MIRS1502 管理台帳へ戻る
名称
MIRS1502開発完了報告書
番号
MIRS1502-REPT-0006
最終更新日:2016.02.19
版数
最終更新日
製作
承認
改訂記事
A01
2016.02.19
加藤正純、金指真之介、奥一貴、富田健斗、近藤有、大川賢一郎、飯田峻也、平田和奏、北原一総
大林
初版
目次
1. はじめに
2. 導入目的
3. 開発スケジュール分析
4. 工数分析
5. 総括
6. 感想
はじめに
本ドキュメントは、MIRS1502の開発完了報告について記したドキュメントである。
競技会結果
総合成績 : 優勝
夏休みのプレ競技会では惜しくも3位となってしまったが、10月,11月の高専祭でのポスターコンペティション・1月末のMIRS競技会にて、優勝という素晴らしい成績を残せたのは、大変嬉しい。
Table 1. に競技会結果を示す。
Table 1. 競技会結果
現場急行タイム
数字認識
怪盗確保タイム
前半戦
15.0 [ s ]
×
41.3 [ s ]
後半戦
116.4 [ s ]
×
-
前半戦では、現場急行から怪盗確保まで、1度も止まってしまうことが無く、ほぼ期待通りの動きをしてくれたので良かった。
しかし、数字認識が1度も成功していないのは反省しなければならない。
原因は、MIRS1502は機体進行方向に対して左右の超音波センサを使用して、壁との距離を一定に保つことにより直進制御を行った。
しかし、数字認識を行う場所にたどり着いたときに機体左手の壁が無くなった事によって、もっと左に行くように右側のモータの出力が大きくなって左に回転したことにある。
極めて単純な事なのにこの事に気がつけなかったのは痛ましい。
このような初歩的なミスを無くすために、競技場フィールドの状況を完璧に理解することが大切だと思う。
開発スケジュール分析
MIRS1502 システム基本設計書
にて作成したガントチャートを Figure 1. に示す。
Figure 1. ガントチャート
このスケジュール予定をメカ・エレキ・ソフトそれぞれについて分析する。
メカ
メカ班は、詳細設計書を作成する際に各部品の設計書が必要だったため、先に各部品を設計した後詳細設計書を書き始めた。 そのため、仕事番号M2-1〜M-5の工程とM-1の工程の順番が逆になった。 しかし、M-5までの仕事は期限通りに終わらせることができたので、長い目で見ればスケジュール通り進んだと言える 機体の組み立てに関しては、エレキ部品(特に
モータ制御ボード
)の製作が遅れていたため、組み立て完了までに時間がか方。 実際、全て組み上がったのは競技会の2日前であった。だが、メカ部品のみであれば、期限通り冬休み前までに終わらせられた。
エレキ
モータ制御ボード
は予定では12月半ばに完成する予定であったが、実際に完成したのは年明けの一月半ばであった。 また、
電源ボード
は一月の初旬までに、コンデンサを追加する改良の予定があったが、最後までこの改良はされなかった。 また、MCB,ドータボードは基盤作成自体は順調に進んだFPGAの書き換え環境を整備するのに時間がかかってしまい、大幅なタイムロスにつながった。
→MCB,ドータボードを検証できず完成と宣言できなかった。
MCB、ケーブル、FPGAそれぞれに問題がありFETが焼けたりもしてこれもタイムロスになった
ソフト
スケジュールどおりにプログラムの作成は進んでいたが、機体がなかなか完成せず全体の試験をするのがとても遅くなってしまった。
標準プログラムをほとんど使用しなかったので大変な部分も多かったが、全体の試験を開始してから改良された部分がほとんどである。
Gitの導入が勝因の一つとして大きかったと感じた。
工数分析
Table 2. に班員全員の作業時間を示す。
Table 2. 作業時間
Table 2. より、プレ競技会後のメカの総作業時間は、262時間。
エレキの総作業時間は、363.1時間。
ソフトの総作業時間は、414.5時間である。
これより、メカ < エレキ < ソフト の順に作業時間が長いことがわかる。
次に、Figure 2. 〜 Figure 4. に個人の作業時間を示す。
メカ
Figure 2. メカ
エレキ
Figure 3. エレキ
ソフト
Figure 4. ソフト
総括
一年を通して班の雰囲気は非常によかったと思う。
作業の分担も適切で、最後にドタバタすることはあったが非常によい競技会になった。
プレ競技会のときと違い、機体も完全にオリジナルな形状で、タイヤも四つになり、センサ類もArduinoにまとめ、ほとんど標準機体、標準プログラムは使用できなかった。
しかしその分、自分たちの機体、プログラムに愛着が持て、非常にいい作業ができた。
感想
・加藤正純
私は、この1年間MIRS1502のチームリーダーとして勤めてきました。
しかし、ちゃんとやっていたかと聞かれれば、おそらくしっかりはしていなかったと思います。
計画通りに進まなかったし、最終的には動いたのが良かったんですが、それも直前で計画性の無さを痛感しました。
また、私は専門科目はそんなに得意ではなく、回路もあんま理解度がなかったし、プログラムもそんなに書けるわけでもないです。
けれども、その得意でないところを周りの班員の力を借りて何とか動かすことができました。
2班は結構みんな仲良く1年を過ごすことができたと思うので、そこの部分は評価したいと思います。
1年間こんなリーダーについてきてくれてありがとうございました。
・金指真之介
僕は、プロジェクトリーダーとして働きながら、2班ではソフトを担当しました。両方の仕事があり、どうしても中途半端になってしまう部分がありましたが、最終的には統合プログラムは完成し、一応git(バージョン管理ツール)の使い方も覚え、非常に充実したと思っています。周囲の友人やチームメイトにもたくさん助けられて、何とか仕事をやり遂げることができ、みんなで作業することの重要さを実感しました。
