超音波の指向制と反射特性
(4) 超音波の指向制と反射特性
超音波は、トランジューサから一定の広がりを持ってビーム状に発射される、そのビームの形状を超音波トランジューサの指向性と言う。
市販されている超音波トランジューサの指向性は、それ程鋭くなく、半値角として20°〜30°程度の広がりを持つ。
超音波センサの指向性が広いと、センサによって計測された対象物体の形はかなりボケたものになる。すなわち、超音波センサは、距離方向の分解能はよいが、横方向の分解能はよくない。この指向性を改善する方法として、トランジューサにホーンアンテナを取り付ける手段がある。アンテナには一般に指向性を鋭くすると同時に、中心方向のゲインをかせぐという利点がある。ただし、ホーンアンテナの設計を理論的に行なうことは難しいので、ある程度の試行錯誤によってホーンの形を決める必要がある。

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ビームの広がりの影響
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紙性ホーンアンテナの例
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超音波の波が対象物にあたった場合、対象物表面に凸凹があればそこで散乱し、あらゆる方向から反射錯乱波が観測される。しかし、もし対象物が鏡面になっていれば、錯乱せず、入射波=反射波の方向に反射するだけとなり、反射波の進行方向でしか反射波は検出されない。
波にとって対象物が鏡面であるか錯乱面であるかは、その表面の粗さと波長の関係で決まる。競技場の壁は数十kHz超音波にとってほとんど鏡面となるから、超音波センサでは、斜めから壁を見た場合、通常その壁は検出できない。
まして相手MIRSを検出するのはさらに難しいであろう。試作品を製作し、実験をする必要があると思われる。
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