沼津高専 電子制御工学科
MIRS9902システム開発計画書
MIRS9902-DSGN-0003
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 1999/11/25 MIRS9902 河野丈志 初版
B01 1999/11/26 河野丈志 河野丈志 第2版

各モードの説明から動作の流れへ戻るリンクを貼った.
各モードから次のモードへのリンクを貼った.
開発工程の見なおし、WBS図の改定.

B02 2000/4/28 河野丈志 高橋克典 第3版

開発工程の見なおし
2000年4月以降の日程の追加


1. 目的

本文書は、MIRS9902における開発システムの概要及びシステム開発における作業を円滑に進めるために必要な事項をまとめたものである

2. 開発システムの概要

外観イメージ及びセンサ配置図

システムの概要
超音波センサ
マシンのすぐ横の物体でも検知できるようにマシンの中央に近い位置に取り付ける。前面部と側面部に2つずつつけて動きを確実なものにする。ポストの発見、位置の確認用。
赤外線センサ
スイッチの位置判別。押したかの確認。2つのスイッチをつけ、両方に反応がきたら、そこでポストのほうを向く。
タッチセンサ
ポスト到達モード時にポストに到達したかの確認。ポスト判別用。
ロータリーエンコーダ
超音波センサと自分のいる座標と比較してマシンが近づいたポストが目標のポストか否かを判別する。一度LEDを消したポストの位置を記憶するためのデータを持つ。
モータ駆動系
本体と移動させるためのモータ駆動用回路。

動作の概要

動作の流れ

競技が始まったら、そして決められた初期位置のどれかへ移動し、そこで初期設定をする。(初期設定モード)
初期設定が終わり次第、ポスト探索モード1へ移行し、決められたルートに沿って、走行を始める。
ポスト探索中にポストを発見したら、獲得判断をする。まだ獲得していないなら、ポスト到達モードへ移行しポスト獲得へ向かう。また獲得したもの、遠いものは無視してポスト探索モードへ戻る。
ポスト到達モードでポストへ近付き、タッチセンサでポストの存在を確実に判断したら、ポスト獲得モードへ移行する。
ポスト獲得モードでポストを獲得したら、復帰モードにより、ルートへ復帰し、ポスト探索モードに戻る。
ポスト探索モード、ポスト到達モードの実行中に障害物があった場合は障害物回避モードへ移行し、障害物をよけた後、元のモードへ戻る。
ルートを一周しても、残っているポストが存在しているなら、ポスト探索モード2で残りのポストを探し、獲得する。
動作モードの概要

動作モード遷移図


Iがあるモードはある一定の決められた仕事が終わるまで同じモードを繰り返すことを示す.

初期設定モード

初期位置に移動し、初期設定するモード

スタート位置がどこであっても1度、枠から350mmのところ(図1のA)に移動する。その後角へ向かって走行し、マシンの端が枠から600mmのところまで行く。(図1の赤線)そこをルートのスタート位置(初期位置)とし、そこで初期設定をする。初期設定とは座標原点の取得、モーターの補正などをすることである。初期設定の終わり次第、ポスト探索モードへと移る。(@)動作の流れへ



図1

ポスト探索モード1へ

ポスト探索モード1

定めたルートに沿って走行しつつ、ポストを探すモード

壁より600mm内側に入ったラインに沿って走行しつつ左右の超音波センサでポストを探す。(これはもしポストが350mmラインぎりぎりで置かれた場合でも接触できるよう決めた。)超音波センサでポストを発見したら、獲得判断をし、獲得するべきを判断した場合は、ポスト到達モードへと移行する。(A)獲得しなくても良いと判断した場合は、無視してポストの探索を続ける。また、このモードの途中でタッチセンサに反応があった場合、ポスト獲得モードに移行する。(B)動作の流れへ

