沼津高専 電子制御工学科 |
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改訂記録 |
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版数 |
作成日 |
作成者 |
承認 |
改訂内容 |
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A01 |
2006.7.11 |
遠山 |
漆畑 |
初版 |
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A02 |
2006.9.7 |
漆畑 |
漆畑 |
第2版 |
目次
まず今回MIRSで使用する電子コンパス(RDCM-802)のスペックを以下に示す。
精度 |
± 5° |
傾斜許容角 |
±10° |
セトリングタイム |
500ms (max) |
ヒステレシス |
±5° |
電源電圧 |
DC5V±10% |
電源電流 |
12mA (max) |
出力電圧 |
VL=0.6V
(max), VH=Vs-0.6V (min) |
出力電流 |
5mA (max) |
動作温度範囲 |
-5℃ 〜 +60℃ |
保存温度範囲 |
- 25℃ 〜 +75℃ |
サイズ |
26.5mm ×
26.5mm × 5 mm |
■8方位を3ビットのバイナリコードで表示するデジタルコンパスモジュール。
■通常のコンパスは強力な磁場を受けると壊れてしまうが、このモジュールは半導体センサを使っているので狂うことはない。
■可動部品が一切ないので高信頼。
u 出力表
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N |
NE |
E |
SE |
S |
SW |
W |
NW |
D0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
D1 |
1 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
D2 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
上に示したように今回使用する電子コンパスの分解能は8である。
我々の班は電子コンパスをポスト獲得におけるMIRSの走行する方向の補正をするために用いる。
そのためある一定の方向にMIRSを常に向かせることが必要とされる。
以下に示すのは例としてMIRSを常に北方向に向かせる方法を述べたものである。
競技会本番でMIRSを常にどの方向に向かせるかは、事前に競技場での方位測定を行ない決定する。
1. まず電子コンパスを用いて「北」という出力〔011〕が出るまでMIRSを回転させる。
2. 次にMIRSを左方向に回転させて、出力が「北西」に切り替わった瞬間、回転動作を停止してそのときのロータリーエンコーダーの値を記憶する。
つまりその時点では@の方向にMIRSが向いていることになる。
3. 次にMIRSを右方向に回転させて、出力が「北東」に切り替わった瞬間、回転動作を停止してそのときのロータリーエンコーダーの値を記憶する。
つまりその時点ではAの方向にMIRSが向いていることになる。
4. 2と3で得られたロータリーエンコーダーの値の差〔つまり上図でいうθである〕をとり、その値を2で割る。
5. 4で得られた値だけ左方向に回転する。
以上が常に同方向にMIRSを向かせるという仕組みである。
競技場の白線に垂直な方向が必ずしも8方向とは限らないので、最初にある指定した方向と、競技場の白線との角度の差を測定する。
下図でいうαを測定する。
このαの値を利用し毎回角度補正をかけたときにそのαの値だけMIRSを回転させ、常に同方向を向くようにする。
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メカニクス
外乱を最小限に抑えるため電子コンパスボードの設置箇所決め。
必要な部品の作製及びMIRS本体への組み込み
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エレクトロニクス
現在ある電子コンパスボードは、3ピンコネクタ×3で作製されている(MIRS0401-ELEC-0002)ので、これを5ピンコネクタで動作させる。
また、標準MIRSのUSS4を電子コンパスで使うので、そのためにドータボード・FPGAを変更する。
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ソフトウェア
5ピンコネクタに変更した後、電子コンパスが正常に動作しているのかを確認する。
動作確認後、標準プログラムを変更する。
キャリブレーションを行うプログラムを作成する。
W 外乱の除去
@ 外乱の種類
コンパスにおける外乱は大きく分けて2種類ある。1つは磁界を発生させるもので、モーターやスピーカーなどがある。
もうひとつは地磁気の磁界を乱すもので、ビルの鉄筋、線路、自動車のボディなどがある。
これらをふまえるとMIRSの下部にはモーターがあり体育館内で開催するという最悪の条件であることが分かる
A 外乱の除去@
これらの対処法として挙げられるのは要因対象物を影響が無視できる距離まで離すということが挙げられる。
しかし、モーターの磁界から遠ざけられたとしても、体育館内なので地磁気の磁界は乱れたままである。
B 外乱の除去A
どうしても外乱が除去できない場合、キャリブレーション(calibration)を行う。
※ キャリブレーションとは
使用する機器が正常に動作を行うように、更正すること。(どのように較正するかは調査中)