卒研テーマ:磁気処理水についての研究

            

目的

磁気処理水とは水を磁界の中に通過または循環させたものであり、従来からさまざまな研究が行われてきた。業界誌、学会誌などを通じて化学的、生物学的効用があげられ、医学 的にも効果が期待されている。ここで、これまでに報告されている磁気処理水の特性をあげると通常の水と比べ、

・水和錯体生成を速める
・結晶生成の促進、結晶系の変化
・物質の溶解、吸着の変化
・伝導率、誘電率の変化と、それに伴う加水分解反応の促進
・光吸収、屈折率の変化
・赤外線スペクトルの変化
・粘度、表面張力の変化
・相転移の変化
・生物系への影響
などがある。しかし、磁気処理効果はその作用機構が不明瞭で、水によって効果が生じた り生じなかったりと信頼性が低い状態にある。本研究の目的は、その中で最も実用化が進 んでいるスケール(水あか)防止効果について検証し、その作用機構を解明することにある。 また併せて他の性質についても検証を行う。

原理

磁気処理後の水系の変化における、現在の一般的な原理は、クラスターという概念を用いて考えられている。クラスターというのは、2個以上の分子が何らかの力(水の場合は水素結合)で結合している集合体のことであり、最近の研究では、水のクラスターは10〜50個の分子であると発表されている。水を磁気処理するとこのクラスターが小さくなる、とい われている。その理由としては、水が磁場を通過するとフレミングの法則(F=qv×B)により水分子に力が与えられ、その力によって水素結合が切断される、というのが一般的である。

現状報告

現在は、スケール防止効果について検証中ですが、良好な結果は得られていません。

実験結果

現象 水道水から珪酸を重合分離するには最適流速がある。

最適流速は乱流である。

考察

溶存珪酸の電気双極子が磁界の方向に整列する。

隣あった水素と酸素から水が形成され,除去されて酸素珪素間の結合が形成される。

乱流領域なので,磁界通過時間内での整列と衝突の起こる確率が高くなる。

流速が速すぎると磁界を通過する時間が減少するので珪酸生成量が減少する。

過去の結果との関連

磁気処理について

ろ紙の測定

測定中に粒子に電荷がたまり,粒子が欠落する恐れがある。

マイラのフィルムの上にのせて測定する。

珪素の強度が落ちる恐れがあるが,またフィルム内の

カルシウムが検出されるが,多分支障ないであろう。

ろ紙上の沈殿の観察

勝沢研究室の顕微鏡を借りてきて,沈殿を観察する。

測定済みの試料を観察し,フロッピーに記録する。

ろ過直後から試料を固定し,感想過程を顕微鏡で追いかける。

ろ紙の種類を変えて沈殿の捕捉状況を観察する。

ろ紙の選択

同一溶液を異なったろ紙でろ過する。

ろ過した沈殿を蛍光X線分析する。

疑問

同一溶液の液量を変化させ,蛍光X線強度を測定する。

比例領域の最大量を求める。

今回は散乱線補正のメリットがないので,15キロボルトでよい。

今回の報告は卒研の途中経過です。