超音波センサに反応あり
タッチセンサに反応あり

ポスト到達モード

超音波センサで発見したポストへ向かって移動するモード

超音波の反応があったほうに車体を向け、前の二つの超音波センサを頼りにポストに向かって前進する。見失った場合は車体を左右に動かし、ポストを探す。ポストとの距離が短くなってきたら減速してポストにぶつかり、ポスト獲得モードへ移行する。(C)移動中に障害物があった場合障害物回避モードへと移行する。(D)
・移動中に違うポストを発見したら、獲得判断(獲得したか、遠いかの判断)をする。獲得するべきを判断したらそのポストも獲得しに行く。獲得しなくともいいならはじめのポストに向かって進む。動作の流れへ

ポスト獲得モードへ
障害物回避モードへ

ポスト獲得モード

ポストの周りを回り、スイッチを押すモード

タッチセンサに反応があった場合、再度ポストの位置の座標から獲得判断を行う。まだ獲得していないポストと判断したら、図2のようにポストの周りを回り始める。獲得したら復帰モードに移行する。(E)また獲得したものなら、障害物回避モードへ移行する。(F)
スイッチの押下方法は図4による。つまり図のようにスイッチ近くをロボットが走行し、スイッチを押す。押されたかの確認は赤外線センサによる。もし赤外線に反応があるなら、アームをたたみ、バックし、少し近づき、再度スイッチを押す。動作の流れへ



図2



図3

復帰モードへ
回避モードへ

復帰モード

ポストを獲得した後にポストを発見した位置または定められたルートに戻るモード

ポストを獲得した後にポストを発見した位置または定められたルートに戻り、ルートに戻ったらポスト探索モード1へ移る。(G)戻る方法は次に挙げる3つを組み合わせたものを使う。

ポストを180°以上周った場合

ポストを180°以内で周った場合

図4

1度ポストを発見して、それを取りに行くときに得られたデータからルートのショートカットを行う。
この図の場合、1度発見した紫色のポストを取りに行く途中(@)で赤のポストが近くにあることを発見し、まず近い方(赤い方)のポストからスイッチを押しに行く(A)。そして赤のポストをとったらはじめの紫色のポストのスイッチを押しに行き(B)、その後これらのポストを回っているうちに得たデータ(他に近くにポストはない)から図のような最終的なルートのショートカットを行う。(C)動作の流れへ

ポスト探索モード1へ

障害物回避モード

一度獲得したポストが移動方向上にあった場合、それを回避するモード。

1度獲得したポストスイッチの座標から300mmの範囲でタッチセンサまたは超音波センサのどちらかに反応があった場合、図5のように動く。回避が終了したら元のモードへと移る。(H)動作の流れへ


図5

+

ポスト探索モード2

ルートを一周し、残ってるポストが存在する場合のモード

一周したら図1のAの位置から中央に向かって直進しながら 前と左右の超音波センサでポストを探索する。動作の流れへ

2回目に付いて

2回目のモードに付いては1回目のデータより最適かつ最短なルートを見つけそれをロボットのルートとする。基本的なモード(初期、ポスト獲得、障害物回避)は1回目と同様に用いる。

