FreeBSD ハンドブック : はじめに : 現在のリリースについて
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1.5. 現在のリリースについて

FreeBSD は自由に利用でき Intel i386/i486/Pentium/PentiumPro (とその互換 CPU) の PCで動作する, 4.4BSD-Lite ベースの全ソー スつきのリリースです. これはもともとカリフォルニア大学バーク レイ校 CSRGグループのソフトウェアがベースとなっており, NetBSD, 386BSD, そして Free Software Foundation のソフトウェ アなどにより拡張されています.

95年1月の FreeBSD 2.0 のリリースからみると, FreeBSD は性能, 機能, 安定性の面で劇的に改善されました. もっとも大きな変化は VM システムに おける改良で, 統合化された VM/file バッファキャッシュを用いる ことで性能を向上させながらも FreeBSD のメモリの使用量を減らすことが できたことです. おかげで, 最低 5MB メモリという制約上でも動作する ようになりました. その他の拡張としては NIS のクライアントとサーバの 完全サポート, トランザクション TCP のサポート, ダイヤルオンデマンド PPP, 改良 SCSI サブシステム, ISDN の初期サポート, FDDI や Fast Ethernet (100Mbps) などのサポート, Adaptec 2940 (WIDE と narrow) のサポートの改良と数百件のバグの修正, などがあります.

私たちはたくさんのユーザからのコメントや提案をまじめに受け取り, 私たちが正しいと考え, かつ導入の手順が分かりやすいものを提供しようと 努力しています. この (継続的に進化する) プロセスに対するあなたの意見を 心からお待ちしています.

FreeBSD では基本配布セットに加え, 移植されたソフトウェア集 として 数百の人気の高いプログラムを提供しています. 96年12月 初旬の時点で 700 以上の ports (移植ソフトウェア) が存在します. ports には http (WWW) サーバから, ゲーム, 言語, エディタまでありとあらゆるものが含まれています. portsはオリジナル ソースに対する「差分」という形で表現されており, すべての portsを 集めても 10MB程度にしかなりません. こうすることで ports の更新を 容易にし, portsに必要なディスクスペースを小さくすることができます. portsをコンパイルするには, インストールしたいと思っているプログラムの ディレクトリに移動し, ``make all'' と実行してコンパイルが成 功したら, ``make install'' とすると, あとはすべてシステムが やってくれます. どの portsもオリジナルの配布セットを動的に CDROM または近くの FTP サーバから取ってくるので, ディスクは 構築したいと思っている portsの分だけを準備しておけば十分です. ほとんどの portsは, すでにコンパイルされた状態で ``package'' として提供されており, ソースコードからコンパイルしたくない場 合, これを使うと (pkg_add というコマンドで) 簡単にインストー ルできます.

FreeBSD 2.1 以降のマシンであれば, /usr/share/doc ディレクトリにインストールの手順や FreeBSD を利用する上で有用な ドキュメントがたくさんあります. これらのドキュメントは, HTML ブラウザを使って, 以下の URL から 参照することができます.

FreeBSD ハンドブック (英文オリジナル)

file:/usr/share/doc/handbook/handbook.html

FreeBSD に関する FAQ

file:/usr/share/doc/FAQ/FAQ.html

また, http://www.freebsd.org にはマスタ (かなり頻繁に更新されます) がありますので, こちらも参照してください.

合衆国の輸出規制のため, FreeBSD のコア配布セットには DES のコードは 含まれていません. 合衆国国内に限り, DES を使うプログラムなどが, コア配布セットに加えるパッケージとして提供されています. 誰でも使えるパッケージは, 別途, 合衆国国外で提供されています. 合衆国国外からも自由に取得可能な DES の配布セットに関する 詳細は, FreeBSD FAQ にあります.

FreeBSD 上で必要とされるセキュリティがパスワードだけであり, Sun や DEC などの別のホストから暗号化されたパスワードをコピーする必要が ないのであれば, FreeBSD の MD5 ベースのセキュリティで十分です. この標準のセキュリティモデルは DES よりも適していると私たちは思って いますし, また, やっかいな輸出規制にもひっかかることはありません. あなたが合衆国国外にいるなら (あるいは国内にいても) 一度試してみて ください!


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Updated May 23, 1997