セガサターンその光と闇
1994年11月に発売されたセガサターンは発売当初から、その光と闇を持っていた。セガには世界最強のアミューズメント開発チームがある。そう、かの有名なAM2研である。そこでは、『バーチャファイター』(VF)シリーズをはじめ、ヒットゲームが次々に開発されている。これは間違いなく、セガサターンにとっての光である。発売後半年で約100万台を出荷し、一年後には出荷台数の累計は200万台になった。1995年の年末から春先にかけては、SSはPSをおしていたのだ。その要因は間違いなく『VF2』、『セガラリー』、『バーチャコップ』などのアーケードからの移植作である。そうセガサターンのユーザーは、そのような移植作を好む傾向があるのだ。セガサターンにはセガのアーケードのゲームがついている、これはまさしく光りであるが、それと同時に闇でもある。その闇とは、セガサターン=セガのアーケードゲーム専用機というイメージがついてしまったことだ。セガには熱狂的なファンが多くいるが、これもまた、光と闇である。
セガサターンの成功は、このイメージを消すことができるかどうかにかかっている。セガの移植作で固定ファンは獲得した。後はどのようにファミリー層をつかむかだ。
セガもそのために動いてはいた。マルチメディア路線を進むことになったのである。実写を駆使したムービー系のゲーム、X-JAPANを素材にしたゲームなどである。しかしこれらは、セガサターンのもう一つの柱になれなかった。これが今現在にまで尾をひいている。
セガサターンはよくPSと比較される。そうするとこんな事がよく言われる。「SSはPSに比べて3Dが弱いよね。」である。この言葉は真実である。しかし「セガサターンはポリゴンを使わない2DのCGや実写映像の能力は優れている。」これもまた真実である。ゆえにセガはこれらを駆使したゲームを作りはしたが、ヒットはしなかったのである。これが後々大打撃になったのである。
セガの光AM2研、その光がもたらしたセガマニア、くしくもそれがセガの闇になっているとは。なんとも皮肉である。