名称
MIRS1601 開発完了報告書
番号
MIRS1601-REPT-0006
版数
最終更新日
作成
承認
改訂記事
A01
2017.2.22
打味悠斗、久保寺智哉、栗原健彰、小篠凌大、諏訪尚也、部谷若菜、平山龍弥、松下千紘、望月晴矢、森麻浦
初版
A02
2017.2.23
打味悠斗、久保寺智哉、栗原健彰、小篠凌大、諏訪尚也、部谷若菜、平山龍弥、松下千紘、望月晴矢、森麻浦
牛丸先生
レビューで指摘された点を修正
目次
1. はじめに
2. 競技会結果
3. 開発スケジュール分析
4. 開発工数分析
5. 総括
6. 感想
7. リンク
1.はじめに
本ドキュメントは、MIRS1601班の開発完了報告書である。
2.競技会結果
第一試合 : MIRS1601 vs MIRS1602
現場急行:記録なし 数字認識:失敗
第二試合 : MIRS1601 vs MIRS1604
現場急行:記録なし 数字認識:失敗
最終結果:4位
競技会ではプログラムの開発が不十分で未実装の部分があり、十分な成果を発揮できなかった。
現場急行では、はじめの直進部分では壁にぶつからずに進むことができたが、方向転換後に壁に向かって走り出してしまい現場に入ることができなかった。
原因:走行中に機体の向きが変わってしまい、走行が終了した後、次に走行する方向が毎回定まらなかったためである。
これは、モータモジュール内の走行制御として、Pゲインのみで制御し、左右のタイヤの回転量が違っていたため起こった。
また、超音波センサによって両側の壁との距離を測定しながら走行したが、そのとき壁との距離は一定だが、壁に対する角度を考慮していなかった。
3.開発スケジュールの分析
今回、予定していた開発スケジュールのリンクを以下に示す。
MIRS1601 システム基本設計書
表1 作業日程
3.1メカ
初期機体からの大幅な仕様変更に伴い多くの部品のスケジュールが組まれ構想が練られた。
しかし、詳細設計書のレビューが予定していた期間を過ぎてしまい、修正にかかり始める期間も同様に遅くなったことから全体的にスケジュールが後ろに伸びてしまった。
また設計構想が甘かったことから、指摘される事が多く、修正量も増えてしまった。
これらが原因で、作業量が2倍程になり、予定していた期間を超えてしまう事態になったと考えられる。
3.2エレキ
製作基板の最終的には目的通りのものが出来上がった。
しかし、設計の難航や、製作しても意図通りに動かなかったりと、完成に至るまでにかなりの時間を要してしまった。
これは、設計に必要な前提知識(ツールの使い方、回路素子の知識)が足りていなかったことや、スケジュールに対する見通しの甘さが原因として挙げられる。
これらから学んだことは、ツールの使い方は開発を始める前から必ず習得しておく(今回の場合は前期にやっておくべきだった)こと、毎回作業を始める前は各個人の作業の進捗状況を報告しあうことが挙げられる。
これらが出来ていればより工期も早くなり、品質や機能の向上を図る時間が生まれ、より良いMIRSを製作することが出来ていたと思う。
3.3ソフト
MIRS1601のプログラムの元となったものは、来年度から使用されるMIRS MG4のプログラムであった。
このプログラムを自分たちのプログラムとして使えるように改良することが主な作業だったため、あまり開発スケジュールを詰めなかった。
また、ソフト班の仕事はエレキ班の開発が終了したあとに来るものが多かったため、エレキ班が終わり次第やるというような「風潮」が出来ていた。
これらが原因で、ソフト班の士気はあまり上がらず、エレキ班の開発が終わるのを待つだけという結果になった。
スケジュール表に1月以降の予定を記さなかったこともあってか、この先やっていくべきことが見えていなかったのも原因の一つだろう。
MIRS競技会前日どころか、当日まで大きな変更を余儀なくされたことはMIRSの動作の仕上がりに大きく寄与していると思われる。
スケジュールを立てる段階からもう少し考えておくべきだったと思う。
4.開発工数分析
この工数分析は競技会までの班員の工数を分析したものである。
以下に各班員の作業時間を集計グラフ化したものを示す。
表2 工程時間量
図1 全体の工程量
図2 各個人の工程量
考察
各班の平均作業時間は、メカが243時間、エレキが239.5時間、ソフトが219時間であった。
