沼津高専 電子制御工学科
MIRS0003 開発完了報告書(暫定版)
MIRS0003-DSGN-0003
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2002.2. 初版

目次
  1. はじめに
  2. 開発過程
    1. 3年次

    2. 4年次

  3. 試験結果
    1. メカニクスシステム試験
    2. エレクトロニクスシステム試験
  4. 作業工数分析
  5. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
    2. エレクトロニクス
    3. ソフトウェア
    4. システム
  6. 既知問題点
  7. まとめ
  1. はじめに これはMIRS0003の開発完了の際に、これまでの作業過程、作業工数を分析しまとめたものである。

  2. 開発過程 以下に開発計画と対比させた開発過程を示す。

    1. 3年次

      1. 開発項目開始(計画)終了(計画)開始(作業)終了(作業)
        システム計画書
        計画なし
        2000/11/30200/12/12
        調査(MIRSの各部について)2000/12/142000/12/192000/12/122001/1/11
        基本設計2001/1/112001/2/132001/1/232001/2/13
    2. 4年次

      1. 開発項目開始(計画)終了(計画)開始(作業)終了(作業)
        システム計画書改定2001/4/272001/5/312001/4/202001/5/2
        詳細設計書(メカ)2001/04/272001/06/12001/5/12001/6/19
        詳細設計書(エレキ)2001/6/12001/6/292001/5/12001/6/19
        詳細設計書(ソフト)2001/6/12001/6/292001/6/12001/7/9
        製造(メカ)2001/6/12001/8/312001/6/222002/1/23
        製造(エレキ)2001/7/32001/9/182001/7/132001/11/13
        製造(ソフト)2001/6/292001/8/272001/8/202002/1/23
        改善設計
        改善(メカ)
        2001/12/182002/1/152001/10/32002/1/23
        改善設計
        改善(エレキ)
        2001/11/12001/12/312001/11/162002/1/24
        改善設計
        改善(ソフト)
        2001/12/182002/2/72002/1/242002/2/7

