沼津高専 電子制御工学科
MIRS0003基本設計書
MIRS0003-DSGN-0002
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2001.2.2 全員 関野 初版
A02 2001.2.13 全員 関野 概観図、ドーターボード図、ハードウェア構成ツリー図、モード遷移図の修正・追加
ソフトウェア(動作モード)の詳細の追加
システム概要(ハードウェア)のスイッチの個数の追加
ソフトウェアビジビリティのI/Oアドレスの追加
A03 2001.4.18 全員 関野 モード遷移表の修正
A04 2001.6.22 全員 関野 ソフトウェア構成の修正
A05 2001.10.20 関野 関野 外観図の次の部分を変更。
シャーシ2階から3階の高さを70mmから60mm。
超音波センサの配置。
車輪とその周辺のシャーシのサイズ。
塩ビ板の一辺のサイズを115mmから124mm。
バンパーとシャーシの間隔を10mmから7mm。
赤外線センサの配置を3階シャーシ上から2階シャーシ下。

目次

  1. はじめに
  2. システム概要
    1. ハードウェア
    2. ソフトウェア
    3. 競技会行動計画
  3. 諸元
    1. 外観
    2. 機能試験
  4. ハードウェア構成
    1. ハードウェア構成ツリー
    2. エレクトロニクス回路構成/機能
    3. エレクトロニクス回路基板外形
    4. ソフトウェアビジビリティ
  5. ソフトウェア構成
    1. ATL-MIRS 標準 ライブラリ
    2. 動作モードとその遷移
    3. モジュール定義
    4. モードの構成要素
  6. システム試験
    1. システム試験概要
    2. システム試験詳細

1 はじめに

本仕様書はMIRS2000競技規定に基づきMIRS0003チームの作成する自立型小型知能ロボットの基本仕様を記述する。

2 システム概要

  1. ハードウェア

    MIRS0003システムのハードウェアは標準MIRS(注1)に準ずる構成を有する。MIRS0003固有の機能を実現するための変更点がある。以下に標準MIRSと異なる点を述べる。 (注1)2000年1月現在、標準 MIRS は、5年生卒研の ATL-MIRS プロジェクトで開発中である。開発ドキュメントは MIRSATLM ドキュメント管理台帳 を参照のこと。
  2. ソフトウェア

    MIRS0003システムのソフトウェアは標準MIRSに準ずる構成を有する。以下にその概要を述べる。

    (注2)標準MIRSの実装OSについては MIRSATLM 実装OS環境仕様書 を参照のこと。
  3. 競技会行動計画

    1. 1回目、2回目共に競技はあらかじめ決められたルート(壁から45cm内側に入ったところ)を走行する。
    2. 競技開始後、スタート位置からルートに入る 。
    3. 右方の1つの超音波センサにより壁との距離を一定に保つ。
    4. 左方の超音波センサ,でポストを見つけたら、それを獲得しにいく。また獲得モードのときは前方の超音波センサ、タッチセンサでポストを発見する。
    5. タッチセンサがポストにあたったところで少し下がり、ポストのスイッチを少し曲がって走行するだけで押せるくらい近くの周回軌道を回る。
    6. すべての赤外線センサでポストのスイッチを探し、見つけ次第向きを変え、ポストを獲得する。
    7. 残りの周回軌道を回り、もときた方に戻る。
    8. 前方の超音波センサにより壁との距離を測り、ルートに戻る。   
    9. ルートを1周回り、まだ獲得できていないポストがある場合、一直線に真中を横切る。   
    10. 前方の赤外線センサでポストを見つけたら、タッチセンサがあたるまで前進する。   
    11. ポスト獲得モード(2.3と同様)終了後、ポストの回りを180度回転し、元の軌道に戻る。

    行動計画の詳細は、MIRS0003行動計画提案書に記載されている。

3 諸元

  1. 外観

    図1に本システムの外観を示す。

    図1. MIRS0003外観図

  2. 機能性能

4 ハードウェア構成

  1. ハードウェア構成ツリー

    下記にハードウェアの構成を示す。


    図2.ハードウェアの構成ツリー
  2. エレクトロニクス回路構成/機能

    エレクトロニクス回路を機能ブロックに分割し、各ブロックの機能を定義する。また、各機能がどのような回路基板に搭載されるかを明記し、基板間のインターフェースを決める。インターフェースに関して、信号の論理仕様、電気的仕様、コネクタ形状、ピンアサインなどを決めておくのが望ましいが、機構の設計に支障が無ければ厳密に決めておかなくても良い。基板間のインタフェース仕様は、詳細設計仕様書で規定する。

    図3.MIRS0003エレクトロニクス回路ブロック

    各部の機能

    1. CPUボード部(CPUボード)
      AT-461VREP
      基本システムとして必要な機能の全てと、Flash ROM Disk機能、EtherNet、VGAを内蔵したCPU付IBM AT互換カード
      • AMD社製AM486DX5-133(SQFP)を実装済み。(クロック: 133MHz)   
      • 2次キャッシュ・メモリは256KB内蔵し、AT-461VREPは最大64MBのD-RAMが搭載可能
      • ボード上にブート可能な、FlashROMDiskであるM-Systems社製のDiskOnChip(8〜144MB、オプション)が搭載可能

