名称 |
標準機開発報告書 |
番号 |
MIRS1102-MEMO-0009 |
最終更新日:2011.10.3
版数 |
更新日 |
作成 |
承認 |
改訂記事 |
A01 |
2011.10.3 |
望月康孝 |
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初版 |
目次
1. 目的
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このドキュメントは、8月6日に開催された競技会においてシステム開発計画書の内容が、どの程度実現できたかを報告するものである。
2. システム開発計画詳細
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MIRS1102-PLAN-0003システム開発計画書参照
3. 開発報告
- 3.1 マルチスレッド
計画当初は状態判断スレッド、モーター制御スレッド、計測スレッドの3つのスレッドを用意し、おおまかなプログラムを構成する予定であった。しかし、下位モジュール開発の遅れや計画の不備などがあり、競技会で実装したプログラムではモーター制御も含め、一つのスレッドで構成されている。
- 3.2 各機能
ここでは、システム開発計画書での機能定義に対する達成度を記す。
- 3.2.1 直進走行
性能要求では、1mの距離を、左右のずれ2cm、前後のずれ2cm以内に抑えることを目標としたが、実装時は、補正動作の機能をなくしているために、モーターの充電具合により大幅にカーブすることがあった。なお、この関数に関しては計画書通り、スレッドを生成しない基本的な関数への変更を行った。
- 3.2.2 回転走行
性能要求では、90度・180度を±5度以内で回転することを目標としたが、直進走行と同様に、補正動作を行わないため、バッテリーの影響を大きく受けていた。
- 3.2.3 周回走行
この関数に関しては、コース戦略上、使用することがないと判断したために作成しなかった。
- 3.2.4 超音波計測
性能要求では、20cmから150cmまでの距離を10%未満の誤差に抑えることを目標とした。実装時には、概ね目標を達成できる程度の性能が確認できた。
- 3.2.5 白線センサ検知
性能要求では、2ヶ所以上の白線について、それぞれの検出率を9割以上にすることを目標とした。実相寺には概ね目標を達成できる程度の性能が確認で
きた。
- 3.2.6 通路及び走行履歴の記憶
この関数に関しては、コース戦略上、使用することがないと判断したために作成しなかった。
- 3.2.7 壁検知
性能要求では、壁接触時の誤動作を10%未満の回数にすることを目標とした。実装時には、概ね目標を達成できる程度の性能が確認できた。
- 3.2.8 数字認識
性能要求では、白線からの距離(DBからカメラの距離は6090%精度で0〜9の数字を認識できるようにすることを目標とした。実
装時には、概ね目標を達成できる程度の性能が確認できた。
- 3.2.9 正対補正
この関数に関しては、コース戦略上、使用することがないと判断したために作成しなかった。
- 3.3 各機能(モジュール版)
ここでは、システム開発計画書でのモジュールの機能定義に対する達成度を記す
- 3.3.1 Direction Board
このモジュールに関しては、コース戦略上、使用することがないと判断したために作成はしたが、使用しなかった。
- 3.3.2 通路走行
性能要求では、通路走行の成功率を95%以上にすることを目標としたが、バッテリーなどの影響を大きく受けた走行系関数を利用しているため、T字路における
直進走行ができない状況が多々あった。このほかでも、頻繁に両サイドの壁に接触することがあった。
- 3.3.3 ロータリー
このモジュールに関しては、コース戦略上、使用することがないと判断したために作成しなかった。
- 3.3.4 小部屋
このモジュールでは、超音波等を利用し出口を探し出し、攻略することを目標としたが、時間の都合上アルゴリズムを作るのは難しいと判断し、シーケンス制御
のモジュールとした。
- 3.3.5 鍵・扉
このモジュールではDBの結果から、扉・鍵の位置を判断し攻略することを目標としたが、DBのモジュールを作成しなかったため、シーケンス制御のモジュールと
した。
- 3.4 全体の反省
プログラム開発やハード作りがスケジュール通りに進行せず、システム開発計画書のプログラムを作成することが困難であると判断したため、事前にコースが
発表されていることを利用し、プログラム全体を基本的な走行系関数によるシーケンス制御のプログラムに変更した。走行系関数は標準のものであると、プログラムに組み込
むのが面倒であったため、単純なモーター制御の関数に変更した。そのため、左右のモーターのパワーがバッテリーの充電具合に影響されるようになり、思い通りの動作を行
わなくなった。結果として、この関数を利用するために、実際にコースを走らせ、時間やパワーなどの調整を何度も行うことになった。競技会では優勝することは出来たが、
次回はこのようなプログラムを書かないよう努力したい。
4. 関連文書
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MIRS1102-PLAN-0003---MIRS1102-PLAN-0003 システム開発計画書
沼津工業高等専門学校 電子制御工学科