他班と比べると、ソフト班の作業時間が少ないように見える
これはタイヤを2輪から4輪に増やし、また機体の構造を大きく変更したことにより、メカとエレキの作業量が多くなったため妥当だと考えた。
個人ごとに見るとやはり、本番に向けたメカ、エレキ、ソフトの開発の作業時間がもっとも多い。
これは全員が競技会本番に向けて、個人の作業を全うしてくれたためだと考えられる。
5.総括
全体として、競技会に無理やり間に合わせるような作業が多く、実際に出来上がった機体も間に合わせの機体のように思えてしまった。
自分たちの能力に対して作業量や新たに調べる事柄等が多かったことは問題の一つだと考えられる。
しかし、最後まで諦めずに取り組むことはできたので、その点は良かったと思っている。
自分たちが夢見た機体を実現するのには、もう少ししっかりと予定等を落とし込み、自分たちの能力を考えた上でやるべきだった。
6.感想
1.打味悠斗(ソフト、プロジェクトリーダー)
チームリーダー、ソフト班としてチームを引っ張る役を担当しました。
総合4位という結果や、競技会本番で現場急行できなかったことは、チームリーダーとして、個人として、力が及ばなかった部分が大きいと思っています。
その原因や考察などは、開発スケジュールの分析や総括に示すものとして省略します。
まずは自分の意見を持ってください。
リーダーはそれなりに荷の重い役です。そのリーダーの信念で、MIRSが最後に動くかどうかが決まります。
そして何よりも、リーダーになった人は、最後まで「諦めない」でもらいたいです。
少なくとも私は、Arduinoによる制御の不完全な部分をなんとか変えようと頑張りました。
最終的には、結果が全てではありますが、自分たちの将来のために大きく関わる授業です。一つずつ確実にやっていってください。
2.久保寺智哉(ソフト、広報担当)
Arduinoを用いてソフト開発を行った。ソフトが得意というわけではなかったため、仲間の助けなくして活動はできなかった。
Arduinoを採用したこともあって、今までのプログラムから引き継げる部分が限られ、苦労を強いられた。
特にセンサの制御はさまざまな条件でいつも同じようにはいかないため、試行錯誤しながらよりよい走行をするよう改善していった。
ドキュメント毎にあるレビューでは先生の前で自分たちの考えを発表したが、専門的な知識を使いながら話をするいい機会になったと思う。
これから社会にでた時にグループワークで仕事をしていくことになると思うが、そういったときにmirsで経験したことを生かしていけると思う。
3.栗原健彰(メカ、ドキュメントマネージャー)
Solidworksとかはあまりできなかった。とにかく操作に慣れなかった。
システム上での組み立てで使うカメラとか、いろいろ作ったが値がしっちゃかめっちゃかだった。
パーツも作るには作ったが最終的に作業が遅すぎて他人が後から始めたのがそのまま採用されたり。情けない。
旋盤は楽しかった。船本さんにはとてもお世話になった。レーザー加工機からは”感動”を感じたが、旋盤には”喜び”があった。できることならまた使いたい。
CADがお話にならなかったのでドキュメントとかはよくやった。修正の依頼があったらそれを請け負ったり。
競技会直前にはプレゼンばっかり作っていた。構成とかにはいろいろ迷いがあって、終わった後に「こうすればよかった」と感じることも多々あった。
プレゼンを作るのは楽しかったが、発表するときは極度の緊張下にあった。まだまだ自分も人前で話すのが苦手だった。
4.小篠凌大(メカ)
不安と共に始まったMIRS。
初めて扱うsolid worksに戸惑いながらも、積極的に技術調査を行い、
ギアやマウントなど順調に作成することができたので良かった。
特にギアの作成は、過去に使用した班がなく、「0」からのスタートとなった。
3Dプリンタを駆使し作成したが、噛み合いや、モーター軸へのはめ合いなど
3Dプリンタの精度に悩まされたが、無事完成したので良かった。
メカの製造が終わった後、メカとして作業することがなくなり、暇な時間が出来てしまった。
エレキやソフトの手伝いが行えるように、前期のうちから少しずつ準備をしておけば
よかったと思う。MIRSを通してさまざまな加工機や機械を扱えるようになった。
