3. MP3のはやる理由
このようにMP3は、非常に優れた圧縮技術である。では、なぜこれが大流行しているのだろうか。一つは、MP3を制作する環境がかなり充実しているという事が言えると思う。一般にCDの音楽データをもとにMP3をつくるには、CDから音楽データをリッパーと呼ばれる吸出しソフトを用いて取り出す。しかし、これはWAVE形式であるので、エンコーダと呼ばれるソフトを用いてMP3に変換する。そして、出来上がったMP3を再生するプレイヤーが必要であるが、これらのツールが数多くフリーまたはシェアウェアで配布されている。また再生に関しては、Windows98ならば標準で再生できる。したがって、パソコンさえあれば誰でも簡単にMP3を作成する事ができる。パソコンの低価格化やインターネットの普及がこれらに拍車をかけている。また、さらに流行の広まる兆しを見せている。今までは、パソコンがないとMP3を楽しむ事はできなかった。しかし、米ダイアモンド・マルチメディア社から携帯MP3プレイヤーが発売され、23日に沼津のOAナガシマに行ったところ、国内有名ソフト会社が新発売したビジネスソフトと共に大きくこれが扱われていて、びっくりした。後述するが、これの発売に関して、アメリカの音楽業界が発売中止を求めるなどの動きがあったので、もう発売されているとは思わなかった。さらに同様の機器の発売を各社が予定しているという。さらに、作成まで行う機器が近いうちに出てくるかもしれない。現状では少なくとも作成に関してはまだパソコンが必要であるが、これらが広まれば、CDやMDと同じように一つの音楽メディアとして、パソコンを持っていない人や詳しくない人にも広まる可能性がある。