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A、ハッキング事件1.マティアス・シュピール(偽名)有名なハッカーの1人「マティアス・シュピール」は、ドイツのハノーバーの大学にある自分の基地から、米国のローレンス・バークレ−研究所、バージーニア州ノーフオークのアメリカ海軍情報センター、米国やドイツの種々の陸海軍基地、大学所有の重要施設など、米国、ドイツ、カナダ、日本の30ものコンピュータシステムに侵入した。 このようなハッカーを逮捕するには、電話の逆探知をするしかない。逆探知を成功させるには、長時間にわたって電話回線を接続させておく必要がある。そのためには、トッブシークレット情報が含まれているように見せかけたダミーファイルにハッカーをおびきよせ、このファイルのダウンロードのために長時間接続させておく方法が使われる。 2.カオス・コンピュータクラブ ドイツのハンブルクにあるカオス・コンピュータクラブも有名なハッカーである。このハッカ−は、NASAのSPAN(Space Physics Analysis Network)を利用して、6力月の間に世界中の175台のコンピュータに侵入したという。その中にはドイツのマックス・プランク研究所、マサチューセッツ工科大学、バリ天文台のコンピュータが含まれている。このハッ力−はソ連のチェルノブイリ原発事故の際、当時の西ドイツ政府よりも多くの情報を一般に流している。この情報は、すべて政府のコンピュータに不法侵入して得た情報である。 B、コンピュータウイルス事件1. ワーム事件1988年11月米国コーネル大学コンピュータサイエンス学科の学生ロバートモリス(当時23歳)は、NASAのエイムス研究センターやマサチューセッツ工科大学、その他米国の大学を結ぶネットワークをまひさせる「ワーム」によって、発見されるまでに6000台の機械に漫延した。この「ワーム」は、ネットワーク指向で、ネットワーク上の休止中のワ一クステーションや端末機を探し出して感染する繁殖型のプログラムである。 |
事例1 電子掲示板を利用した薬物売買事件大手パソコン通信ネットワークの電子掲示板に「ミンザイ売ります」(注:「ミンザイ」 とは、「ハルシオン」等に代表される向精神薬の略語。)という広告を掲示し、電子メールにより注文してきた密買客に対して電子メールにより銀行口座を指定し、代金の振り込みと引換えに薬物を郵送していたもの。協力者の通報により端緒を得、協力者の協力により手口等を解明し、検挙に至ったものの、被疑者の実名等の確認は困難であり、また、密買人はほぼ全国の区域にわたる広域犯罪であった。事例2 電子掲示板を利用した商品販売名下の広域詐欺事件大手パソコン通信ネットワークの電子掲示板に「パソコン売ります」とのメッセージを掲示し、電子メール又は電話により問い合わせてきた客に対して、電子メール等により銀行口座を指定し、代金の振り込みをさせたもの。被害者からの届出により認知され、検挙に至ったが、他にも多数の被害者がいたにもかかわらず、これらは被疑者との交信をIDとハンドルネームで行っており、人定の確認には至らない者も多かった。 これらはいずれもパソコン通信を媒介にして、薬物密売、わいせつ図画頒布及び詐欺の従来型犯罪を行ったものである。しかしパソコン通信の特性を悪用することによって、被疑者・被害者の匿名性を高めること、人定を困難にすること、不特定多数の関心ある客を遠隔地にあっても容易に誘引し得ること、売買等の記録を容易に消去できることなど、行を容易にし、認知、捜査、検挙を困難にする要因を生じさせている。事例3 パソコン通信を利用したわいせつ図画公然陳列事件パソコンネットワークを開設し、わいせつ画像をホストコンピュータに記憶させ、大手パソコン通信の電子掲示板を活用して募集したパソコン通信の不特定多数の会員が常時閲覧可能となる状況を設定し、当該わいせつ画像をアクセスしてきた会員に閲覧させていたもの。住民・関係機関等からの通報により認知し、検挙に至った。わいせつ画像そのものが公に陳列・流通するものではなく、認知は極めて困難であり、アクセスや料金振り込みにはすべてIDが活用されていたことから、会員の特定が困難であった。また、会員の募集は大手パソコン通信を活用してなされていたことから、会員は広域・広範にわたっていた。会員の中には高校生も含まれており、このようなわいせつ画像に少年が自由にアクセスできるという問題が顕在化した。 |