lpr
コマンドを使って印字をする場合, プリントしようと
するデータはプリントジョブと呼ばれる箱に一緒に置かれ, こ
れが LPD スプーリングシステムに送られます. プリンタにはそれぞ
れ, ジョブ用のキューがあり, 送られてきたジョブはあなたや他のユー
ザからの別のジョブと一緒にそのキューで並んで, 処理される順番を
待ちます. プリンタは到着順にこれらのジョブの印字をおこないます.
デフォルトプリンタのキューの状態を表示するには, lpq
と入
力します. プリンタを指定するときは, -P
オプションを使い
ます. 例えば, 次のコマンド
lpq -P bamboo
は, プリンタ bamboo
のキューの状態を表示します. この
lpq
コマンドの出力結果の例を次に示します.
bamboo is ready and printing
Rank Owner Job Files Total Size
active kelly 9 /etc/host.conf, /etc/hosts.equiv 88 bytes
2nd kelly 10 (standard input) 1635 bytes
3rd mary 11 ... 78519 bytes
この例では, bamboo
のキューに3つのジョブがあることが分か
ります. 最初のジョブはユーザ kelly からのものであり, ジョ
ブ番号9が割り当てられています. プリンタのすべてのジョブには一意
なジョブ番号が付けられています. ほとんどの場合, このジョブ番号
は無視することができますが, ジョブをキャンセルするときにはこの
番号が必要になります. このことの詳細については, 「
ジョブの削除 」をご覧ください.
ジョブ番号9のジョブは2つのファイルを処理します. すなわち,
lpr
のコマンドラインに複数のファイル名が与えられたときは,
1つのジョブとして扱われるのです. このジョブは, 現在, アクティ
ブジョブ (「Rank」の欄の active
という後に注目) になってい
ます. これは, プリンタからそのジョブが現在印字されているはずで
あることを意味しています. 2番目のジョブでは, lpr
コマン
ドに標準入力からデータが与えられています. 3番目のジョブはユー
ザ mary から与えられました. このジョブのサイズはとても大きくなっ
ています. 彼女がプリントしようとしたファイルのパス名はここで表
示させるには長すぎるため, lpq
コマンドはドットを3つだけ
表示しています.
lpq
からの出力で一番最初の行もまた有益な情報を与えていま
す. この行から, プリンタが現在何をしているか (あるいは, 少なく
とも LPD がプリンタがしていると思っていること) が分かります.
lpq
コマンドは -l
オプションもサポートしています. こ
れにより, 詳しい情報が表示されます. lpq -l
の実行例を次
に示します.
waiting for bamboo to become ready (offline ?)
kelly: 1st [job 009rose]
/etc/host.conf 73 bytes
/etc/hosts.equiv 15 bytes
kelly: 2nd [job 010rose]
(standard input) 1635 bytes
mary: 3rd [job 011rose]
/home/orchid/mary/research/venus/alpha-regio/mapping 78519 bytes