MIRS2008  開発完了報告書

MIRS0801-DSGN-0004

 

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A01

2009/2/13

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和泉

初版

A02

2009/2/24

全員

和泉

2

 


目次

1.          本ドキュメントについて

2.          開発計画分析

3.          作業工数分析

4.          現システムの問題点

5.          競技会結果

6.          総括


1.       本ドキュメントについて

本ドキュメントは、MIRS0801の開発が完了した事を報告するものである。

 

2.       開発計画分析

MIRS0801の開発計画を以下に示す。

 

MIRS0801の実際の開発日程を示す。

 

     メカニクス

ポスト獲得機構の開発に時間がかかってしまった。ソフトウェアからの要求で、改善設計、製造を何度か行ったが、なかなか要求通りの物が出来なかった。

最終的にはポスト獲得機構は、ソフトウェア、マネージャーの3人で作成した。メカニクスの仕事は、主にパラメータの導出であった。

 

 

 

     エレクトロニクス

FPGAVFDモジュールともに予定よりも早く開発が完了した。開発が完了してからは、ソフトウェアの手伝いや、競技会に向けての準備等、各々で別の作業を行っていた。

ソフトウェアとの連携もとれ、統合試験も予定通りに行うことが出来た。

 

     ソフトウェア

ほぼ予定通りに開発が完了した。

メカニクスとの連携がとれず、MIRS本体のパラメータや、ポスト獲得機構との噛みあわせが悪く、不具合を生じる事もあった。

 

3.       作業工数分析

MIRS0801の開発における工数の分析の結果を以下に示す。

     26日現在

4.       現システムの問題点

MIRS0801の開発完了時点での問題点を示す。

     超音波センサの不具合

超音波センサの値にノイズが入る。あるときには、センサが突然動作しなくなる。

原因はドータボード側のコネクタとの接触不良であると思われる。コネクタを何度か抜き差しすると直る。

 

     ポストを獲得できない

周回動作に入ってもポストを獲得できない場合がある。

正対補正の精度が良くない事、パラメータの値が適切でなく、ポスト周回にずれが生じる事が原因であると考えられる。

 

     ポスト獲得用アームが展開しない

競技会にて初めて発生した不具合。MIRSのスタートと同時に展開するはずのポスト獲得用アームが本体上部のシャーシに引っかかり、展開しなかった。

MIRSをスタート位置に配置するときは注意しなければならない。

 

5.       競技会結果

MIRS0801の競技会の結果を示す。

 

     1回目

スタート時の白線を用いた正対補正の際に、存在しない白線を感知し、MIRS本体が回転してしまった。

競技場準備の際にアイロンを掛けた部分が白色に変色していた為、それを感知してしまったようだ。

     2回目

スタート位置をずらしたところ、白線の正対補正は成功。しかし、ポスト獲得用アームが展開せず、ポストを獲得出来なかった。

     結果

合計0点。

競技会の直前の試験では、順調にポストを4つ獲得していただけに、本番で誤動作が起きてしまったのが残念だった。本番での誤動作は、開発段階では1度も起きていなかった。

 

6.       総括

                   メカ

ポスト獲得機構を作製するにあたってのコンセプトは「simple is the best」でした。機構をできるだけ単純化し、複雑にしないことで失敗要素を減らそうとしました。

開発初期からアームはバネの力を使ってポストを獲得しようと思っていましたが、バネが弱すぎてポストが獲得できなかったり、強すぎてMIRS本体の位置を動かして誤差を生んでしまったりと考え方はシンプルでしたがいざ作製するとなるとバネの調整に苦労しました。バネ以外にもギア駆動でアームを動かす機構を考えましたが、最終的にアームはやはりバネにしようということにまとまりました。

 

協議会でアームは満足のいくものができましたが、結局本番ではスタート時のアームの飛び出し機構がつっかえてしまうという練習では1度もなかったトラブルにより残念な結果となってしまいました。物を作りだすことの大変さを身をもって感じました。

 

                   エレキ

エレキの反省点は、

@ (VFDの到着が遅かったこともあるが)VFDボードの開発に時間をかけすぎてしまったことである。VFDを制御するために、下調べや仕様書を(知識が足りなかったせいもあるが)十分に理解できずに扱ってしまったため、VFDの故障や、制御用PICの変更などが起こった。また注文してからVFDが届くまでの時間も想像以上にかかり、その時間をもう少し有効的に利用したかった。

A VDボード開発成功後の時間をエレキとして有効にすごせなかったことである。冬休み中にVFDボードが完成したので、新しい機能をつける時間も十分になく、ソフトやメカの補助をしたり、ムービーやプレゼンの作成をしたりした。

 

結果的に競技会での成績はよくなかったが、当初の目的のVFDボードを正常に動作させることができたのでよかった。

 

 

                   ソフト

          大会本番の結果は非常に残念なものになってしまった。原因としては、当日のコンディションに左右されやすいアルゴリズムや、テストに掛ける時間の不足なのではないかと思う。

どちらかというと複雑な機能より、簡単な基本動作に問題が残っていたのだと考えられる。

もっと熱心に開発に打ち込むことが出来れば、もっと良い結果が残せたであろうことを考えると、後悔の念は小さくない。

他のメンバーとの協力が上手く出来なかったのはとても申し訳なく思う。

しかし一年間のMIRSのソフトウェア開発を通して多くのことを学ぶことが出来た。また、今までの学習を活かすことが出来たと思う。これらの経験は今後に充分活かしたい。

 

マネージャーから

どの部署も良くがんばってくれたと感じる。

ただ、各部署の連携が上手く取れていなかった事は反省すべき点であり、マネージャーの責任が大きいと思う。

MIRS0801のメンバーのほとんどは、個性が強く、扱いが難しかった。

        しばらく開発の様子を見た結果、自分の中で各部署の方針を決めた。

 

・メカニクス

メカニクスの仕事ではなくても、定期的に仕事を与える。

・エレクトロニクス

人数が3人居たので、エレキの部署をさらに分割し、(FPGA、回路設計、アセンブラ)別の作業を行わせる。

・ソフトウェア

開発に関しては指示をしない。統合試験など、他部署との連携が必要な場合にのみ指示を与える。

 

これがMIRS0801の開発方針であった。

 

部署ごとに作業をさせることで効率を上げることができるが、自分としては部署の垣根を越えて、楽しい雰囲気で開発がしたかった。

 

ただ、個人個人の能力は非常に高く、部署間の連携がほとんどなかった分をカバーしてくれた。

競技会の結果は残念だったが、MIRS0801の出来は素晴らしかったと思う。

 

 


 

関連文書

         MIRS0801 開発計画書(MIRS0801-DSGN-0003