ただ、もっと調整の時間があれば完全なクリアができたと思うので、もっと早くに回路や配線が完成するようたくさん協力してあげればよかったと思います。
・奥一貴
ソフト担当として、gitによるバージョン管理やslackによるチーム内のコミュニケーションなど、実際に企業で導入されているツールを体験できたことは、自分にとって貴重な経験となりました。
競技会まで残り2週間となるまでソフトの開発は本格的には行われず、それまでエレキの手伝いをしていました。モータが正常に回転しない問題が度々起こり、その原因が基盤にあるのかケーブルにあるのか、この問題を解決するのに相当な時間を費やしたのを覚えています。
web開発などはソフトの開発だけを行えばよいが、組み込み制御の開発にはソフトだけでなく、ハードの開発も必要となるため問題が起きた際、ソフトによるものなのかハードによるものなのか原因が複雑になるため、組み込み制御の難しさを実感しました。一年間お疲れ様でした。
・富田健斗
2班はポスターコンペディジョンと競技会で1位を取ることができたのでよかったです。
機体の変更点が多く、ちゃんと走ってくれるか心配な部分もあったが、ソフトがギリギリまで頑張ってくれたおかげで最後はちゃんと走っていて感動しました。
今まであまり話したことのない人ともMIRSを通して仲良くなれたのでよかったです。
・近藤有
僕はメカニクス担当としてMIRS1502に貢献をした。
僕たちMIRS1502のコンセプトはMINIRSという名の通り、MIRS機体を小さくするというもので、ほぼ全ての部品1つ1つを小さくするという大幅な改造を決定した。
最終的に改造した部品は9種類におよび、この変更には多くの時間を費やした。
MIRS一回の活動における工場での時間も多くはなく、いかに限られた時間で作りきるかが大きな課題となったが、うまく役割分担を決めることができ、冬休みに入る前に、多くの部品の製作をやり切ることができた。
その後、他担当のメンバーとの協力もあり、見事MIRS競技会で優勝することができた!
ほかの班や一部教員からは偶然などと言われているが、この優勝はなるべくしてなったものだと信じている。
また、このメンバーで優勝できたことを誇りに思っている。
・大川賢一郎
エレキの完了報告書でも書いたが、ドキュメントレビューやパーツ作成において当初の予定から大幅にズレてしまったことにより、チームメイト皆の「足」を引っ張ることとなってしまった。「遅延」の内容は、「単にワークペースが遅かった」ことや「作った後に不具合を招いた」こと等である。
予想できたならあらかじめ「回避」し、予想できなかったとしても「事後」にもっと対策をとることはできた。 どこかで、マシュマロのように後期の計画を甘く見ていたところがあったのかもしれない。
その結果は、マシュマロのように脆くてスカスカな意識で作業に取り組み、MIRSパーツそのものや高専祭の「ポスターコンペティション」前日の失態などを起こしてしまった。
エレキ観点に絞ってこの一年を振り返ると、本MIRSを動かす上で欠かせない各種基盤(MCB、ドータボード等)の作成を早めることが大事だとわかった。
これらのパーツが無いとMIRSを動かせず、他の基盤だけでなく外装のチェックもできなくなってしまう。 早く作ることで万が一の「エラー」にも早めに対応でき、また早めの動作チェックで更なる変更点も見出せるかもしれない。
結果だけ見れば、「怪盗機を追跡してキャッチし、優勝する」という優秀な結果であるが、我々エレキの辿った「経緯」は、この華やかな結果とは程遠いと言える。
この「優勝」という結果は、皆のフォローがあったからこその産物であり、先生の発言通り、このMIRSという競技は「チームプレー」の種目であるのだと実感した。
この一年間、おつかれさまでした!
・飯田峻也
MIRSの感想、反省として、まずは怪盗の確保までいけたのは非常によかったと思います。
怪盗確保までいけたのはひとえにチームが一丸となって競技会で勝つという目標に進んでいけたからです。
各チーム(メカ、エレキ、ソフト)がそれぞれ別のチームの進捗を管理し、手伝っていく流れがチーム内でできていたのが大きかったと思います。
個人としては、まず自分の担当分は完了することができてよかったです。
ただ、全体の流れを把握して、仕事の割り振りをもっと柔軟に行いたかったと思いました。
この反省を元に、これからがんばって生きたいと思います。
1年間お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
・平田和奏
ソフト担当し、特に画像の取得に関わるものとgitの設定などを行いました。
練習では数字認識した後サーバに送信すること、風船の認識ができました。しかし競技会で動くことはなく悔しいです。機体にカメラが搭載されたのが競技会直前で、会場での動作試験があまりできず、数字認識できないという問題に気づけなかったのが原因ではないかと思いました。
今回、gitを使用したバージョン管理を採用しました。複数人の開発でマージ担当者として作業するのは初めてだったのですが、競合したときのも協力して対処できたのでよかったです。今までgitを使用したことがなかった人も使い方を覚えることができ、利点を実感することができたので、gitの使用を提案した身としては嬉しかったです。
・北原一総
今回のエレキの開発物は複雑なものを複数予定していたが、その予定に対して絶対的な人数も能力も器材も不足していたように思った。
個人に割り当てられた役目を果たすだけでなく、リソースが足りないチームの手助けをすることが大事だと思った。
沼津工業高等専門学校 電子制御工学科