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ネチケットに関する考察

制御・情報システム工学専攻
渡邉篤史


目次

ネチケットとは何か?            

電子メールを使う上でのネチケット    

   1.送り先のアドレスについて     

   2.題名(Subject)について      

   3.文章の構成(書き方)について   

   4.文章の内容について        

   5.署名(signature)について     

   6.引用について            

   7.ネットワークについて        

   8.情報の伝達について        

   9.その他                



ネチケットとは何か?

ネットワーク・エチケット(Network + Etiquette)を一語にまとめた造語です。インターネットや電子メールなどを利用するときに守るべきマナーのことです。

《 ネチケットを守らない→法律違反 》 というわけではありません。だからといってネチケットを守らない人が増えたら大変なことになります。現在のネットワークの世界は、ネチケットがあるから成り立っているのです。

ネチケットは自分がどこに参加しているかによって違ってきます。そのため、非常にたくさんのネチケットが存在します。今回は電子メールを利用するときのネチケットについて考察をします。




電子メールを使う上でのネチケット

自分が一番良く使うであろう『電子メール』についてのネチケットについてまとめました。しかし、ここにまとめたものがすべてだとは言えません。この他にもたくさんあるでしょうが、このくらいを知っておけば困らないという程度でまとめました。



1. 送り先のアドレスについて


送(返)信先のアドレスが正しいか確かめる

間違った、あるいは意図しない相手に送らない様にしましょう。

メールを送る時には送信ボタンを押す前に、必ず宛先(To: Cc:)をチェックしましょう。

間違ったアドレスに送ってしまうと、エラーメールが帰ってきて2重のコストになってしまいます。相手方のサイトだけでなく、経由したサイトにも迷惑をかけることになります。




2. 題名(Subject)について


Subjectに漢字を使うときは注意する

Subjectはなるべく付けるようにしましょう。Subjectを付ければ、相手にこのメールがどのようなことについてのメールか知らせることが出来ます。

Subjectに漢字を使うのは避けた方が良いでしょう。なぜなら、漢字が文字化けしてしまう可能性があるからです。現在はSubjectに漢字が使える場合が、大勢の人の努力で増えました。しかし、まだSubjectが漢字に対応していない中継サイトがあったり、メールソフトにバグが存在することがあります。ですから、Subjectに漢字は使わない様にしましょう。

漢字を使わない様にするのはSubjectだけで結構です。本文には漢字は使えます。お間違えの無い様に。




3. 文章の構成(書き方)について


一行は60(漢字なら30)字程度で改行する

通常エディタの一行は80字です。しかし、相手がどのようなメーラで読んでいるか分かりません。しかも、メーラによって80字を超えたときの扱いが違うのです。自動的に折り返してくれるものもあれば、そうでないものもあるのです。どちらにしても非常に読みにくいものになってしまいます。

また、一行が非常に長い(255字以上)と、メール配送プログラムが通さない事もあります。

以上の理由により一行は60字程度にとどめておくにしましょう。

 

用件がはっきり分かる短いメールにする

メールを読むときは、あまり時間をかけて読むことはありません(自分だけかも)。そしてあまりに長い文章だと、読む側にとっては「面倒くさい」という気持ちになってしまいます。

従って、メールを書くときには相手が見る気になるような、また一目で用件が分かるような書き方をするべきなのです。

具体的には、「要点を先に書く」、「箇条書きにまとめる」といった書き方をすれば良いでしょう。

手紙を書くときのように、余計な美辞麗句は必要ありません。読みづらくなってしまいます。

もしどうしても長い文章を書かなければならないときは、最初に断りを入れましょう。そうすれば相手は余裕のあるときに読んでくれるでしょう。

 

文章の区切りは「空行」で

文の切れ目は「改行」ではなく、「空行」で表すようにしましょう。

文の切れ目を「改行」で表すと、要点が取りにくくなってしまうのです。「空行」で表せば文の要点も取りやすくなるし、読みやすくもなるのです。

 

意味も無く一行おきに書かない

すぐ上の項目でも示した通り、空行は文の区切りとしてのみ使いましょう。とても読みづらくなってしまいます。

エディターによっては一行おきに書いた方が見やすい場合もありますが、相手のエディターが必ずしもそうとは限らないのです。

 

「半角カナ」、機種依存文字、補助漢字を使わない

多くのメーラは「半角カナ」に対応しておらず、もし「半角カナ」を使ってメールを送ってしまったら文字化けして相手がそのメールを読むことが出来なくなります。カナを使う場合には「全角カナ」を使いましょう。

機種依存文字とは、その機種独自の実装をした文字のことです。機種によって表示する文字が違ってきます。例えば、丸数字などの特殊記号がそうです。

旧漢字などの補助漢字は、すべての機種が対応しているわけではありません。

以上のような文字を使うと、文字化けをしたり、自分が思っている表示と違う表示をして今います。これらの文字を使わないでメールを書くことを心がけましょう。




4. 文章の内容について


出す前に相手の立場になって読み返す

「あなたは相手にメールで書いたことを面と向かって言えますか?」

文章を書き終えたら、必ずその文章を相手の立場になって読み直してみましょう。あなたが相手を傷付けるつもりで書いてなくても相手は傷ついてしまったり、あなたが相手を怒らせるつもりで書いていなくても相手は怒ってしまったりと、あなたが意図していないような受け取り方を相手はしてしまうのです。

