RPGの歴史



 みなさんは、RPGがもつ本来の意味をご存知だろうか?もともとRPGとは、「ROLE」(役)を「PLAY」(演じる)する「GAME」(遊び)である。しかし、多くのゲームファンにとってRPGとは、「戦闘に勝利することによって、自分の分身であるキャラクターが成長するゲーム」であろう。もちろん他の要素を排除して、戦闘を楽しむ、レベルアップを楽しむ、これこそが、日本でRPGが普及した最大の原因であるのだろうが。
 RPGの元祖はもちろん『ドラゴンクエスト』(ドラクエ)であろう。ドラクエは基本的には、戦闘の楽しさ、レベルアップの楽しさを味わうゲームである。そこにストーリーを味わう要素を融合させ、マニアックなジャンルであったRPGを一躍メジャーにした。
 しかし、ドラゴンクエストには一つだけ、大きな問題があった。それは、ドラクエは完成度があまりにも高かったのである。戦闘、レベルアップを楽しませるシステムは、RPG史上最高の伝説の名作『ドラクエ3』で完成してしまった。そう、RPGは誕生以来わずか4年で進化を止めたのである。
 しかしRPGは終わらなかった。システム作りが終わると、今度はそれに変わって、ストーリー、グラフィックなどの華やかさの勝負が始まった。例えばマルチシナリオがそうである。そんな中で、ファイナルファンタジー(FF)、ウィザードリー、女神転生、などいくつかのブランド品が登場した。こうしてRPGは新たな時代に突入していった。
 こうしてRPGは現在にいたっている。もちろん、成長はしているが、進化はしていない。1997年1月31日に発売された「FFZ」でさえ映画的な演出、きれいなグラフィックで我々を驚かせはしたが、それでもより美しい世界を構築するという「FF」が目指している道からそれてはいない。つまり「FF」自体は、成長しているがRPGが進化しているわけではないのだ。「FFファンのみなさん、ごめんね!」もちろん「FFZ」はすごい作品ですよ!
 話は変わりますが、みなさんは『ゼルダの伝説』をご存知でしょうか?(FCディスクシステム同時発売のゲーム)SFC版のゼルダの伝説は、ゲーム業界では、伝説の名作として語られています。今年中に、N64DDで発売される予定です。この作品、一般的にはRPGとして扱われています。しかし、任天堂自体は、これを『アクションアドベンチャー』と位置づけています。
 なぜだか分りますでしょうか?上で書きましたが、RPGとは「キャラクターが成長するのを楽しむもの」であるがこのゲームは「プレイヤーが上達することを楽しむ」ことのほうに比重が置かれているのだ。ゆえにこれは、RPGではなく、ACTアドベンチャーなのである。
 とするならば、『トルネコの大冒険』、『風来のシレン』も他のRPGとは違うものとして扱うべきであろう。
 更に言えば、「キャラクターが成長する楽しさ」に「戦術」を組み合わせた『ファイアーエンブレム』『タクティクスオウガ』『大戦略』『ロボット対戦』などはどうなるのだろう。これらは一般には「シュミレーションRPG」と呼ばれている。しかも、けっこうRPGファンには、これらの作品を好きな人が多いんですよねー。
 さらに、「戦闘」をのぞいたシュミレーションゲームはどうだろう。例えば、『ダービースタリオン』あるいは『美少女ゲーム』と呼ばれるもの。これらも成長を楽しむものであるならば、RPGといってもいいかもしれない。
 このように、RPGとは今やいろんなタイプのゲームに別れていった、あるいは広がっていった。こういった状況を考えると、RPGは私が気付かないうちに新しい時代へと入っていたようだ。今後RPGはどうなってゆくのだろう。もう進化はしないのだろうか?それともこれから、あっと驚くRPGが登場するのだろうか?RPGゲームの歴史をちょっと考えてみました。