3. システム設計方針

以下にMIRS9902におけるシステム設計を合理的に実現するための設計方針を記述する。
  1. ポスト獲得の確実性を重視した設計をする。

  2. 製作の無駄を省くために動作をできるだけリサイクルできるようにする。

  3. 1回目の本戦はポストを確実に取り、そして2回目の本戦は1回目のデータより、すばやく、確実にポストを取る。

  4. 設計段階の検討を綿密に行い、設計段階の修正が少なくなるようにする。

  5. 駆動系の精度を上げるために、重心が下になるように設計する。

  6. 誤差を吸収できるような設計をする。

4. システム設計における作業の内訳

WBS図1(始めから詳細設計書まで)WBS図2(設計からサブシステム試験まで)WBS図3(システム試験から改善設計まで)(システム開発の”Work Breakdown Structure”を示す図、 コード番号を記入、3年次作業の内訳を詳細に記述する。)作業一覧表
コード番号作業内容成果物名称
02-01-01超音波センサの調査超音波センサ調査報告書
02-01-02赤外線センサの調査赤外線センサ〃
02-01-03I/Oボード及びI/Oサブボードの調査I/Oボード調査報告書
I/Oサブボード報告書
02-01-04ロータリエンコーダの調査ロータリーエンコーダ調査報告書
02-01-05モータの調査モータ調査報告書
02-01-06タッチセンサの調査タッチセンサ調査報告書
02-01-07PWM制御の調査PWM制御調査報告書
02-01-08VMEバスの調査VMEバス調査報告書
02-01-09CPUボードの調査CPUボード調査報告書
02-01-10どんなアルゴリズムが必要かの調査ソフトウェア調査報告書
02-01-11アームの調査アーム調査報告書
03-01-01システムの動作モードについての検討動作モード実現研究報告書
03-01-02スイッチ押下機能の実現方法に関する研究〃(上に含まれる)
03-01-03ポスト探索モードの実現方法に関する研究〃(上に含まれる)
03-01-04ポスト獲得モードの実現方法に関する研究〃(上に含まれる)
03-01-05障害物回避モードの実現方法に関する研究〃(上に含まれる)
03-02-01製作すべき機能についての検討機能及びセンサに関する検討報告書
03-02-02各機能の配分についての検討〃(上に含まれる)
03-02-03各機能、各センサの配置についての検討〃(上に含まれる)
03-02-04センサ性能についての検討センサ性能検討報告書
03-02-05モータ制御についての検討モータ制御検討報告
03-10-01メカニクス部の機能についての検討メカニクス部検討報告書
03-10-02メカニクス部構成についての検討〃(上に含まれる)
03-10-03メカニクス部の試験の内容と方法についての検討〃(上に含まれる)
03-11-01エレクトロニクス部の総合機能についての検討エレクトロニクス部検討報告書
03-11-02エレクトロニクス部の構成についての検討〃(上に含まれる)
03-11-03エレクトロニクス部の試験の内容と方法についての検討〃(上に含まれる)
03-12-01ソフトウェア部の機能についての検討ソフトウェア部検討報告書
03-12-02ソフトウェア部の構成についての検討〃(上に含まれる)
03-12-03ソフトウェア部の試験の内容と方法についての検討〃(上に含まれる)
03-13-01システム全体の機能構成についての検討システム検討報告書
03-13-02システム全体の相互関係(信号など)についての検討〃(上に含まれる)
03-13-03システム全体の試験の内容と方法についての検討〃(上に含まれる)
03-20-01メカニクス部基本設計書作成基本設計書
03-20-03エレクトロニクス部基本設計書作成〃(上に含まれる)
03-21-02ソフトウェア部基本設計書作成〃(上に含まれる)
04-10-01メカニクス部の機能についての再検討メカニクス部再検討報告書
04-10-02メカニクス部構成についての再検討〃(上に含まれる)
04-10-03メカニクス部の試験の内容と方法についての再検討〃(上に含まれる)
04-11-01エレクトロニクス部の総合機能についての再検討エレクトロニクス部再検討報告書
04-11-02エレクトロニクス部の構成についての再検討〃(上に含まれる)
04-11-03エレクトロニクス部の試験の内容と方法についての再検討〃(上に含まれる)
04-12-01ソフトウェア部の機能についての再検討ソフトウェア部再検討報告書
04-12-02ソフトウェア部の構成についての再検討〃(上に含まれる)
04-12-03ソフトウェア部の試験の内容と方法についての再検討〃(上に含まれる)
04-13-01システム全体の機能構成についての再検討システム再検討報告書
04-13-02システム全体の相互関係(信号など)についての再検討〃(上に含まれる)
04-13-03システム全体の試験の内容と方法についての再検討〃(上に含まれる)
04-20-01メカニクス詳細設計書作成メカニクス詳細設計書
04-20-02エレクトロニクス詳細設計書作成エレクトロニクス詳細設計書
04-20-03ソフトウェア部詳細設計書作成ソフトウェア詳細設計書
04-21-01メカニクス部試験仕様書作成メカニクス部試験仕様書
04-21-02エレクトロニクス部試験仕様書作成エレクトロニクス部試験仕様書
04-21-03ソフトウェア部試験仕様書作成ソフトウェア部試験仕様書

5. チーム開発体制

チームのシステム開発体制図
役割氏名
マネージャー河野丈志
ドキュメントマネージャー高橋克典
遠藤和寛
小澤章吾
川口新太郎
近藤昌幸
水野弘迪
宮崎猛
渡邉佳英