  3. 試験結果
    1. メカニクスシステム試験

    2. メカニクスシステム試験報告書(MIRS0003-ASBY-2002)参照

    3. エレクトロニクスシステム試験

  4. 作業工数分析
    1. 開発項目工数(h)
      システム計画書24.5
      調査(MIRSの各部について)94.5
      基本設計109
      システム計画書改定43.5
      詳細設計書(メカ)127.5
      詳細設計書(エレキ)94.5
      詳細設計書(ソフト)90
      製造(メカ)603.4
      製造(エレキ)698
      製造(ソフト)535.5
      改善設計,改善(メカ)1.5
      改善設計,改善(エレキ)0
      改善設計,改善(ソフト)171
    2. 月別作業工数グラフ(部門別)
  5. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
      問題点原因解決策
      後ろのタッチセンサが入らない。 バンパのアームがうまく当たらない。 2本のアームを新たな棒でつなげた。
      正面2つのタッチセンサが同時に入るときつっかえてしまう。 バンパは正面の限られた方向からの力にのみ動くことが可能なので,左右の力が加わると摩擦で動かなくなる。 2つのバンパの左右の可動範囲を広くし,アームとの固定部分に少し余裕をもたせた。
      ケーブルの長さが短く,各部の取り外しがやりにくいのでメンテナンスの効率が悪い。 各センサ,ボードをつないでいるケーブルの余裕がほとんどないため。 ケーブルは余裕を持って製造する。
      3階にしたことで1,2階の部品が取り外ししずらく,特に2階部分の作業がやりにくい。 3階塩ビ板が邪魔して工具が使えず,手が入らないため。 ニ階の柱の長さを長くして空間を広くした。2階立て構造にする。
      各部のタッチセンサがうまく入らない。 アームに取り付けたバネが強すぎてタッチセンサまで衝撃が伝わらない。アームの可動角度が狭いため,いろいろな方向からの力に対応できずつまってしまう。 バネを短くして反発する力を弱めた。アームを固定するU字金具のアームを通す穴を大きくした。
      2階塩ビ板にケーブルが通しずらい。 ケーブルを通す穴が小さい。 穴を大きくした。
      車輪が空回りする。 車輪よりもボールキャスタがしたに突き出ていた。 ボールキャスタと1階シャーシの間のプラスチックパイプを取り除いた。
      超音波センサがセンサとして働かない。 内側を向けていたため,2,3階に直接波が入ってきてしまうため。 超音波センサをシャーシの1番外側に出した。
      ハンパーが回転してしまう。 バンパーの前部はネジ1点のみでしか固定していないため。 バンパー前面に2箇所穴をあけ,細いネジを通して固定した。
    2. エレクトロニクス
      問題点原因解決策
      モーターが回らなくなった MPCボードのフォトカプラが2つとも壊れていた 新しい部品と交換した
      DOMが壊れた 電源ボードの可変抵抗のGNDのGNDレベルが違った GNDとジャンパー線で繋いだ
    3. ソフトウェア
      問題点原因解決策
      両方のタイヤに同じDuty比を与えても真っ直ぐ直進しない タイヤの空転などにより微小な左右の進んだ距離の差がでた エンコーダーで進んだ距離を測り、速度にフィードバックをかけた
      Duty比を与えてもモーターが回らない Duty比を与えた後にsleepをかけていなかった sleepを入れた
      ATLMIRS標準APIであるpwm_cm_data関数、pwm_circle_data関数が使用してみても正確に指定した距離、角度で止まってくれない 不明 別に新しく関数を作った
      バッテリーによって、回転角度、直進距離がずれる モーター用バッテリーの残量に依存してモーターの回転数が変化していた エンコーダーで進んだ距離を測り、速度にフィードバックをかけた
    4. システム
      • 超音波センサが安定して使用できない。
      • ポストに取付けられたスイッチの板がタッチセンサの隙間に入る場合がある。
  6. 既知問題点
  7. まとめ
    1. メカニクス
       ただ思いついたときに製品を作るのではなく,図面を書いてからそれに従って作業を進めていくということは少し時間もかかり大変だった。ただ,普通の会社の流れといえば納得できるが...。競技会終了時点で問題点がいくつかあったが,このような流れで作成していなければ,もっとたくさんの細かい欠陥点が発生していたと思う。あと,しっかりした流れでも,しっかり考えた設計をしていなかったため,赤外線センサ,超音波センサの配置,タッチセンサの機構,の変更があった。もう少し綿密な設計をするべきだった。
    2. エレクトロニクス
       作業が遅れた上に予想外の故障に見舞われ、ソフトに迷惑をかけてしまった。超音波センサの精度がなかなかでず、調整にかなり苦労し、また、新規に設計することになったものがかなり有り大変ではあったが、その分理解していくことができた。綿密に計画を立て、自分の仕事に責任を持ち、一つ一つの作業をしっかりと、手を抜かずにやることの重要さに気づくことができた。
    3. ソフト
       開発を完全に分担して進めたのは良かったと思う。それにより、個々のモジュールの完成度は高くなっている。その反面、統合に時間がかかってしまった。DOMが2回壊れたことからSoftの実機搭載が遅れたこともあって統合するのが競技会の前々日になってしまった。その結果、十分な実践テストも出来ずに競技会に望んだため、本競技2回中2回ともテスト中に起こったことのない状態に陥ってしまい、実力の少ししか出せずに終わってしまった。また、行動計画をポストの周回を回る軌道を6角形から円軌道に変更したのも競技会前々日であったこともあり、本競技1回目にはそのプログラムが予定外の動きをして棄権せざるを得なくなった。全体的に評価時間と開発時間の少なさが結果に反映されてしまったと思う。
    4. 全体(マネージャーより)
       全体を通してほとんど何も知らないところからここまでよく出来たと思う。初めてのことが多く、立てた計画はほとんど役に立たなかったが、指定された期限はなんとか守れていたので良かった。ATLMIRSは今年度が初めてで基礎技術解説もほとんど役に立たず、技術調査もまともにできぬまま、最初は本当にMIRSができるか不安だったが授業時間の2倍にも3倍にもなる時間外作業で、徹夜、休日出勤等みんなよくがんばったと思う。

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