沼津高専 電子制御工学科
MIRS0402 開発完了報告書
MIRS0402-DSGN-0011
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2004.2.25 渡邉 前田 初版

目次
  1. はじめに
  2. 開発過程
  3. 結果
    1. プレ競技会
    2. 競技会
  4. 作業工数分析
  5. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
    2. エレクトロニクス
    3. ソフトウェア
  6. まとめ
  7. マネージャーより
  8. ドキュメントマネージャーより

  1. はじめに

  2. これはMIRS0402の開発完了報告であり、これまでの作業過程、作業工数、競技会の結果を示したものである。

  3. 開発過程

  4. 以下に開発計画と対比させた開発過程を示す。

         
      開発項目 開始(計画) 開始(作業) 終了(計画) 終了(作業)
      ドキュメント作成(メカ) 2004/09/03 2004/09/03 2004/09/21 2004/09/10
      ドキュメント作成(エレキ) 2004/09/03 2004/09/03 2004/09/21 2004/09/14
      ドキュメント作成(ソフト) 2004/09/03 2003/04/22 2004/09/21 2004/09/17
      製造(メカ) 2004/09/30 2004/11/08 2004/11/21 2005/01/24
      製造(エレキ) 2004/09/30 2004/11/08 2004/11/21 2005/1/31
      製造(ソフト) 2004/09/30 2004/11/08 2004/11/21 2005/02/03
      改善・調整(メカ) 2004/12/1 2005/01/25 2004/12/16 2005/02/03
      改善・調整(エレキ) 2004/12/1 -- 2004/12/16 --
      改善・調整(ソフト) 2004/12/1 -- 2004/12/16 --
      最終調整・改良(メカ) 2004/12/17 -- 2005/02/03 --
      最終調整・改良(エレキ) 2004/12/17 -- 2005/02/03 --
      最終調整・改良(ソフト) 2004/12/17 2004/12/01 2005/02/03 2004/02/06

    上記のように開発計画に比べ随分実際の作業が遅れている。エレキとメカがモータドライバの故障やシャフトを使用したアームの失敗などでタイムロスが大きかった ため、あまりソフトの開発に時間をかけられなかったというのが見られる。

  5. 結果

    1. プレ競技会

    2. 競技会

  6. 作業工数分析
    1. 開発項目 工数(h)
      メカ(3人) 001.調査、学習 18.5
      002.システム開発計画立案 3.0
      003.基本設計 25.5
      004.詳細設計 89.5
      005.製造 745.5
      006.サブシステム試験 0.0
      007.システム試験 0.0
      008.改善設計 0.0
      009.ドキュメント整備 21.0
      010.ミーティング 9.0
      011.その他 73.0
      メカニクス合計
      715.0
      エレキ(2人) 001.調査、学習 27.5
      002.システム開発計画立案 0.0
      003.基本設計 0.0
      004.詳細設計 73.0
      005.製造 346.0
      006.サブシステム試験 13.5
      007.システム試験 6.5
      008.改善設計 0.0
      009.ドキュメント整備 32.0
      010.ミーティング 6.0
      011.その他 103.5
      エレクトロニクス合計
      608.0
      ソフト(3人) 001.調査、学習 18.5
      002.システム開発計画立案 46.5
      003.基本設計 0.0
      004.詳細設計 93.0
      005.製造 625.2
      006.サブシステム試験 180.0
      007.システム試験 7.0
      008.改善設計 38.5
      009.ドキュメント整備 38.0
      010.ミーティング 28.0
      011.その他 109.5
      ソフトウェア合計
      1143.2
      全部門合計
      2466.2

  7. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
    2. 問題点
      原因
      解決策
      1 シャーシが3mmだった
      製造仕様書どおりに作成しなかったため
      5mmの塩ビ板で作り直したが、ギアがうまくかみ合わなかったので、3mmをそのまま利用した
      2 レール破損 接着が甘かった。 再度レール作成。
      3 レール射程が短い 設計ミス 再度、レール、ラック、バンパー作成.
      4 スプリングジョイント破損 軸のジョイントに差し込む部分が長く、内側から突き破ってしまった。 モーターの位置を変更。ジョイントを使わず、ギアで対応できるようにした。

    3. エレクトロニクス
    4. 問題点 原因 解決策
      1 アーム用モータの動作が不安定。 ドータボードとアームボードのGNDを共通にしてなかったため。(?) GNDを共通にした。
      2 アームボードでモータドライバを介した後、電圧が出力されない。 ショートによる(?)モータドライバの故障 モータドライバの交換
      3 MIRSがよく再起動する。 電源用の2ピンコネクタに使用している金属部が正常なものでなかった。 コネクタを付け替えた。
      4 超音波センサ2つが壊れていた。 不明 超音波センサのボードを作り直し、新しいセンサを使用。。
      5 ドータボードにアーム用とタッチセンサ用のコネクタが足りない。 タッチセンサを多く使用し、アームを制御するのにも必要だから。 ドータボードを作り直した。
      6 電源ボードからアーム用に電源を供給したい。 アームを使用する際に電源を供給する必要があるから。 電源ボードを改良し、駆動系電源からアームにも電源を供給。
      7 各センサの動作不良。 ほとんどの場合が、ケーブル不良のため。 新しいケーブルを使用。

