セガバンダイ、過大評価でないかい?


 バーチャとたまごっちが電撃結婚ではなくて、セガ・エンタープライゼスとバンダイが合併を発表。「売上高6000億円の、ディズニーに次ぐ世界的娯楽企業の誕生」事実には違いないが、浮かれすぎていないか? セガの270億円の特別損失、バンダイの90億円の今期連結損益を考えてるかい?まあ、両者ともに熱烈なファンがいるので(特にセガ)「究極のマニアック・カンパニー」が誕生したことは間違いない。
 バンダイはおもちゃメーカーからメディア企業に変貌するため、短期間に事業を多角化してきた。映画・ビデオ・、音楽(アポロンの買収)、カラオケ(日光堂の買収)、そして極めつけはピピン@アットマークだ。この失敗は大打撃だった。バンダイの経営資源からすると、急すぎたのだろう。玩具流通で強みを持っているのに(ハピネットによるSCEの流通部分受託など)「下手な鉄砲、数打ちゃあたる」状態に陥っていた。経営を立て直すにも、どこから整理したらいいのか、わからなかったんだったんだろう。
 一方のセガも、企業の合併、提携の数という点では、バンダイに勝るとも劣らない。しかし、それがうまくいったかというと、そうでもない。さらに、家庭用ゲーム機という市場では、セガ・サターンが普及の限界に達している。次世代ゲーム機戦争(そもそもTVゲームで競争はないのだけど。)で、現段階で「脱落」といえるのは、セガだけだろう(3DOやM2、FXは除く)。
 子会社を含めて、両社で事業分野が重複している部分は多い。合併までの9か月の間に、どれだけ「統合」が果たせるか。中山、山科両社長ともワンマン経営者同士だけにそう簡単なことではないはずだ。
 「バンダイはテレビ番組の人気キャラクターを多数持っており、これらをゲームソフト用の資源として活用すれば、セガがゲーム市場で主導権を握れる可能性がある」と言う人がいる。でもバンダイはすでに、資源を食いつぶしているんじゃないか?。評価に値するゲームって『スーパーロボット大戦』(バンプレスト)ぐらいじゃないのか? 『機動戦士ガンダム』シリーズなんか、数え切れないほど発売している。年末に出したと思ったら、もう3月にまた発売される。うーん。
 大川会長は日経記者とのインタビューで、こう述べている(25日12版9面)。「ゲーム機はソニーと組んで共通規格のデファクトスタンダード(事実上の業界標準)を作ってもいい。意地を張っていたら米アップルコンピュータのようになってしまう。 (略) 新会社はソフト重視の会社になる」。そうなった方が、セガには良いように思う。敗者連合なんだし。
 もっとも、「ソフト重視の会社」とはいえ、セガが抱くこれまでのコンプレックスから考えると、任天堂に協力していくこと、Nintendo64にソフトを供給していくことは考えがたい。玩具流通最大の影響力を持つハピネットとSCEの関係などから考えると、セガバンダイもSCEとの関係を重視していく戦略をとらざるをえないだろう。
 と思っていたら、環境さえ整えばN64,PS両方にバーチャファイターを出してもいいと大川会長、山科社長は言っている。どうなんだろねー!ま、せいぜいがんばって!!