスト

    6. 他班との部品譲与、譲受リストを以下に示す。
      所有権は譲与、譲受先にあるので、標準機作成時等どうしても必要なときのみ参考にすること。
      譲与品
      部品名譲与先
      標準超音波センサ(子機) MIRS1401
      I2Cボード(電子コンパスもかも?) MIRS1402
      譲受品
      部品名譲受元
      カメラ C270 MIRS1404

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沼津工業高等専門学校 電子制御工学科