    5. ソフトウェア

    6. 問題点 原因 解決策
      1 ポストがないのにMIRSがポストを認識してしまい、何もないところでポストの周回を始める。 超音波センサに異常があった。 エレキ担当に超音波センサの作り直しを指示した。
      2 タッチセンサのついていないところにMIRSが激突すると、MIRSが止まってしまい、回避動作も行わない。 タッチセンサの形状 フロントバンパーをワイドにした。
      3 "Segmentation fault"というエラーが頻出した。 配列のサイズを超えた要素に、数値を代入しようとすると、起こるエラーのようだ。 デバッグメッセージを表示させるようにして、エラーの起きる位置を特定し、直した。
      4 垂直補正の際、MIRSがとまってしまう。 機体が重すぎた。 モーターの出力を増やすため、パラメータを変更しなおした。
      5 二つ以上のタスクを動かしているのに、片方のタスクしか動作しない(例:超音波センサでポストを探索しながら、前進する)。 スリープ時間が足りない。 スリープ時間を増やした。それでも直らないときは、MIRSを再起動することで改善した。
      6 その他 プログラムが不完全 デバッグメッセージを表示させるようにして、エラーの起きる位置を特定し、直した。

  8. 総括
  9. メカニクス:

      標準機シャーシの改造ができないので、「プラ板で土台をつくり、そこへ自由にネジ穴を空ける。」という発想はとても良かったと思う。実際、部品配置の自由度も大幅に広がるなどの利点も得られた。苦労したのは、ピニオン軸とモーターの接続だった。高額なスプリングジョイントが一瞬でねじ切れるのは、見ていてかなりショックだった。アーム機構の実装により、どうしてもMIRS左側に重心が偏ってしまう。モーターやバッテリーの配置位置の工夫で、偏りが少ないようにはしてみたものの、MIRS旋回動作にかなり影響が出てしまった。その点を除けば、大体理想通りに仕上がったので良かったと思う。

    エレクトロニクス:

      エレクトロニクスのやるべきことはアームボードの作成、ドータボードや電源ボードの改良などそんなに多くはなく、終わり次第ソフトの開発を手伝うという予定でしたが、やはりそんなにうまくはいきませんでした。アームボードは一時は動いたもののその後なぜか動かなくなったんで、出力を増やすための増幅回路を作ったりいろいろしましたが結局はモータドライバの故障でした。ドータボードも新しくピンを増やすため何度も作り直しました。超音波センサも故障したので、そのボードを切ったりもしました。かなりの時間をボード作成に使った気がします。また、本格的に学校に残り始めたのが冬休み明けだったのでそれまでは予想以上に進みませんでした。それに加え、モータドライバの故障に気づくまでに非常に時間がかかってしまったため結局エレキが完璧に完成したのが、競技会の4,5日前になってしまい、ほとんどソフト開発にタッチできないという結果になってしまいました。ソフトウェア担当のメンバーに本当に迷惑をかけてしまったと思っています。競技会の結果はあまりよくなかったんですが、自分でモータドライバの使い方やボードの作成方法などを調べて、一から何かを作るというこの授業はとても自分たちにとって大きなプラスになったと思います。

    ソフトウェア:

      失敗した一番の原因は、やはりスケジュールを軽視していたことだと思う。製造スケジュールどおりに製作はできなかったにしても、それに対して何らかの対策なりアクションを起こすべきだった。競技会の日に一日徹夜してできるようなものではない。
      またアームの完成が予定より遅れてしまって、MIRSを頻繁に分解したり組み立てなおしたりしていたので、その度にソフトウェアのデバッグを中止せざるを得ず、思ったより製造がはかどらなかった。
      ただ、ソフトウェアの設計は正確にできていたし、時間をしっかり管理していれば、0点という結果を回避するだけでなく、そこそこの成績が望めたと思う。

  10. マネージャーより
    1. 電子機械設計製作を通して、学ぶべき事項は、設計によるドキュメントの重要性を知ることと、チーム内でリーダーシップを発揮してチームを運営することを学ぶ、ということだった。その目標は、半分は達成されたと思う。
      設計によるドキュメントの重要性は、身をもって知ることができた。ドキュメントの重要性というより、設計段階でいかに実際の製作現場を想定できるかが、大切だということが分かった。
      チームでの協力は、一番重視してきたことだが、班員が協力的だったので助かった。仕事の分担は、意外と難しいということ、指示したことについて責任を負わされること、いろいろを体験的に学べた。
      MIRSのような授業はこれからも継続し、発展させていってほしいと思う。
      最後に、一年間一緒にMIRSを作ってきた班員に、感謝しています。

  11. ドキュメントマネージャーより
    1. 僕は一年間 document manager を担当していましたが、仕事の大部分は manager の前田さんに手伝っていただきました。本来、manager の補佐的役割を担うはずの document manager ですが、メンバーの統括もうまくできず、申し訳なく思っております。 MIRS 競技会では残念ながら、MIRS0402 の活躍を披露することができませんでしたが、一年間の開発作業はとても苦労してきたので、充実していたと思います(開発内容の完成度は別にして)。それは僕だけでなく、一年間がんばってきた班員全員が感じていることだと思います。メカ の作業もとても大変でしたが、楽しかったし勉強になったと思います。ありがとうございました。


関連ドキュメント
ドキュメント番号 ドキュメント名称 作成者