メールでは相手があなたの顔を見ることが出来ません。また、あなたも相手の顔を見ることが出来ません。お互いにどのような状況か、どのような環境か分からないことが多いはずです。あなたが信じている常識がそこでは通用しないことも多いのです。

メールを書くときには、相手の立場になって、相手の気持ちを考えて書くよう心がけてください。




5. 署名(signature)について


signatureは短めにする

signature(メールの最後に付ける署名)はあなたを表すものです。また、本文の終わりを示すものでもありますからなるべく付けた方が良いでしょう。

メールを使い始めたばかりの頃はsignarureに凝るものです。しかし、あなたがいくら気に入ったsignatureだからといって、必ずしも相手が喜ぶとは限らないのです。同じ相手と何度もやり取りをすれば、同じsignatureを何度も相手に読ませることになります。すると長いsignatureは邪魔になるだけなのです。

signatureを作成する場合は、4行ぐらいを目安にすると良いでしょう。不要な情報を省き、簡素なものが良いです。派手なsignatureは所詮自己満足に過ぎないのです。




6. 引用について


著作権を尊重する

歌詞や小説、画像などは著作物です。安易にメールで流したりしてはいけません。

また、メールやNetNewsの記事も著作物になります。第三者のメールなどを引用するのにも注意が必要になります。プライベート保護の意味からも、あなた当てに来た第三者のメールを無許可で引用しては行けません。

引用をする際には十分気を付けてください。

 

引用は短めにする

相手の文を引用して議論する場合、その議論に関係する部分だけを引用するようにしましょう。無意味に関係ない部分やあるいは全文、ひどい場合にはsignitureを引用する人がいますが、読み手にとっては苦痛でしかありません。

内容の改変にならない限り、一部を取り出す、改行位置を変えるなどの編集をしても良いでしょう。

引用は短ければ短いほど良いというわけではありません。短すぎると相手の文意が正しく伝わらないことがあります。かといって、長いと冗長で読みづらくなり、あなたの意図が正しく伝わりません。

基本としては段落を単位とすれば良いでしょう。




7. ネットワークについて


chain mailを出さない、転送しない

chain mailとは不幸・幸福の手紙のように、数人の人に転送を強要したりするものや、回覧メールのように不特定に転送を依頼したメールのことです。

chain mailは受け取る人に迷惑がかかるだけでなくネットワークに多大な負荷をかけることになり、ネットワークの機能を麻痺させてしまうのです。

如何なる場合でもchain mailを出してはいけませんし、chain mailを正当化する如何なる理由も存在しないのです。絶対にやってはいけません。

 

非常に大きいサイズのファイルを送ってはいけない

メールを送るときには、50byte以下、あるいは1000行以下を目安にして、もし超えてしまう場合には分割をしましょう。これを守らないと途中で切れてしまったり、相手方や経由するサイトに迷惑をかけたりしてしまいます。

実際にはこれを超えて送ることが可能な場合も多いです。しかし、一般的な心構えとして覚えていた方が良いでしょう。




8. 情報の伝達について


電子メール以外に適切な手段があればそれを利用する

電子メールは便利なメディアですが、万能というわけではありません。あなたがメールを送っても、あいてに必ず着く事が保証されているわけではありませんし、秘密が守られる保証も無いのです。

早急な返事が必要な場合に電子メールは不適切な場合がありますし、簡単な意志の疎通に何回もメールのやり取りをするのは非効率的です。電子メール以外の伝達手段が有効な場合はそちらを選択するようにしましょう。

電子メールの長所・短所を生かして有効に使い分けしましょう。

 

秘密事項は書かない

電子メールはネットワークを通して配送され、複数のコンピュータを通ります。このとき、メールの内容が第三者に読まれない絶対の保証はありません。葉書に書いて困るような内容(クレジットカードの番号等)を電子メールで出さないのが安全です。




9. その他


人の過ちには寛容に

相手にマナーを要求してはいけません。あなたは丁寧で誠実な言葉で手紙を書く人かもしれません。でも、他人にはそれを要求するのはやめましょう。

誰でもかつてはネットワークの初心者でした。しかも、誰もがネチケットに関してすべての事を知っているわけではりません。相手が間違いをしたら、やさしく対応してあげましょう。それが小さい間違いならば何も言ってあげる必要はないでしょう。これは何か言ってあげなければと思う前に良く考えてください。あなた自身のマナーが良いからといって、他人の行為を直すことが許されているわけではないのです。

相手に教えてあげる場合には、決して傲慢であったり、自分の考えを押し付けるようなことはやめましょう。

「自分に厳しく、相手には寛大に」 これが旨くやっていくコツです。



まとめ

今回電子メールに関するネチケットについて考察したことによって、今まで良く考えていなかったことをあらためてしっかり考える事が出来るようになりました。また、知らなかったことも学ぶことが出来ました。しかし、ここに挙げたことがすべてではありません。最低限覚えておいた方が良いというぐらいです。

また、電子メールを使うとき以外にもネチケットは存在します。従って、その他のことに関しても基本的なことは知っておいた方が良いと思います。



<参考ホームページ>




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