沼津高専 電子制御工学科
MIRSMG3D カーネル再構築手順書
MIRSMG3D-OSIN-0002
改訂記録
版数
作成日
作成者
承認
改訂内容
A01
2009.3.5
細川
牛丸
初版
目次
1.はじめに
2.OSの起動
3.カーネルソースのダウンロード
4.RPMファイルのインストール
5.ソースファイルのビルド
6.再構築
7.grubの編集
1.はじめに
本ドキュメントは、MIRSMG3Dのカーネル再構築手順をまとめたドキュメントである。
MG3で用いるOS(CentOS 5.2)の標準のカーネルアーキテクチャはi686である。一方、MG3で用いるCPUボードに実装されているCPUのアーキテクチャはi586である。アーキテクチャが不一致であると動作に支障をきたす場合があるので、CPUアーキテクチャに合わせてカーネルの再構築を行う必要がある。再構築時のCPUプロセッサ選択にMG3で用いるCPUであるGeode LXがあるので、Geode LX用にカーネルの再構築を行う。
また、再構築を行う際は同時に
「MIRSMG3D-OSIN-0008 リモートアクセス環境実装手順書」
を参考に、リモートアクセス環境の実装を行うことを推奨する。
カーネルの再構築を行う環境はいくつかあるが、本ドキュメントでは
「MIRSMG3D-OSIN-0001 OSインストール手順書」
でOSをインストールしたCFからOSを起動して再構築する方法について示す。
2.OSの起動
PCまたはMG3のCPUボードにCFをセットし、CFからOSを起動する。PCから起動する場合
「MIRSMG3D-OSIN-0001 OSインストール手順書」
の手順3と同じ環境にしておく。
3.カーネルソースのダウンロード
インストールしたばかりのOSでリコンパイル作業をする場合は、先に「yum updata」を行って、アップデート終了後に作業を開始しておくこと。
まず、下記URLよりカーネルソースをダウンロードする。
wget
http://ftp2.riken.jp/Linux/centos/5.2/updates/SRPMS/kernel-2.6.18-92.1.22.el5.src.rpm
データベース内にこのカーネルを保存してあるので、
このリンク
から もダウンロードできる。
保存先は任意だが、ここでは「/tmp」内に保存したとする。
4.インストール環境の準備
先ほどダウンロードしたRPMファイルをインストールする。
その前に、スーパーユーザでログインする。
GNOME端末を開き、下記コマンドを入力する。
$ su -
パスワードを入力
続いて、RPMファイルが保存されているディレクトリ(ここでは/tmp)に移動。
# cd /tmp
RPMのインストールを行う。
# rpm -ivh kernel-2.6.18-92.1.22.el5.src.rpm
5.インストーラの起動
ソースファイルのビルドを行う。
# cd /usr/src/redhat/SPECS
# rpmbuild -bp --target=i686 kernel-2.6.spec
リンクの作成
# cd /usr/src
# ln -s /usr/src/redhat/BUILD/kernel-2.6.18/linux-2.6.18.i686 linux
6.再構築
再構築前にバックアップ、不要ファイルの削除、コンフィグの設定を行う。
以下の手順で行う。
# cd /usr/src/linux
コンフィグのバックアップを取る。
# mv .config .config.bak
不要ファイルの削除を行う。
# make mrproper
作成するカーネルの名称を変更する。
ここでは名称を「CentOS (2.6.18-GEODE.LX)」と設定することにする。
名称は各自好きなように指定しても問題ない。
viエディタで、以下のように編集を行う。
# vi Makefile
...
VERSION = 2
PATCHLEVEL = 6
SUBLEVEL = 18
EXTRAVERSION = -GEODE.LX
...
コンフィグの設定を行う。
今回は「GeodeLX」用にカーネルを作成するので、「i586」用のコンフィグをコピーする。
# cp /usr/src/redhat/SOURCES/kernel-2.6.18-i586.config .config
コンフィグ設定を有効にする。
# make oldconfig
ここでいくつか選択を要求されるが、全て「Enter」で飛ばす。
続いて、CPUのプロフェッサーをGeodeLXに変更する。
# make menuconfig
上記コマンドにより次のようなウィンドウが開く。
プロセッサーの設定
「Processor type and features」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「Processor famiry」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「Geode GX/LX」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「Exit」、「Exit」として、menu の最初に戻る。
次の設定も行う。(該当部分でエラーが出るため)
「Device Drivers」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「SCSI device support」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「SCSI low-level drivers」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「Buslogic SCSI support」にカーソルを合わせ、スペースキーを 押して、選択をはずす(空白にする)。
「Exit」、「Exit」、「Exit」として、menu の最初に戻る。
「Device Drivers」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「Sound」にカーソルを合わせ「Select」を押す。
「Sound card support」にカーソルを合わせ、スペースキーを 押して、選択をはずす(空白にする)。
「Exit」、「Exit」、「Exit」、「Yes」として、設定を終了。
USB無線LANアダプタを使用できるようにするために、 「MIRSMG3D-OSIN-0008リモートアクセス環境実装手順書」の
2.無線LAN環境の実装
の「1.ドライバファイルの書き換え」にしたがって、ファイルの一部に修正を加える。
実際の再構築作業を開始する。
# make bzImage; make modules
# make modules_install
# make install
それぞれ、ある程度の時間を要する。
7.grubの編集
grubの編集を行い、起動時の設定を行う。
デフォルトで起動時にリコンパイルしたカーネルが起動するように設定する。
# vi /boot/grub/grub.conf
上から13行目の「hiddenmenu」の下に以下の文を追加。
title CentOS (2.6.18-GEODE.LX)
root (hd0,0)
kernel /vmlinuz-2.6.18-GEODE.LX ro root=/dev/VolGroup00/LogVol00 rhgb quiet irqpoll
initrd /initrd-2.6.18-GEODE.LX.img
さらに、上から10行目を「default=0」と書き換える。
保存して編集を終了。
以上で、再起動しカーネルが正常起動カーネルのリコンパイル作業の完了である。
関連文書
MIRSMG3D-OSIN-0001
---OSインストール手順書
MIRSMG3D-OSIN-0008
---リモートアクセス環境実装手順書