MIRS1503 管理台帳へ戻る
名称 MIRS1503 システム基本設計書
番号 MIRS1503-DSGN-0002
版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2015.11.13 天野南月,飯塚直紀,遠藤幸一郎,遠藤真哉,大場春佳,菊澤雅哉,菊地祐太,田中宏明,山田怜央 初版
A02 2015.11.16 天野南月,飯塚直紀,遠藤幸一郎,遠藤真哉,大場春佳,菊澤雅哉,菊地祐太,田中宏明,山田怜央 第2版
一部改訂(改訂箇所はMIRS1503 基本設計書レビュー議事録を参照)
A03 2015.11.16 天野南月,飯塚直紀,遠藤幸一郎,遠藤真哉,大場春佳,菊澤雅哉,菊地祐太,田中宏明,山田怜央 小谷先生 第3版
一部改訂(改訂箇所はMIRS1503 基本設計書再レビュー議事録を参照)

目次

1.本ドキュメントについて
2.機能・性能
3.システム開発項目
4.システム構成
5.購入物品
6.開発スケジュール

1.本ドキュメントについて

本ドキュメントは、システムの基本設計と、今後の各担当のスケジュールを示したものである。

2.動作・機能

2.1 動作シナリオ

MIRS1503機体の動作シナリオを、フローチャートとして以下に示す。

Fig.1:フローチャート


 

2.2 基本動作

2.2.1 現場急行

目標タイム:6[s]以内
直進・回転をシーケンス制御を用いてダイレクションボードに接触するまで走行する。

2.2.2 数字認識

目標タイム:10[s]以内
ダイレクションボードに接触後、後退、正体補正、数字認識、数字をサーバに送信する。

2.2.3 巡回・追跡

怪盗機と接触するまでの目標タイム:30[s]以内
怪盗機を発見、追跡動作を行う。

巡回動作

直進・回転を行う。角を2回曲がるごとに正体補正を行い、美術品と壁との中央を走行するように制御する。

復帰機能

怪盗機の赤外線を1000[mm]以内で受信できなくなった場合、また赤外線を受信していない時にタッチセンサが反応した場合には、左手法(Fig.2)を用い、コースの中央に戻った後、巡回モードへ切り替わる。
前進し、前面のタッチセンサが反応したら、正体補正を行い、接触した壁と垂直となり通路の真ん中に来るように移動し、左に回転し前進する。これを繰り返してもとの巡回ルートに戻る方法を左手法とする。

Fig.2:左手法の経路


 

捕獲機能

怪盗機の発する赤外線を4つの赤外線受信センサで受信後、反応した赤外線受信機搭載位置を元に怪盗機の方向を割り出し、追跡する。
また、機体の直径を拡大させることで怪盗機との接触しやすくする。

3. システム開発項目

MIRS1503 システム提案書の5.変更点詳細を参照する。

4.システム構成

4.1 メカシステム構成

構成概要

table1:メカシステム構成
部品用途変更点変更理由個数担当者
ギアヘッド モータの回転軸の回転速度を変更し、ギアヘッドの回転軸に出力する ギア比を小さくする 速度上限を上げるため 2 天野
モータ 機体に駆動機能を持たせる 最大消費電流を倍にする トルクを上げるため 2 天野
シャーシ上段 基板、デバイス、センサ、バッテリを設置する 直径を350[mm]から500[mm]に変更する MIRSの面積を大きくし、怪盗機に接触しやすくするため 1 菊澤
シャーシ下段 基板、デバイス、センサ、バッテリを設置する 直径を350[mm]から500[mm]に変更する MIRSの面積を大きくし、怪盗機に接触しやすくするため 1 菊澤
バンパ タッチセンサのスイッチ性能を向上させる 横幅を拡張する 既存のバンパでは変更後のシャーシサイズに合わないため 6 山田
支柱 上段シャーシを支え、上段シャーシのたわみを抑制する 4本から8本に増やす 上段シャーシのたわみを抑制するため 8 田中
たわみ防止板 下段シャーシのたわみを抑制する 新規に2本製作する 下段シャーシのたわみを防ぐため 2 菊澤

概観図

下図に機体の概観図と三面図を示す。



Fig.3:概観図


 
Fig.4:三面図


 

4.2 エレキシステム構成

構成概要

table2:エレキシステム構成
ボード用途変更点変更理由枚数担当者
電源ボード CPUボード、超音波センサ、モータ制御ボード(以下MCB)に電力を供給する 変更点なし 変更理由なし 1
CPUボード OSを動かす 変更点なし 変更理由なし 1
FPGAボード CPUボードから入力される信号を各ボードを制御する信号に変換し出力する
各ボード、センサからの入力信号を変換しCPUボードへ出力する
ポートを2つ追加する 赤外線受信機のポートが増えることにともなって、ポートが不足したため 1
ドータボード FPGA回路からの信号を他のボード、センサへと接続する 変更点なし 変更理由なし 1
MCB FPGAから入力されたPWMからモータを制御する ダイオード1N4002_1Aを、ショットキーバリアダイオードSB240LESに変更する 新規に購入するモータに合わせ、定格電流がより高いダイオードが必要なため 2 遠藤(幸)
信号処理ボード 赤外線受信センサから出力されたアナログ信号をコンパレータを用いてデジタル信号に変換する
タッチセンサの出力信号をドータボードに出力する
新規製作する 赤外線受信センサから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するため 1 飯塚
超音波センサボード 超音波センサ前方の障害物と超音波センサとの距離を計測する 変更点なし 変更理由なし 2
タッチセンサ 機体の接触を感知する 変更点なし 変更理由なし 4