6. 開発工程

開発工程表
コード番号作業内容期間担当
02-01-01超音波センサの調査12/16宮崎、水野
02-01-02赤外線センサの調査12/16渡邉
02-01-03I/Oボード及びI/Oサブボードの調査12/9河野、高橋
02-01-04ロータリエンコーダの調査12/16近藤、川口
02-01-05モータの調査12/9河野
02-01-06タッチセンサに関する調査12/14遠藤、小澤
02-01-07PWM制御の調査12/9高橋
02-01-08VMEバスの調査12/9河野
02-01-09CPUボードの調査12/9河野
02-01-10ソフトウェアの調査12/16河野
02-01-11アームの調査12/16全員
03-01-01システムの動作モードについての検討1/20全員
03-01-02スイッチ押下機能の実現方法に関する研究1/20近藤、河野 、遠藤、小澤
03-01-03ポスト探索モードの実現方法に関する研究1/20水野、宮崎、川口 、高橋 
03-01-04ポスト獲得モードの実現方法に関する研究1/20渡邉、河野、近藤
03-01-05障害物回避モードの実現方法に関する研究1/20水野、小澤、遠藤、川口
03-02-01製作すべき機能についての検討2/2全員
03-02-02各機能の配分についての検討2/2全員
03-02-03各機能、各センサの配置についての検討2/2全員
03-02-04センサ性能についての検討2/2水野、宮崎、河野
03-02-05モータ駆動系についての検討2/2近藤、遠藤、宮崎
03-10-01メカニクス部の機能についての検討2/5宮崎、水野、川口
03-10-01メカニクス部の構成についての検討2/5
03-10-01メカニクス部の試験の内容と方法についての検討2/5
03-11-01エレクトロニクス部の機能についての検討2/5遠藤、高橋、渡邉
03-11-02エレクトロニクス部の構成についての検討2/5
03-11-03エレクトロニクス部の試験の内容と方法についての検討2/5
03-12-01ソフトウェア部の機能についての検討2/5小澤、河野、近藤
03-12-02ソフトウェア部の構成についての検討2/5
03-12-03ソフトウェア部の試験の内容と方法についての検討2/5
03-13-01システム全体の機能についての検討2/7全員
03-13-02システム全体の構成についての検討2/7
03-13-03システム全体の試験の内容と方法についての検討2/7
03-20-01メカニクス部基本設計書作成2/10宮崎、水野、川口
03-20-02エレクトロニクス部基本設計書作成2/10遠藤、高橋、渡邉
03-20-03ソフトウェア部基本設計書作成2/10小澤、河野、近藤
04-10-01メカニクス部の機能についての再検討5/12近藤、川口、宮崎
04-10-01メカニクス部の構成についての再検討5/12
04-10-01メカニクス部の試験の内容と方法についての再検討4/31
04-11-01エレクトロニクス部の機能についての再検討5/12水野、小澤、渡邉
04-11-02エレクトロニクス部の構成についての再検討5/12
04-11-03エレクトロニクス部の試験の内容と方法についての再検討5/12
04-12-01ソフトウェア部の機能についての再検討5/12河野、遠藤、高橋
04-12-02ソフトウェア部の構成についての再検討5/12
04-12-03ソフトウェア部の試験の内容と方法についての再検討5/12
04-13-01システム全体の機能についての再検討5/16全員
04-13-02システム全体の構成についての再検討5/16
04-13-03システム全体の試験の内容と方法についての再検討5/16
04-20-01メカニクス詳細設計書作成5/25近藤、川口、宮崎
04-20-02エレクトロニクス詳細設計書作成5/25水野、小澤、渡邉
04-20-03ソフトウェア詳細設計書作成5/25河野、遠藤、高橋
04-21-01メカニクス部試験仕様書作成5/31近藤、川口、宮崎
04-21-02エレクトロニクス部試験仕様書作成5/31水野、小澤、渡邉
04-21-03ソフトウェア部試験仕様書作成5/31河野、遠藤、高橋