ユーザ PPP は FreeBSD 2.0.5-RELEASE において, 既存のカーネル実装版の PPP に加えて導入されました. それでは, これまでの pppd との違い, すなわち この新しい PPP が追加された理由とは いったい何なのでしょうか? マニュアルから引用してみます:
これはユーザプロセス PPP ソフトウェアパッケージです. 通常, PPP は (例えば pppd でそうなっているように) カーネルの一部として 実装されていますので, デバッグや動作の変更が少々困難です. しかし, この実装では, PPP はトンネルデバイスドライバ (tun) の 助けにより, ユーザプロセスとして実装されています.
本質として, これは常に PPP デーモンを実行しておかなくても, 必要な時に ppp プログラムを実行できるということを意味します. このプログラムはカーネルとのデータ送受のために一般のトンネルデバイスを 使うことができるため, PPP インターフェースをカーネルに組み込んでおく 必要がありません.
以降では, ユーザ ppp と他の PPP クライアント/サーバソフトウェアとを 区別する必要がありませんので, ユーザ ppp を単に ppp とだけ呼びます. 特に断らない限り, このセクションのすべてのコマンドは root 権限で 実行する必要があります.
訳者注: 以前の日本語ハンドブックでは, iij-ppp のオリジナルアーカイブに 附属する日本語ドキュメントの参照をおすすめしていました. しかし最近では FreeBSD 独自の拡張がいろいろと追加され, もともとの iij-ppp のドキュメントではカバーしきれなくなって来ています. ですが心配はいりません. 日本語マニュアルプロジェクトから FreeBSD の日本語版マニュアルページが配布されるようになりました. こちらもハンドブックとあわせて参照されることをおすすめします.