構成図


Fig.5:構成図


 

4.3 ソフトウェアシステム構成

4.3.1 構成概要

・現場急行
スタート地点から展示室入り口のダイレクションボード(以下DB)に接触するまで走行する。プログラムではロータリーエンコーダを用いて、シーケンス制御を行う。また、タッチセンサを用いて、走行中に壁とぶつかった際に数字認識の動作を行うようにする。これにより壁にぶつかったまま走行して機体が破損する、という危険を減らすことができる。また、DBにぶつかった場合と、DBに当たる前に壁に当たってしまった場合の判断は、今の走行距離で判断する。

・数字認識
後退しDBに対して正体補正を行い、その後DBの数字認識を行う。正体補正には超音波センサを用い、数字認識にはwebカメラを用いる。数字認識が成功した場合、サーバへ数字情報を送信し巡回動作に移行する。できなかった場合は、数字認識を中止し巡回動作に移行する。

・巡回
展示室内を怪盗機を発見するために巡回する。巡回は展示室内を半時計回りに直進と回転を繰り返し、超音波センサを用いて角を2回曲がる毎に正体補正を行う。また、走行中ルートをはずれて壁に当たった際、タッチセンサを用いて回避動作を行うようにする。このときの回避動作とは左手法である。巡回中に赤外線センサを用い、怪盗機が1000[mm]以内に近づいたことを認識した場合、捕獲動作に移行する。

・追跡
怪盗機を追跡する。追跡は赤外線センサを用いて、怪盗機から発信される赤外線信号を受信し、方向を推測して行う。また、タッチセンサを用いて、追跡中にかべに当たった際に回避動作を行うようにする。怪盗機の赤外線信号を1000[mm]以内に認識できなくなった場合は巡回動作に移行する。

4.3.2 モジュール一覧

table4:モジュール一覧
モジュール名 概要 依存関係 変更の有無
mirs1503 各モジュールを呼び出し統合する sequence,patrol,device 追加
sequence 現場急行と数字認識を行う number,run_ctrl,direction,io,server 追加
patrol 巡回と怪盗機の捕獲を行う run_ctrl,direction,io 追加
direction 正体補正を行う run_ctrl,uss 流用
run_ctrl 直進・回転を行う vel_ctrl,distance 流用
vel_ctrl モータの速度制御を行う motor,encoder 流用
device デバイスファイルをopen/closeする 無し 流用
server サーバとのデータの送受信を行う 無し 追加
number 数字認識を行う 無し 流用
io タッチセンサ・赤外線受信センサの管理を行う 無し 変更
uss 超音波センサの管理を行う 無し 流用
motor モータを動かす 無し 流用
encoder エンコーダ値を管理する 無し 流用

5.3.3 モジュール構成図

モジュール構成図を以下に示す。


fig.6: モジュール構成図

5.購入物品

table5:購入物品一覧
物品 個数 用途 購入先 金額
アクリル丸棒
1
支柱を新たに製作するため
必要寸法:320[mm]
アクリル丸棒
直径15[mm] 長さ1000[mm]
アクリルアイ株式会社
820[円]
アクリル板
1
シャーシ、バンパ、たわみ防止板を新たに製作するため アクリル透明板
サイズ995[mm]×1000[mm]  厚さ3.0[mm]
アクリルアイ株式会社
3200[円]
赤外線受信センサ
4
怪盗機から発信される赤外線信号を認識するため ボールセンサー DER-542
株式会社ダイセン電子工業
1812[円]
[453円/個]
ダイオード
8
新規に購入するモータに合わせ、定格電流が高いダイオードが必要であるため ショットキーバリアダイオード 40V2A SB240LES
秋月電子通商
200[円]
[25円/個]
ギアヘッド
2
MIRSの機体の最高速度を向上させるため AO-8048 タミヤギヤヘッド K36
タミヤ
6480[円]
[3240円/個]
モータ
2
ギア比の変更に伴い減少するトルクを、モータの出力向上で補うため AO-8042 ギヤヘッド用 540モータ
タミヤ
4320[円]
[2160円/個]
紙粘土
3
エンターテイーメント性を追求し、装飾を施すため
必要な量:540[g]
Home Assist
594[円]
[198円/個]

6.開発スケジュール

以下に開発スケジュール(ガントチャート)を示す。

table6:開発スケジュール

沼津工業高等専門学校 電子制御工学科