スーパーファミコン、国民機と呼ばれるゆえん



 

 スーファミの愛称で親しまれているスーパーファミコンは1990年11月21日に発売された。同時発売されたソフトは『スーパーマリオワールド』『F−ZERO』。マリオは説明が要らないだろうが、F−ZERO未来の世界を想定したレースゲームである。なんたって時速480Kmなのである。
 8ビットのファミコンで実現できるゲームのアイデアがなくなってきて、ゲームファン、ソフト会社達は、今か今かとスーパーファミコンの登場を待ち望んでいた。おかげで発売後のパニックは今でも記憶に焼き付いている。
 発売以来スーファミは順調に普及していった。『マリオ』『ゼルダの伝説』『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』などのキラーソフトを軸にして。さらに『ストリートファイターU』を始めとする格闘技ゲームブーム、シムシティー、ダービスタリオンを代表とするシュミレーションゲームの発達など、ソフトバリエーションの豊富さも手伝い、全てのゲームファンを引き付けたのだ。販売台数は国内だけでも1700万台を超えたといわれている。全世界においては4000万台を超える販売台数を誇っている。このゲーム機が国民的ゲーム機と呼ばれるのは、決して大げさではないのだ。
 1995年末、スーパーファミコンはとても充実していた。プログラマーが一つのハードを完全に使いこなせるようになるには、5年はかかるといわれているがそれを証明するような出来事が起きた。『ドンキーコング2』『ドラゴンクエストY』『風来のシレン』『ダービースタリオン』など、スーパーファミコンの傑作ソフトが数多く発売された。
 しかしながら、スーファミを取り巻く環境は良いとは言えなかった。ゲーム雑誌でのスーファミの扱いは小さくなっていき、PS,SS好調と言い出した。そう、この時に「スーパーファミコンは終わった」といわれたのである。95年で最も売れたハードは「スーパーファミコン」であったのにも関わらずに。これに対しては、大きな疑問を感じずにはいられなかった。さらに、これだけ普及したハードと数多くの優秀なソフト資産が失われるのは残念であった。
 ところが、1996年11月に驚くべきニュースが発表された。Fカセット(フラッシュメモリーカード)を用いてローソン、小売店でソフトの書き換えサービスを行うというのだ。5000円以下を予定のカセットを購入したら、近くのローソン、専門店にいって端末で好きなゲームソフトをダウンロードする。しかも一個のカセットで、何度でも書き換えが出来るので、ユーザーには大変有難い。一回の書き換え料金は1000〜4000円を予定している。恐らく、以前に発売されたものは1000円という低料金にする。しかし、新しいソフトは4000円にする。カセットを持ってさえすれば4000円で新しいソフトがかえるのだから、これはうれしい。しかも、発売後一定期間したら随時値下げしていくものと思われる4000円の書き換え料金が3000円、2000円となっていくのだろう。しかもスーファミには大変優れたゲームが多いので、私達にも十分価値がある。また、スーパーファミコンのソフト資産を活用するには、最適のシステムといえるのではないだろうか。この「カートリッジ革命」によって、スーファミはこれからまた花を咲かせるだろう。スーファミよ、永遠なれ!