沼津高専 電子制御工学科 | ||||||
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改訂記録 | ||||||
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版数 | 作成日 | 作成者 | 承認 | 改訂内容 | ||
A01 | 2001.12.17 | 増田 幸司 | 瀬川 | 初版 |
定格出力 | 20[W] | 最大連続トルク | 24.45[mNm] |
公称電圧 | 18.00[V] | 公称電圧時最大出力 | 55200[mW] |
無負荷回転数 | 10200[rpm] | 最大効率 | 83.2[%] |
停動トルク | 219[mNm] | トルク定数 | 16.3[mNm/A] |
回転数/トルク勾配 | 48.1[rpm/mNm] | 回転数定数 | 585[rpm/V] |
無負荷電流 | 53.9[mA] | 機会的時定数 | 4.63[ms] |
起動電流 | 13400[mA] | ロータ慣性モーメント | 9.19[gcm2] |
端子間抵抗 | 1.34[Ω] | 端子間インダクタンス | 0.12[mH] |
最大許容回転数 | 11000[rpm] | 熱抵抗(ハウジング/周囲間) | 14.00[K/W] |
最大連続電流 | 1500[mA] | 熱抵抗(ロータ/ハウジング間) | 3.10[K/W] |
運転範囲
一般的に言う直流モーターであり、直流電源で回すことができる。DCモーターは制御用モーターとして非常に優れた回転特性を有している。例えば、大きな起動トルク、電圧変化に対するリニアな回転特性、入力電流に対する出力トルクの直線性、出力効率の良さなどおよそ制御用モーターに要求されるすべての性能を兼ね備えたモーターといえる。
※トルクとは、モーターの回転力のことであり、これが大きいほどその出力パワーも大きくなる。ここでトルクとは日本語に訳すと回転力ということになるが、このトルクは直線運動における推進力に相当する。また、トルクの単位は[kgf・m]で表されるが、これをSI単位系になおすと[N・m]になる。
電源電圧がモーターに供給されている時の関係式は、
Ea=Ra×Ia+Ec
Eaが供給された直後はモーターが回転していないので、Ecは0である。従ってモーター起動時の式は、
Ea=Ra×Ia
Ia=Ea÷Ra
である。Iaは、このモーターの起動時の電流であり、これがこのモーターの最大電流である。(この時モーターは最大トルクを生じる。最大トルクを生じるのはこの時と過負荷で動けない時であり、過負荷が最大トルクを上回っていて起動できない時、 W=Ia2×Ra のジュール熱を生じ、その熱によりモーターを損傷する恐れがある。
従って、負荷は最大トルクの30〜50%位にする。)
モータートルクTは一般に、モーター自身のトルク定数をKtとすると、流れる電流Iaに比例する。
T=Kt×Ia
これより、モーターに流れる電流は、
Ia=T÷Kt
となる。又、モーターの回転数Nは、逆起電圧Ecとほぼ比例する。
Ec(N)=Ea-Ra×Ia
より、
N=Ec(N)/(Ec÷N')
[Ec(N):モーター仕様の逆起電圧C[V](N'[rpm])]
という関係がある。
・ モーターの電気的時定数(time
constant)τeを小さくする。
τe=L/Ra (L:等価インダクタンス、Ra:巻線抵抗)
※時定数とは、変化の速度を表わす指標である。
電気的時定数とは、モータを拘束しておき、電機子に定電圧を印加してから電流がその飽和値の63%まで立ち上がるのに要する時間である。
これより、巻線抵抗が大きく、等価インダクタンスが小さければ良いことが分かる。
モーターのT-N,T-I曲線 |
・ 機械的時定数τmを小さくする。
τm=(Jm)/(Ke・Kt)
(Jm:ロータイナーシャ、Ke:逆起電力定数
Ra:電機子巻線抵抗、Kt:トルク定数)
従って、Jm、Raは小さく、Ke、Ktを大きくすればよい。
※機械的時定数......
停止状態から無負荷回転数の63%まで加速するのに要する時間である。
・ N-Tカーブのリニアリティをよくする。理想的には、IとNは比例、TとNは逆の比例関係になるが、実際は、Nの上限で特性が曲がったり下限でリプルを生じる。従って、多スロット型、スロットレス型のモーターを選ぶ必要がある。
※(トルク)リプル...... 出力トルクの変動分を、平均トルクに対する百分率で示すもの。この値が大きいと軸振動や騒音がひどくなる。
スロット...... スロットとは、回転子鉄心の"溝
"である。これがあると、軸の固有振動数が変わるので、それによってモーターの振動との共振を避け、騒音を抑えられる。スロットレスモーターはスロットを持たないものをいうが、別名で平滑鉄心モーターともいう。
記号 | 名称 | 単位 | 記号 | 名称 | 単位 |
Tt | 全発生トルク | N・m | Ea | 電機子端子電圧 | V |
Ta | 有効出力トルク | N・m | N | 回転数 | rps(rpm) |
To | 損失トルク | N・m | Ra | 電機子抵抗 | Ω |
Nt | 無損失時の無負荷回転数 | rps(rpm) | Ec | 逆起電圧 | V |
Na | 無負荷回転数 | rps(rpm) | η | 効率 | % |
It | 起動電流 | A | ηm | 最高効率 | % |
Io | 無負荷電流 | A | W | 出力 | W |
Km | トルク定数 | N・m/A | Wm | 最高出力 | W |
ω | 回転角速度 | rad/sec | Ke | 逆起電力定数 | V/rpm |
Tt=Ta+To=Ke・I
[全発生トルク]=([有効出力トルク]+[損失トルク])=[逆起電力定数]・[電流]
Ec=Ke・ω
[逆起電圧]=[逆起電力定数]・[回転角速度]
Ea=Ec+Ra・I
[電機子端子電圧]=[逆起電圧]+[電機子抵抗]・[電流]
N=Na・(1-[T/Ta])=Nt・(1-[T/Tt])
[回転数]=[無負荷回転数]・(1-(T/[有効出力トルク]))=[無損失時無負荷回転数]・[1-(T/[全発生トルク])]
ω=(Ea-Ra・I)/Ke=(Ea/Ke)-((Ra・To)/Ke2)-((Ra・T)/Ke2)
[回転角速度]=(([電機子端子電圧]-[電機子抵抗]・[電流])/[逆起電力定数])-(([電機子抵抗]・[損失トルク])/[逆起電力定数]2)-(([電機子抵抗]・[トルク])/[逆起電力定数]2)
η=(2πNT)/(EaI)
[効率]=(2π・[回転数]・[トルク])/([電機子端子電圧]・[電流])