これからの人生に生かせればいいと思う。
5.諏訪尚也(ソフト)
ソフトを担当しました。プレ競技会の時は機体のゲイン調整を、本番では4輪オムニホイールの制御に携わりました。
複数人で作業をするときに、関数名や引数、配列の順番などを確実に定義せず、
曖昧なまま進めてしまったため統合したときにトラブルが発生してしまいました。
多人数で作成するときは統一した規格を考えるべきでした。
今後もチームで開発する機会はあるため、まずはメンバーと規格、設計を統一し、
メンバー全員が同じ方向を向いて作成できるようにしたいです。
6.部谷若菜(エレキ)
エレキを担当し、主にLEDや赤外線センサの制御基板を作成しました。KiCADの使い方がわからず、すべてにおいて苦戦しました。
基板を作り直して導通・動作チェックを何度も繰り返すのはかなり精神的に参りました。競技会でいい結果を残すことはできませんでしたが、班員みんなで協力してMIRSを作り上げることができたのでよかったです。
標準機からかなり改造したので下級生にはDatabaseを見て少しでも参考にしていただけたらなと思います。
最後に、下級生に向けて一言。前期のうちにKiCADやっておくんだぞ。後期中間試験らへんで死にかけるぞ。以上です。
7.平山龍弥(エレキ)
今回の開発では自分のやりたいことを色々とやらせて貰え、それを実現できたことは良かったと思う。
ただ、自分のやりたいことばかりやってせいで、全体のことを考えて積極的な行動をとることが出来てなかったと思う。
具体的には、自分の製作物のことしか考えていなかったため、他の人の進捗にあまり気にかける事ができていなかった事や、スピーカーを載せるとき、自分の載せたい物を選んだ結果、メカ班に迷惑をかけ、MIRS全体のバランスを悪くしてしまった。
一番悔やんでいるのは開発方法の提案をしなかった事だ。自分にとって今回初めてチームでの開発をするので、チームでの開発方法を調べたり、
インターンシップに行って実際に体験したにも関わらず、自分はただの班員だと思って結局言わずじまいだった。
今後、あらゆる場面でチーム開発をする事があると思うが、そのときはなるべく全体を把握し、進んでいない人がいたらフォローしたり、何か良い案が浮かんだら積極的に提案したりしていきたい。
8.松下千紘(メカ)
Solidworksを用いた3Dモデルの作成、また2D図面の作成を初めて行った。最初の頃はなかなか思い通りにいかなかったが、後半になるほど上達を感じられ、とても嬉しかった。
だが、技術調査をおろそかにしたせいで、設計の意味を理解しきれないまま設計してしまい,無駄に時間をくってしまった事が大変悔やまれる。
来年の人たちには、技術調査、チーム内でのコミュニケーションを活発に行い、より良いものを作ってほしい。
9.望月晴矢(エレキ、競技会運営)
一年間を通しての感想は班員のみんなと楽しくやってこれてよかったと思います。
最後の競技会では上手く動かすことはできなかったのは心残りです。
終わってからもっと早く基板が完成していればとか、もっと粘り強く技術調査を進めておけばとか後悔はあります。
ですが、この失敗した経験も学生だから得られたものだと考え、これからに活かして生きたいと感じます。
あと後輩へのアドバイスですが何をやるにもどのくらい時間がかかるか分からないなかで計画を立て、行動していくと思いますが、計画は細かく立てましょう。
過去のドキュメントを見れば分かりますが計画通りいくことは少ない。経験がないとしっかりした計画なんて立てられません。
だから計画(目標)を細かく、週1単位や授業ごとつくりやれることからやっておく。
その積み重ねが最後に役立ちます。頑張ってください。
10.森麻浦(メカ、プロジェクトマネージャー)
メカを担当し、オムニホイールを作成しました。
ソリッドワークスの使い方がわからず班員にたくさん迷惑をかけてしまいました。
加工において手間取ることが多く、時間がかかってしまいました。
プロジェクトリーダーの仕事もあり、メカの仕事との両立が難しかったです。
結果的にちゃんと動くタイヤが完成したのでよかったです。
7. リンク
MIRS1601 エレクトロニクス開発報告書
MIRS1601 ソフトウェア開発報告書
MIRS1601 メカニクス開発報告書
MIRS1601ドキュメント管理台帳