    2. フラッシュディスク(FD)
      • 記憶媒体   
    3. FPGAボード部(FPGAボード)
      各センサの信号、制御信号の処理、各入出力機能の制御。
      • タッチセンサ信号・赤外線センサ信号・超音波センサ信号の処理
      • パワーオン信号・ロータリーエンコーダ信号の処理
      • 液晶表示ディスプレイ制御信号・モータパワー制御信号の処理
      • ハードウェア割り込み処理   
      • 上記の各入出力機能の制御

    4. ドーターボード部
      • FPGAボードで行っているATLMIRS独自の入出力機能の制御を補助するためのボード
    5. 液晶ディスプレイ部 (LCD)
      • MIRSの状態を表示するためのもの
    6. 超音波センサ部(USS)
      •  40kHzの超音波を使用して距離を測定する。MIRSと壁との距離を測定、ポストの発見、距離の測定に使用する。
    7. 赤外線センサ部(IRS)
      • 3つのセンサを使って、ポストから発信される赤外線を受信し、 ポストを獲得するのに使用する。
    8. タッチセンサ部(TS)
      • MIRSがポスト到達モード(超音波センサで発見したポストへ向かって移動するモード)時に、ポストに接触し、ポストを認識するために使用する。
      • 誤動作で障害物(壁、ポール)などに衝突した場合、MIRSが障害物を認識するために使用する。
    9. 電源ボード部 (PDボード)
      • エレクトロニクス回路用の5v電源、駆動用の12v電源を用意する。それぞれの電源は分離されている。
    10. ロータリエンコーダ制御部
      • タイヤの回転数をパルスにして、回転子の回転数と速度の検出を行う。 仕組みはLEDの光を、スリットで通過、遮断させ、それを受光素子で検出後、信号にする カウンタ回路はカウンタ(7bit)と方向判別(1bit)の両方を兼ね備えている。
    11. pwm回路部
      • ロータリーエンコーダのデータと与えた速度データを比較し、MIRSの速さを制御する。
    12. モータ制御部(MPC)
      • DCモーターは一般に言う直流モーターのことであり直流電源でまわる。大きな起動トルク、出力効率の良さが特徴。PWM制御からのパルスによってエネルギーを得る。このパルス幅を変調することによって 結果的にモーターへの供給エネルギーを調整することが出来る。この制御法は、電力パルスがオンの時だけモーター電流を流す。また、パルスのデューティー比を変えることによって、モーターの回転数が変わる。
    13. テンキー(TEN)
      • MIRSを直接制御するインターフェイス
  3. エレクトロニクス回路基板外形
    1. 下記については標準MIRS基板を使用するので MIRS データベースを参照すること。

    2. ドーターボード
      • FPGA の20pin ジャンパコネクに接続したとき、ISA ラックに収納可能なこと。
      • IO 接続がコネクタが ISA ラックの外に出て、ケーブルの取外しが容易であること。ただし、不必要にラックの外に飛び出さないこと。
      • ボード外形を図3に示す。

        図3. ドーターボード外形図


  4. ソフトウェアビジビリティ
    MIRS0003ではタッチセンサの個数を7個にするため以下のようにアドレスを割り当てることとする。

    タッチセンサ、赤外線センサ、パワーオン信号処理モジュールのソフトウェアビジビリティ
    アドレス
    D15
    D14
    D13
    D12
    D11
    D10
    D9
    D8
    D7
    D6
    D5
    D4
    D3
    D2
    D1
    D0
    R/W
    機能説明
    140H
    PO
    TS6
    TS5
    TS4
    TS3
    TS2
    TS1
    TS0
    '0'
    '0'
    IRS5
    IRS4
    IRS3
    IRS2
    IRS1
    IRS0
    R
    POはパワーオン信号、TS*はタッチセンサ、
    IRS*は赤外線センサの状態をそれぞれ示す。
    0142H
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    *
    M
    R
    W
    TIP_Mの割り込み信号(IRQ6)のマスク、アンマスク、リセットを行う。

    * PO , TS* , IRS* ・・・ '1' : ON '0' : OFF * M ・・・ '1' : 割り込み信号のマスク '0' : 割り込み信号のアンマスク
    * R ・・・ '1' : 割り込み信号のリセット

    そのほかについては標準MIRSソフトウェアビジビリティ(暫定版)の仕様と同一である。

5 ソフトウェア

6 システム試験

  1. システム試験概要

    システム試験はシステムの組立が完了した段階で、基本設計書の内容に適合しているかどうかを試験する。システム試験を実施する際には、各サブシステムで規定されるサブシステム試験に合格していなければならない。 試験は以下の項目について行われる。

  2. システム試験詳細

    システム試験の詳細は、下記の試験仕様書に記載される。
    MIR0003システム試験仕様書

関連文書