美少女ゲームを考える



 「美少女ゲーム」これから何を連想するでしょう。恐らく殆どの人が、ネガティブに、そして、オタクがやる危ないものとでも思うでしょう。しかし、現在最も活況を呈しているのは事実であり、全てのハードで、しっかりとした「カテゴリー」を築いています。「ジャンル」でなく「カテゴリー」としたことに注目して見てください。ゲームはいろいろなジャンルに分類されていますが、分類方法として、「ゲームシステム」によって分類してきました。まあテレビゲームの場合ジャンル分け自体は特別意味のあるものではないのですが。
しかし、美少女ゲームにおいては、「システム」はまったく無視されています。単にゲーム内の主要キャラクターが女の子であるだけで、なんでも美少女ゲームにされてしまうのだ。アドベンチャーの「同級生」もシュミレーションの「ときめきメモリアル」も「サクラ大戦」も全て美少女ゲームとして語られている。
 こんな状況に最近気付き、不思議に思っているのである。「美少女」この言葉には全てを吹き飛ばすパワーが宿っているようだ。
美少女ゲームはパソコンのHゲームからきていることは間違いありません。パソコンゲームの市場では、上位はほとんどHゲームが独占することも珍しくありません。しかし、アダルトソフトの市場は、新規参入も多いが、撤退する会社もまた多いのです。そして競争も激しい市場なのです。そんな中から、H以外の部分でいかに仕掛けを作るかということが、生き残りの決め手になってきました。
 そんな中から、1991年に『プリンセスメーカー』がガイナックスから発売されました。少女の養父となって、勉強させたり、しつけをしたりして一人前の女性に育てることが目的のゲームです。H一色のパソコンゲームでは一際目立ち、多くのユーザーを獲得し、後に美少女ゲームと呼ばれるゲームの基礎を築いた始祖である。
 1992年には『卒業』『同級生』も発売され、美少女ゲームの流れを加速させた。 家庭用ゲーム機(PCエンジン)においては、1994年の『ときめきメモリアル』が火付け役となった。その後1995年にPSではつばいされ「ときメモ」はこの世の春を迎えた。今では主人公が歌手デビューし、CDも発売しているほどである。12月下旬に発売され、オリコン24位くらいであった。けっこうすごいよね?
 1996年には二つの革新的な美少女ゲームが生まれた。一つは『NOeL』である。このゲームは、3人の女の子とテレビ電話で会話するゲームである。インターフェイスが発達すればゲームではなくなるかもしれない。
 もう一つは『サクラ大戦』である。テレビアニメともいえそうなゲームであり、簡単ではあるが、戦略シュミレーションの要素もはいっている。この方法論は革新的とは言えないかもしれないが、大変クオリティーの高い作品になっている。実際、多くのユーザーを獲得し、続編にも大きな期待を持たれている。
 これ以外にも優秀な美少女ゲームは存在するだろう。これから更に美少女ゲームは花を咲かせることができるのだろうか?