名称 MIRS1303 システム基本設計書
番号 MIRS1303-DSGN-0002

最終更新・2013.11.22

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2013.11.19 全員 初版
A02 2013.11.22 高橋、飯塚 MIRS1303 システム基本設計書レビュー議事録参照

目次




1.はじめに

本ドキュメントは、MIRS1303のシステムの基本的な設計内容を示し、今後のMIRS開発のスケジュールをまとめたものである。

2.システム要件

実現したい機能を表1に示す。
表1:実現したい機能
機能 理由 実現方法
自己位置の推定 巡回、追跡を行うため 電子コンパス、ロータリーエンコーダ、超音波センサを用いて実現する
行動の可視化 機体の状況や動作を周囲に知らせる。パフォーマンス 機体の動作や状況に応じて指定したメールアドレスへのメール送信を行う。また余裕があれば、スピーカーなどで機体が状況を報告する機能も導入する。
小型、軽量化 スムーズな巡回およびスピーディーな追跡を行うため シャーシは大幅に小型化し、塩ビ板を用い、円形とする。車輪も薄型のものを去年の班から流用する。
赤外線の受信 怪盗機の追跡 赤外線センサを新たに導入し、受信できるようにする。

3.システム全体構成図

システム全体構成図を図1に示す。
図1:システム全体構成図

4.パート毎の開発要素

MIRS1303のコンセプト

フィールド内の巡回をスムーズに行う。また、自己位置の把握を確実に行うことで怪盗を素早く追跡し、捕まえる。

このコンセプトに従って製作していく。

  • メカ

    壁との接触、引っかかりを減らすために大幅な小型化と軽量化を図る。
    製作する部品を表2に示す。
    表2:製作する部品
    部品名 備考
    シャーシ(下段、中段、上段の3枚) 塩化ビニールで標準機より小型化した円形のものを製作する。
    強度は落ちるが、壊れるほどではないので問題ない。
    塩ビ板は、強度を考えて3mmのものを使用する。
    バンパー(正面、左、右の3枚) 塩化ビニール素材(2mm)でシャーシの弧に沿った形状のものを製作
    塩ビ板は、強度、曲げること考えて2mmのものを使用する。
    また、小型化するために車輪は去年の班のものを流用する。現在のタイヤよりも滑りやすくなるが、滑り止めシートなどを使い対策する。
    (参考:
    MIRS1203 メカトロニクス詳細設計書

  • エレキ

    • 電子コンパスを搭載させて機体が向いている方向を把握する。またそれに伴う電子コンパス用のPICを介した通信ボードの作成を行う。
    • ドータボードは2枚から1枚に変更する。一昨年のものを流用する。
    • 赤外線センサを3つ導入する。前、斜め右、斜め左の3箇所下段シャーシの下に取り付ける。
    • IOエラーを防ぐために、各基板のコネクタをほっとボンドなどを用いて補強するする。
    (参考:MIRS1103 ドータボード

  • ソフト


  • 5.ソフトウェア機能定義

     MIRS1303が競技を行うのに必要なソフトウェアの機能の定義、その性能について示す。
    スレッドは5つに分割する。詳しくは表3に示す。
    表3:スレッドの分割
    スレッド名 機能
    メインスレッド 他のスレッドの生成を行う。
    モータ制御スレッド 状況判断スレッドからの指令に従い、モータの制御を行う。
    状況判断スレッド 各センサや自己位置、画像処理などの情報を元に、次の行動を決める。
    超音波センサスレッド 超音波センサからの値を受け取り、更新し続ける。
    自己位置推定スレッド ロータリーエンコーダ、電子コンパスからの値を元に自己位置を推定する。
    • 直進走行
      ロータリーエンコーダ、電子コンパスからの値を基に補正を行いながら直進する。I/Oエラーが出た場合停止してmotor_restartを行う。
    • その場旋回
      ロータリーエンコーダ、電子コンパスからの値を基に補正を行いながら指定された角度旋回する。I/Oエラーが出た場合停止してmotor_restartを行う。
    • 自己位置推定
      ロータリーエンコーダ、電子コンパスからの値を基に自己位置を推定する。精度は±10cm以内を目指す。x=rcos(θ),y=rsin(θ)とし、直交座標で自己位置を把握する。その様子を図2に示す。

      図2:自己位置推定

       また、ロータリーエンコーダによる誤差の累積が考えられるため、超音波センサ、電子コンパスを用いた座標の修正を行う。まず電子コンパス、超音波センサを用いて正対補正行い、その後、超音波センサを用いて前と横の壁との距離を測り、絶対座標を修正する。その図を図3に示す。

      図3:座標修正

    • 画像処理(宝の確認)
      画像処理を行い、宝が指定された位置に置かれているか確認する。その後、宝ごとの固有の特徴を判断し、加点を狙う。宝の仕様が未定のため、仕様が決まってからプログラムを作成する。
    • 画像処理(怪盗機の確認)
      画像処理を行い、怪盗機が視界内(視野角60度)にいるか確認する。ぶれないように、止まった状態で撮影する。ボールの大きさから怪盗機との大体の距離を判断する。視界の端の方に怪盗機がいた場合、向きを変えて正面に捉えるようにする。また、可能であれば、2枚連続で画像を取得し、怪盗機の動いている方向を判断する。画像処理の流れを図4に示す。

      図4:画像処理(怪盗機の確認)

    • メール送信
      宝の発見、怪盗機の発見などのイベントがあった際に指定したメールアドレスにメールを送信する。
    • 巡回
      直進走行、その場旋回、座標修正、画像処理(宝の確認)、メール送信、自己位置推定の機能を用いて巡回する。
      宝の位置に近づいたら(1m程度)、角度を合わせて画像処理を行い宝の確認をする。
      地図情報が事前に公開されているため、基本的にシーケンス制御で巡回する。 簡単なフローチャートを図5に示す。

      図5:巡回のフローチャート

    • 追跡
    • 直進走行、その場旋回、座標修正、画像処理(怪盗機の確認)、メール送信、自己位置推定、赤外線センサの機能を用いて追跡する。
      怪盗機を発見するまでは、巡回しながら周囲の写真を撮る。発見したら怪盗機に近づく。
      宝の盗難情報が送られてきた場合、自己位置の情報を基に現場に向かう。 簡単なフローチャートを図6に示す。

      図6:追跡のフローチャート


    • (しゃべる)
    • 余裕があったら導入する。
      現在のMIRSの状態をUSBスピーカーを用いて周囲に知らせる。



         以下にソフトウェアの機能をまとめた図を図7として示す。

    図7:機能の相関図

    6.購入物品

    購入するものを表4に示す。
    表4:購入物品
    物品名 販売元 メーカー 型番 価格 個数 備考
    USBシリアル変換モジュール 秋月電商 秋月電商 FT232RL ¥800 1
    電子コンパス Strawberry Linux Strawberry Linux HMC6352 ¥1764 1 分解能0.1度
    PIC 秋月電商 Microchip Technology Inc PIC16F1938 ¥105 1
    赤外線センサ 秋月電商 SHARP GP1UXC41QS ¥50 3 最長受信距離:7m
    塩化ビニール板(400×400×3mm) モノタロウ タキロン ESS8800A ¥1066 3
    塩化ビニール板(200×600×2mm) モノタロウ タキロン ESS8800A ¥824 1
    合計
    ¥6841

    7.開発スケジュール

    競技会までの開発のスケジュールを図8に示す。ただし、予定であるため状況に応じて変更する可能性がある。


    図8:開発スケジュール





    MIRS1303ドキュメント管理台帳